友人が「おすすめ・・・」と言ってくれた瀬尾まいこさんの小説の世界は、私も人に「おすすめ」したくなります。
「ろくに学校にも行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしてい太田」(裏表紙より)が主人公。1歳の女の子の子守を引き受けることになる。「泣き止まない、ごはんを食べない、小さな鈴香に振り回さる金髪少年はやがて――」
こんなリードに惹かれて読んだのが「君が夏を走らせる」
太田少年のことを知りたくなって、前作の「あと少し、もう少し」を読む。
駅伝のタスキをつなぐ6人の少年の一人一人が主人公。そのひとりが太田君。
そして、この2作よりも10年も前の作品、「天国はまだ遠く」の作者あとがきで、丹後地方で全校生徒30人の中学校の教師をしていたという作家の経歴を知りました。なるほど・・・だから、作中の少女たち、少年たちが、こんなにも生き生きと臨場感をもって描かれているのでは?と。
「あと少し、もう少し」
「君が夏を走らせる」
「天国は まだ遠く」
新潮文庫