ボランタリー画廊   副題「げってん」・「ギャラリーNON] 

「げってん」はある画廊オーナとその画廊を往来した作家達のノンフィクション。「ギャラリーNON]は絵画を通して想いを発信。

ギャラリーNON(4)-絵は抽象である-

2007年02月03日 | 美術

 私は、絵画教室で 「絵は抽象である」 と教えている。
対象をきちんと描いた絵は、写真とどちらが写実的かを競っているようなもので、「写生」とでも言ったら良いのかもしれない。抽象画が出現しているので、「絵は抽象画である」と言っているのかと誤解されるかもしれないが、そうではない。
絵には「やさしい」「厳しい」「温かい」「冷たい」「鋭い」「鈍い」「刺激」「癒し」などの抽象的要素が表現されているべきだと言いたいのである。これらを表現するのに具象が邪魔になると思った人が、具象を画面から排除した絵、すなわち抽象画を描くのであって、必ず絵は抽象画にすべきであるといっているのではない。
 そう言ったら、次に返ってくる質問が「それを表現するにはどうしたらいいか」という方法論となる。
ところが、その方法を指導すると指導者の絵になるのである。
 「絵を描くことを教えることはできない」という人がいる。その人は更に言葉を足す。
 「描くことは教えないが描いているところを見せることはできる」と。
表現はユニークであるべきだから、自分の表現法を指導者や他人の絵を見て自分で探さなければならない。
大変な仕事だが、好きだったら探し求めることができると思う。斯く言う私もその過程にある。