ボランタリー画廊   副題「げってん」・「ギャラリーNON] 

「げってん」はある画廊オーナとその画廊を往来した作家達のノンフィクション。「ギャラリーNON]は絵画を通して想いを発信。

ギャラリーNON(5)-俳句のような絵を描きたい-

2007年02月06日 | 美術
 我が家に山頭火の直筆の句がある
 「こころすなをにご飯がふいた」
という句である。
 若い時からこの句の短冊があるのを知っていたが、眼をとめてもそれ以上のことは無かった。
そのうち、山頭火ブームのようなものが来て、若い頃眼にとめたその短冊をじっくりと眺めた。
爺さんが俳句が好きだったこと、同人誌「層雲」が家にあること、荻原井泉水の色紙もあることなどいろいろ思い巡らすと、近くで持たれた句会に山頭火が参加して、そこで詠まれたものであろうと思われる。山頭火の句集も読んでみた。そして次第に人間くさい山頭火が好きになっていった。
 少ない言葉を与えることで、広く深い思いを引き出させる俳句の力は素晴らしい。私も俳句のような絵を描きたいと思う。

 山頭火の句づくりのポイントの一つに
「ぐっと掴んで、ぱっと投げる」
 というのがある。
 そんなふうに絵を描いてみたい。いや、描けるようになりたい。