1月23日、朝日新聞夕刊の一面の記事である。米コーネル大学で脱オンライン化のために、大規模PCR検査を実施したところ、感染者が減り、キャンパスでの授業が可能になった、というものである。朝日新聞は、PCR検査抑制派の政府お抱え専門家の意見しか掲載してこなかったが、抑制が間違っていたことに気づいたのか、このような記事を載せている。
記事は、コーネル大学は「9月、学生が検査を受け始めると、すぐに陽性者が出始めた。だが、予測どおり、検査を繰り返すと、感染者がどんどん減少した。」と書いている。それは、同大学の准教授の研究論文で「学部生は週2回、教職員も週1~2回の検査を受け続ければ陽性者はどんどん減る」となっており、実施した結果が、まったくそのとおりに、「どんどん減った」というのである。
ここで重要なのは、PCR検査は定期的に複数回実施されたということ、その費用は「大学側が明確な方針を打ち出さず、入学を延期する学生が続出すれば、損失は」検査にかかる費用よりもはるかに大きいといいことである。
つまり、費用はかかるが、定期的な大量PCR検査をすれば、感染拡大の抑制が確実にできるということだ。恐らく、社会全体でも、検査費用より、感染拡大の損失の方が大きいと想像できる。
記事にはないが、大量検査には、それによって発見された陽性者をどうするのか、という問題がある。アメリカは、桁違いに感染者が多いので、医療は危険水準に陥っているものの、日本と比べれば、大規模病院が多いということと、州政府や市が公共保健施設に陽性者追跡専門要員を大量に派遣していることなどがあり、大規模PCR検査を可能にしている。
しかしこれは、今までの朝日新聞の論調からすると、実に都合の悪い「事実」である。朝日新聞は、コロナ危機に関する限り、政府に同調しており、大々的に批判するのは、中国式の強権的なやり方だった。これは、恐らく朝日新聞的「リベラル」くる「自由」の抑圧に反対するというものだろうが、PCR検査についても、拡充すべきという意見はほとんど無視してきた。政府を「右」の立場から叱咤激励する産経や、ほぼ政府広報化している読売は論外として、毎日、東京と比べるとその差は著しい。
朝日新聞が、「PCR検査が感染拡大防止に繋がる」という論調に変われば、その分だけほんの少し、感染拡大は減っていく。
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