『昭和天皇独白録』、『侍従長の回想』、『終戦秘史』、『戦藻録』、『機関銃下の首相官邸』、『機密戦争日誌』、『時代の一面』、『敗戦日記』及び『戦中派不戦日記』の史料を通じて、「敗戦について、日本の政治・軍事指導層はどのような受け止め方をしたのか、そこにはどのような対立があったか」(13頁)ということに対する理解を得ることが本書の目的である。
改めて、日本軍が特に敗戦に近い時期には「天皇でさえも手の打ちようがないほど」(38頁)の酷い状態であったことを認識した。また、本書で紹介された史料等が「軍事を統御する政治システムをつくりえなかった」ことを証している(330頁)という主張は異論をはさむ余地はない。果たして、現在の日本社会がその状態とは全く違うと言えるだろうか。
改めて、日本軍が特に敗戦に近い時期には「天皇でさえも手の打ちようがないほど」(38頁)の酷い状態であったことを認識した。また、本書で紹介された史料等が「軍事を統御する政治システムをつくりえなかった」ことを証している(330頁)という主張は異論をはさむ余地はない。果たして、現在の日本社会がその状態とは全く違うと言えるだろうか。