2月29日

日々の思いつき及び読書の感想

読書 宮崎学著 『ヤクザに弁当売ったら犯罪か?』(ちくま新書)

2012-07-28 17:07:56 | 読書
本書の題名は、福岡県のデパートが暴力団の事始め式用に一個一万円の弁当を数百個販売した後に、県警から今後(暴力団排除条例施行後)は取引をやめるようにと注意を受けたことがあったこと(007ページ)から、付けられたと思われる。
全国の都道府県で施行された暴力団排除条例には、曖昧な点があり、条例違反か否かを警察に確認しなくてはならないようになっている。このため、コンビニから任侠もののコミックか撤去されたりと、過剰な対策がとられる危険性がある。また、暴力団及びその関係者を社会から排除するというのは憲法が保障する法の下の平等に反する恐れを指摘する人々もいる(2012年1月『暴力団排除条例』の廃止を求め、『暴対法改定』に反対する表現者の共同声明)。
また、暴排条例がかつての治安維持法のように、その処罰対象を広くし、暴力団だけでなく、国に対して批判的な人々までも処罰する危険性もあると宮崎さんは考えている。
弊害が大き過ぎる現在の暴力団排除条例は直ちに改正されるべきだ。
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