本書で言う「闇権力」とは、一部の人間(官僚等)だけが税金で私服を肥やすことを可能とする目には見えない体制のことを指し、本書では特に、その一翼として専ら外務省の官僚が実名で取り上げられている。通常であれば、名誉毀損による損害賠償訴訟を恐れて、匿名にするものだが、著者にはそれらが事実であることに対する大いなる自信と国民に広く知られなければならないという強い確信から、あえて実名という形で出版したと思われる。仮に、外務省が本書のとおりであるとすれば、日本の外交はかなり危ういと言わざるを得ないが。。。
著者の「すべてのスタートは、官僚組織の無駄遣いをなくすことから始まる」(4頁)という主張は、2009年総選挙で勝利した民主党がかかげていたことの一つであった。しかし、その民主党は、小手先の事業仕分けをしただけで、消費税率のアップに傾いている。
それでも、日本では、エジプトとは違い、大規模な抗議活動は行われていないし、今後も起きないのだろう。