本書の解説によれば、本書は、1966年3月から1967年4月まで読売新聞に連載されたサスペンスである。当時、東京オリンピック開催に向けての過剰投資で、大きな倒産がいくつも起きていたようだ。本書の登場人物である会社役員は、会社更生法が適用された大きな電器会社の役員であり、そのような大会社が法で守られる一方、その会社に対して債権を持っている零細企業は守られないという不条理も表れている。文字が大き目とはいえ、678ページの大著であるから、読むのが大変かと思ったが、そんなことはなく、先が知りたくなって、数日で読了した。最後の方になると犯人がわかりそうなるが、この手のサスペンスものにはあることなのかもしれない。
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