2月29日

日々の思いつき及び読書の感想

読書 岡野薫子著『太平洋戦争下の学校生活』(平凡社ライブラリー354)

2012-07-18 02:40:05 | 読書
本書は二部構成で、第一部が昭和10年ごろから太平洋戦争前まで、第二部がそれ以降から1945年8月の敗戦までとなっている。
著者は昭和4年生まれで、この時期に小学校、高等女学校などに通学していたが、次第に戦時色が強まり、学徒動員で工場に狩り出された。その過程が一個人の視点から描かれていて、いろいろなことが具体的に記載されているので、当時の生活が想像しやすい。
学校で教材として使用してほしい。
序章の最後に「この時代、ほとんどの日本人が、国のすることを疑いもせず、自分の責任も感じないまま、大きな力に引っ張られ、流されていった」(12ページ)とあり、それは「徹底して行われた天皇制教育の効果」(同ページ)であるのは疑うまでもない。
これは、原発と同じ構図であると思わずにはいられないのは私だけではないだろう。結局、同じことを繰り返すようだ、この日本社会は。破滅的な結果がもたらされたところまで似る必要はなかったのだが。
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/frame.cgi?page=query.cgi&series=hl
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