【惑星ピースミリオン衛星軌道上】
複数のカプセルが惑星ピースミリオンに向かっていた。
新統合宇宙軍艦隊は隕石だと思い、一応警戒していたが燃えつきると判断し・・・
何も対策しなかった。
複数のカプセルは成層圏に到達すると、各地域に別れて分散する。
「新統合軍の奴らの度肝を抜いてやれ!」
分散したカプセルは飛行を続けた後、突然崩壊し・・・・
その中から多数の可変戦闘機が出てくる。
出てきた可変戦闘機はステルス性を生かし、目標の統合軍基地へ向かう。
「リーダー、レーダーサイトを確認しました。」
「よし地球人に戦争とやらを教えてやれ!」
レーダーサイトを確認した可変戦闘機達はロックオンしミサイルを発射した。
発射されたミサイルは水平にレーダーサイトへ向かって行く・・・
新たな戦争を作るための灯火にするために
「班長、レーダーに反応。これは飛翔物。」
「何処に向かっている?何処に向かっているんだ?」
「それが我がレーダーサイ・・・・・」
ズガァァァァァン
ミサイルはレーダーサイトに命中する。
レーダーサイトは爆炎をあげ空を黒く染める。
近くの第5航空基地はその爆炎を見て悲鳴をあげ、パニックになった。
パニックになった第5航空基地に向かって可変戦闘機部隊が飛ぶ。
「総員戦闘配備!急げ!VF-15部隊も出せ!あげろ!」
「サンダーボルトやナイトメアを早く出せ!エクスカリバーもだ!」
吉野朝灯「くっ一体何処の国の可変戦闘機なの?」
新統合軍衛生.生吉野朝灯伍長
衛生兵の朝灯は犬猿の仲で後の夫になるライト・インメルマンと別れた後・・・・
衛生兵としての任務を果たすべく救護室へ向かった。
しかし
道中は基地を攻撃する未確認機が飛んでおり・・・・・
当たりはミサイルの爆風や銃撃が飛び交い・・・・
目の前で大勢の人間が傷つき死んでいった。
「ぎゃぁぁぁぁぁ」
「熱い熱いぐぁぁぁぎゃぁぁぁ」
吉野朝灯「くっ」
死んでいく姿、苦しむ姿・・・・・息絶える姿・・・・
戦場が初めての朝灯からすれば見るに絶えない光景であった。
これが父や母が言っていた戦場・・・・・
朝灯は銃弾や爆発が絶えない基地を危険を回避しながら歩く・・・・
吉野朝灯「あれはライトのバルキリー、あいつ上手く飛べたんだ。あいつが上手く行ったならあたしだって。」
危険を回避しながら歩く朝灯の目にライトのバルキリーが離陸する姿を見る。
上手く敵に破壊されず上手く飛び立てた。
だったら自分も上手く救護室に向かい衛生兵の役目を果たそうと朝灯は燃える。
とは言えであるが・・・・・
危険なのは代わりはない
救護室に間に合わないなら・・・・
地下への入り口に向かわないといけない。
そこにたどり着くまで後少しだが、砲撃が激しい。
このまま行けば自分が爆死するのが目に見える。
吉野朝灯「行くしかない!」
朝灯は意を決し危険地帯へ乗り出した。
そこを乗り越えれば一応の安全地帯に乗り出す事が出来る。
必死に爆風を掻い潜りながら走る朝灯、途中爆風で出来たらクレーターに入り・・・
塹壕代わりにし、死んだ兵士のヘルメットと防弾チョッキをつけ・・・・
再び危険地帯へ向けて走り出す。
「そこの兵士、こっちだ!急げ!」
「早くしろ!危ないぞ!」
ようやく地下への入り口へ近づいた。
朝灯は一気に走りだし地下への入り口へ突入する。
突入しても朝灯は走りだし奥へ進む。
入り口付近にいたら外からの爆風に曝されるかも知れない。
身の安全のため、奥へ進まないといけない。
しばらく朝灯は救護室へ向かうと・・・・
「吉野伍長か、無事だったか・・・」
吉野朝灯「はい」
「早く来てくれ衛生兵の数が足りない、手をしてくれ」
医療品を持った同僚の衛生兵に出会いすぐ来てくれと言われた。
現在、戦闘が始まり多数の死傷者が出ており・・・・
救護室はかなり血の臭いが充満していた。
そして激痛による負傷した兵士の呻き声、悲鳴、叫びが・・・・
そんな中で戦友の細川志乃と合流すると、衛生兵の衣類を渡され・・・
更衣室に向かい着替え、医療現場に入る。
格好は歩兵と変わらないが、頭には十字マーク。
腕章に十字マークと誰が見ても衛生兵に見える。
「吉野は経験が薄い、いろいろと指示するからやってくれ。」
吉野朝灯「はい。」
朝灯は経験の薄い衛生兵なので軽い仕事しか出来ない。
軽い仕事だが、やる人間からすれば軽い仕事と言えないようなものであった。
それは・・・・
「痛てぇぇぇぇぇよ、母さぁぁぁぁぁん」
「吉野抑えていろ!」
吉野朝灯「はい。」
負傷兵を抑える仕事や、助からない負傷兵に安楽死するための薬を投与する事。
朝灯の制服や手袋には大量の血が付着している。
そして耳が壊れそうな程の負傷兵の叫び声・・・・
初めての現場の朝灯からすればかなり精神的に負担を感じる。
いつもの男嫌いな性格の朝灯の表情はかなり暗めになる。
それに目の前で脚を切断する場面まで・・・・
吉野朝灯「死なないで・・・・」
朝灯は目の前の負傷兵を抑え、軍医の治療を手伝う。
しかし、その兵士は暴れた事により精神が破綻し・・・・
結局絶命してしまった。
「衛生兵(メディック)!衛生兵(メディック)はまだか!」
救護室で叫ばれる衛生兵を呼ぶ声・・・
殺してくれと叫ぶ兵士の声、大事な人が死んで泣き叫ぶ声・・・
ここの地獄に朝灯は必死に耐える・・・
ガシッ
吉野朝灯「あっ」
「リアンナ、俺は待ってくれ。待ってくれ!リアンナ!何処だ!」
吉野朝灯「あっ・・・・あぁぁぁ」
ブラックリボンをつけた負傷兵が朝灯の脚を掴む。
掴んできた負傷兵の目端恐ろしく・・・
朝灯の顔は顔面蒼白になり、動けなくなる。
「こいつ!」
パンッ
吉野朝灯「あぁぁぁ」
「しっかりしろ!貴様!衛生兵だろ!」
掴んできた負傷兵は安楽死遂行人の歩兵に射殺された・・・・
恐怖に怯える朝灯はその歩兵に怒られる。
朝灯は歩兵の言葉を聞いてハッとした。
今の自分は衛生兵・・・・
こうなる事が分かって入った・・・・
吉野朝灯「ぐっ・・・・・こうなる事は分かってたんだ。やってやる、私は衛生兵・・・軍人の医者なんだ!」
朝灯は自分の舌を噛み千切らない程度にかんだ。
少しでも多くの兵士を救ってやろうと・・・・
そう決意し現場へ戻るが・・・・・
この後、朝灯が自分自身に悲劇が起ころうとはこの時分からなかった。
「吉野、モルヒネの箱と包帯の箱を倉庫から持ってきてくれないか?」
吉野朝灯「は.はい。」
朝灯は軍医からの命令で向かい側にある倉庫まで向かった。
一回地上に出た所にあり、距離的にもそんなに遠くはない。
そう簡単に壊れそうな構造じゃないので、直接攻撃による被害の心配はない。
吉野朝灯「よし手に入れた。」
倉庫に到達した朝灯はモルヒネの箱と包帯の箱を持って救護室に走る。
外の様子は紅蓮の炎に包まれていた。
いくら近くて向かい側にあるとは言え、砲弾が飛び交う中を横断しなければならなかった。
目の前にはガトリング砲を搭載しているデストロイド・トマホーク局地型が・・・・・・
上空に飛び交う所属不明の可変戦闘機を相手している。
吉野朝灯「来ないでよ砲弾・・・・・・・・・・来ないで・・・・・・」
朝灯は必死に積み重なったモルヒネと包帯の箱を抱えながら医療テントまで走る。
半分地下である医療テントまでいけば安全である。
朝灯は走りながら、向かった。
ヒュゥゥゥ
吉野朝灯「えっ・・・・・・・・・」
自分の後ろにいたデストロイド・トマホーク局地型が・・・・
ガウォーク形態である所属不明の可変戦闘機にレーザー砲を撃たれた。
最初は物凄い音をたてながら小さな爆発をしたが・・・・・・
全体的に爆発の導火線に火がついていたようであり・・・・・・・
バタン
吉野朝灯「がはっ。」
朝灯は吹き飛ばされ後ろの3mぐらい叩き飛ばされてしまった。
ヘルメットと防弾チョッキを着ていたのと・・・・
爆風に混ざっていた熱風の被害を殆ど受けなかったが・・・・・
朝灯は頭から血を流し気絶する。
全身打撲かつ、肩から・・・大量出血・・・・
「吉野!!」
医療テントで治療に当たっていた衛生兵が偶然倒れている朝灯を見つけ。
危険な戦場の中を走り朝灯を担ぎこんで、医療室まで連れていった。
リボンレベルレッド
緊急治療者と判断され直ぐ様朝灯の治療が始まった。
下手すれば死ぬ可能性がある・・・
軍医は必死に朝灯を治療した。
それからしばらく・・・・・
吉野朝灯「ここは・・・・」
朝灯は病室で目覚めた、自身の頭には包帯が巻かれている。
だけど、上手く体が動かせそうにない。
この時、朝灯は悟った・・・・・自分が生きてにると・・・・・
頭の髪の毛はある・・・・・
吉野朝灯「あたしは何で・・・・」
朝灯は自分が何が原因でここに運ばれたのか疑問に感じる。
体は動きづらいし、いつものように強気に慣れない・・・・
辺りを見渡すと、誰かが自分を守るように座りながら寝ている。
よく見たら・・・・・
吉野朝灯「ライト・・・・・」
犬猿の仲のライト・インメルマンがいた・・・・
まさか・・・・看病してくれたのか・・・
朝灯はライトを見て複雑ながらも、悪くないと感じる。
献身になって看病してくれたんだ。
怪我をして死にそうになった私を見てくれたんだ・・・・
馬鹿な奴・・・・・
そんな馬鹿な奴の気持ちが知りたい・・・・・
朝灯は目が覚めないようにぐっすり寝た。
ライトの本音を知るためには、意識不明な不利をしなくてはいけない。
ライト・・・・あなたは私の事をどう思っているの?
その後・・・・
ライトは軍医から伝えられた朝灯の目覚めなければ危険の最終期限の前日・・・・
朝灯に対する気持ちをぶちまけた。
その気持ちを受け取った朝灯はライトをびっくりさせる為に起きてびっくりさせる。
ライトの言った気持ち・・・・・
なんか嬉しく感じてしまう・・・・
ライト「朝灯、立てるか?」
新統合宇宙軍ライト・インメルマン中尉
吉野朝灯「なんとかね、見てよほら!この通り!あたぁ!」
ライト「危ない!まだ立てないじゃないか!」
吉野朝灯「うるさい、少し油断しただけよ。」
朝灯は退院後、ライトと共にリハビリを行っている。
少しは歩けるようになったけど、体がふらつく・・・・・
ふらつくたびに、ライトに抱えられ・・・
プライドに触れたのか、朝灯はライトに抗議した目で見る。
と言っても、朝灯は・・・・
-自分が目覚めるまで看病してくれたし・・・
-まぁいいか
と照れながら前を向いた。
「吉野伍長、ここにいたか!」
吉野朝灯「なんです?」
突然、佐官クラスの士官が来た。
何やら笑顔であり、ライトは何かあるなと悟った。
何か少し嫌な予感がするほどの・・・・
「君をパープルハート章(名誉戦傷章.名誉戦死傷章)の受賞が決まった、君の両親の元へ帰れるぞ!」
ライト「どう言う事です?」
「吉野朝灯伍長を軍曹に昇進し、予備役編入。つまり事実上の除隊だな。」
吉野朝灯「えっ」
それは朝灯の除隊。
パープルハート章を授章し、父吉野大樹と母ラウラ・ベルタリアの元へ返すと言う。
今回の負傷と医療現場の様子を見て精神的に耐えられないと上が判断・・・・
朝灯を除隊する事を決定した。
ライト「良かったな朝灯・・・・帰れる・・・」
吉野朝灯「お断りします。」
「?」
ライト「どうして?」
除隊の決定・・・・・・朝灯は拒否した。
朝灯の拒否にライトと佐官クラスの士官は不思議そうに朝灯の顔を見る。
普通だったらこの場で喜ぶはずだが・・・・
一体何故断るのか?
吉野朝灯「私は衛生兵です、戦場で命を救うために志願しました。除隊して帰れなんて出来ません。」
「死ぬかも知れないのだぞ、それに精神的に病むことになるんだぞ!」
吉野朝灯「大事な人が近くにいます、もう大丈夫です。私は戦場のリアルから逃げたくありません、だから私は故郷へ帰りません。父や母、そして姉達に心配されても・・・・どうか、私を衛生兵として使ってください。」
「・・・・・・」
断る理由は、朝灯には戦場で命を救うため衛生兵に志願した事。
精神的に辛い現場ではあるが、絶対にやり遂げたい事だし。
今では大事な人がいる・・・・・
たった一度の戦闘があったくらいで除隊なんてしたくないし。
戦場のリアルから逃げたくはない・・・・・
朝灯は決意の目を佐官クラスの士官に向ける。
「分かった、パープルハート章を受領するが、除隊するチャンスはないぞ。その覚悟でいいんだな?」
吉野朝灯「はい」
「よし上に伝える。死んでも文句言うな。」
佐官クラスの士官は朝灯の決意を理解し・・・・
除隊は辞めてそのまま衛生兵として活動できるようにするため上に報告する事を決めた。
むしろ
男嫌いで決めた事はやり通す朝灯を止めても無駄だろうと・・・・
ライト「本当に良かったのか?除隊しなくて?」
吉野朝灯「いいのよ、あたしの希望だし・・・・・それにあんたの監視役として残らないとね~」
ライト「それはど言う事だよ!」
吉野朝灯「な~いしょ、別にいいでしょ。」
朝灯はライトと共に病室へ向かう。
ライトから本当に除隊しなくて良かったのか聞かれるが・・・・・
朝灯は良かったと答える・・・・・
自分の希望だし・・・・
それにライトは自分にとっては大事な人・・・・
あの時・・・・・・
「朝灯・・・・・・・・聞こえていないだろうが、俺もお前の事が好きだ。お前が死ぬならば、俺が死んだ後来世で再び・・・・・・・そうならないためにも、どうか目覚めてくれ朝灯・・・・・・・」
自分の事を好きだと言ってくれた。
来世で再び会う気満々なのは置いて、震えながら言ってくれたのは凄く嬉しかった。
そんな人を戦場に置いて故郷へ帰れない。
朝灯はライトと一緒に生死を共にしたい。
そう考えていた。
【惑星シェルバン】
惑星シェルバン、星間国家シェルバン共和国が統治する惑星であり・・・・
数年前に新投合政府とその同盟国と戦争した国家である。
シェルバン周辺には多数の艦隊が展開しており、領土問題の地惑星ホリップへ向かう。
惑星ホリップには新投合政府と同盟関係のフェリバ連邦軍が展開している。
それに加え新投合軍艦隊も展開しており・・・・・・
領土問題はまるで火薬庫のようにいつ爆発炎上してもおかしくない状態であった。
そんな惑星ホリップに向けてシェルバン軍の艦隊が進撃。
その目的は・・・・・・
開戦
惑星ピースミリオンを襲ったのはシェルバン軍であり・・・
相手に混乱を生み出すために行われた作戦であった。
西暦2043年惑星ホリップにて・・・・・新たな戦争の影が蠢く。
複数のカプセルが惑星ピースミリオンに向かっていた。
新統合宇宙軍艦隊は隕石だと思い、一応警戒していたが燃えつきると判断し・・・
何も対策しなかった。
複数のカプセルは成層圏に到達すると、各地域に別れて分散する。
「新統合軍の奴らの度肝を抜いてやれ!」
分散したカプセルは飛行を続けた後、突然崩壊し・・・・
その中から多数の可変戦闘機が出てくる。
出てきた可変戦闘機はステルス性を生かし、目標の統合軍基地へ向かう。
「リーダー、レーダーサイトを確認しました。」
「よし地球人に戦争とやらを教えてやれ!」
レーダーサイトを確認した可変戦闘機達はロックオンしミサイルを発射した。
発射されたミサイルは水平にレーダーサイトへ向かって行く・・・
新たな戦争を作るための灯火にするために
「班長、レーダーに反応。これは飛翔物。」
「何処に向かっている?何処に向かっているんだ?」
「それが我がレーダーサイ・・・・・」
ズガァァァァァン
ミサイルはレーダーサイトに命中する。
レーダーサイトは爆炎をあげ空を黒く染める。
近くの第5航空基地はその爆炎を見て悲鳴をあげ、パニックになった。
パニックになった第5航空基地に向かって可変戦闘機部隊が飛ぶ。
「総員戦闘配備!急げ!VF-15部隊も出せ!あげろ!」
「サンダーボルトやナイトメアを早く出せ!エクスカリバーもだ!」
吉野朝灯「くっ一体何処の国の可変戦闘機なの?」
新統合軍衛生.生吉野朝灯伍長
衛生兵の朝灯は犬猿の仲で後の夫になるライト・インメルマンと別れた後・・・・
衛生兵としての任務を果たすべく救護室へ向かった。
しかし
道中は基地を攻撃する未確認機が飛んでおり・・・・・
当たりはミサイルの爆風や銃撃が飛び交い・・・・
目の前で大勢の人間が傷つき死んでいった。
「ぎゃぁぁぁぁぁ」
「熱い熱いぐぁぁぁぎゃぁぁぁ」
吉野朝灯「くっ」
死んでいく姿、苦しむ姿・・・・・息絶える姿・・・・
戦場が初めての朝灯からすれば見るに絶えない光景であった。
これが父や母が言っていた戦場・・・・・
朝灯は銃弾や爆発が絶えない基地を危険を回避しながら歩く・・・・
吉野朝灯「あれはライトのバルキリー、あいつ上手く飛べたんだ。あいつが上手く行ったならあたしだって。」
危険を回避しながら歩く朝灯の目にライトのバルキリーが離陸する姿を見る。
上手く敵に破壊されず上手く飛び立てた。
だったら自分も上手く救護室に向かい衛生兵の役目を果たそうと朝灯は燃える。
とは言えであるが・・・・・
危険なのは代わりはない
救護室に間に合わないなら・・・・
地下への入り口に向かわないといけない。
そこにたどり着くまで後少しだが、砲撃が激しい。
このまま行けば自分が爆死するのが目に見える。
吉野朝灯「行くしかない!」
朝灯は意を決し危険地帯へ乗り出した。
そこを乗り越えれば一応の安全地帯に乗り出す事が出来る。
必死に爆風を掻い潜りながら走る朝灯、途中爆風で出来たらクレーターに入り・・・
塹壕代わりにし、死んだ兵士のヘルメットと防弾チョッキをつけ・・・・
再び危険地帯へ向けて走り出す。
「そこの兵士、こっちだ!急げ!」
「早くしろ!危ないぞ!」
ようやく地下への入り口へ近づいた。
朝灯は一気に走りだし地下への入り口へ突入する。
突入しても朝灯は走りだし奥へ進む。
入り口付近にいたら外からの爆風に曝されるかも知れない。
身の安全のため、奥へ進まないといけない。
しばらく朝灯は救護室へ向かうと・・・・
「吉野伍長か、無事だったか・・・」
吉野朝灯「はい」
「早く来てくれ衛生兵の数が足りない、手をしてくれ」
医療品を持った同僚の衛生兵に出会いすぐ来てくれと言われた。
現在、戦闘が始まり多数の死傷者が出ており・・・・
救護室はかなり血の臭いが充満していた。
そして激痛による負傷した兵士の呻き声、悲鳴、叫びが・・・・
そんな中で戦友の細川志乃と合流すると、衛生兵の衣類を渡され・・・
更衣室に向かい着替え、医療現場に入る。
格好は歩兵と変わらないが、頭には十字マーク。
腕章に十字マークと誰が見ても衛生兵に見える。
「吉野は経験が薄い、いろいろと指示するからやってくれ。」
吉野朝灯「はい。」
朝灯は経験の薄い衛生兵なので軽い仕事しか出来ない。
軽い仕事だが、やる人間からすれば軽い仕事と言えないようなものであった。
それは・・・・
「痛てぇぇぇぇぇよ、母さぁぁぁぁぁん」
「吉野抑えていろ!」
吉野朝灯「はい。」
負傷兵を抑える仕事や、助からない負傷兵に安楽死するための薬を投与する事。
朝灯の制服や手袋には大量の血が付着している。
そして耳が壊れそうな程の負傷兵の叫び声・・・・
初めての現場の朝灯からすればかなり精神的に負担を感じる。
いつもの男嫌いな性格の朝灯の表情はかなり暗めになる。
それに目の前で脚を切断する場面まで・・・・
吉野朝灯「死なないで・・・・」
朝灯は目の前の負傷兵を抑え、軍医の治療を手伝う。
しかし、その兵士は暴れた事により精神が破綻し・・・・
結局絶命してしまった。
「衛生兵(メディック)!衛生兵(メディック)はまだか!」
救護室で叫ばれる衛生兵を呼ぶ声・・・
殺してくれと叫ぶ兵士の声、大事な人が死んで泣き叫ぶ声・・・
ここの地獄に朝灯は必死に耐える・・・
ガシッ
吉野朝灯「あっ」
「リアンナ、俺は待ってくれ。待ってくれ!リアンナ!何処だ!」
吉野朝灯「あっ・・・・あぁぁぁ」
ブラックリボンをつけた負傷兵が朝灯の脚を掴む。
掴んできた負傷兵の目端恐ろしく・・・
朝灯の顔は顔面蒼白になり、動けなくなる。
「こいつ!」
パンッ
吉野朝灯「あぁぁぁ」
「しっかりしろ!貴様!衛生兵だろ!」
掴んできた負傷兵は安楽死遂行人の歩兵に射殺された・・・・
恐怖に怯える朝灯はその歩兵に怒られる。
朝灯は歩兵の言葉を聞いてハッとした。
今の自分は衛生兵・・・・
こうなる事が分かって入った・・・・
吉野朝灯「ぐっ・・・・・こうなる事は分かってたんだ。やってやる、私は衛生兵・・・軍人の医者なんだ!」
朝灯は自分の舌を噛み千切らない程度にかんだ。
少しでも多くの兵士を救ってやろうと・・・・
そう決意し現場へ戻るが・・・・・
この後、朝灯が自分自身に悲劇が起ころうとはこの時分からなかった。
「吉野、モルヒネの箱と包帯の箱を倉庫から持ってきてくれないか?」
吉野朝灯「は.はい。」
朝灯は軍医からの命令で向かい側にある倉庫まで向かった。
一回地上に出た所にあり、距離的にもそんなに遠くはない。
そう簡単に壊れそうな構造じゃないので、直接攻撃による被害の心配はない。
吉野朝灯「よし手に入れた。」
倉庫に到達した朝灯はモルヒネの箱と包帯の箱を持って救護室に走る。
外の様子は紅蓮の炎に包まれていた。
いくら近くて向かい側にあるとは言え、砲弾が飛び交う中を横断しなければならなかった。
目の前にはガトリング砲を搭載しているデストロイド・トマホーク局地型が・・・・・・
上空に飛び交う所属不明の可変戦闘機を相手している。
吉野朝灯「来ないでよ砲弾・・・・・・・・・・来ないで・・・・・・」
朝灯は必死に積み重なったモルヒネと包帯の箱を抱えながら医療テントまで走る。
半分地下である医療テントまでいけば安全である。
朝灯は走りながら、向かった。
ヒュゥゥゥ
吉野朝灯「えっ・・・・・・・・・」
自分の後ろにいたデストロイド・トマホーク局地型が・・・・
ガウォーク形態である所属不明の可変戦闘機にレーザー砲を撃たれた。
最初は物凄い音をたてながら小さな爆発をしたが・・・・・・
全体的に爆発の導火線に火がついていたようであり・・・・・・・
バタン
吉野朝灯「がはっ。」
朝灯は吹き飛ばされ後ろの3mぐらい叩き飛ばされてしまった。
ヘルメットと防弾チョッキを着ていたのと・・・・
爆風に混ざっていた熱風の被害を殆ど受けなかったが・・・・・
朝灯は頭から血を流し気絶する。
全身打撲かつ、肩から・・・大量出血・・・・
「吉野!!」
医療テントで治療に当たっていた衛生兵が偶然倒れている朝灯を見つけ。
危険な戦場の中を走り朝灯を担ぎこんで、医療室まで連れていった。
リボンレベルレッド
緊急治療者と判断され直ぐ様朝灯の治療が始まった。
下手すれば死ぬ可能性がある・・・
軍医は必死に朝灯を治療した。
それからしばらく・・・・・
吉野朝灯「ここは・・・・」
朝灯は病室で目覚めた、自身の頭には包帯が巻かれている。
だけど、上手く体が動かせそうにない。
この時、朝灯は悟った・・・・・自分が生きてにると・・・・・
頭の髪の毛はある・・・・・
吉野朝灯「あたしは何で・・・・」
朝灯は自分が何が原因でここに運ばれたのか疑問に感じる。
体は動きづらいし、いつものように強気に慣れない・・・・
辺りを見渡すと、誰かが自分を守るように座りながら寝ている。
よく見たら・・・・・
吉野朝灯「ライト・・・・・」
犬猿の仲のライト・インメルマンがいた・・・・
まさか・・・・看病してくれたのか・・・
朝灯はライトを見て複雑ながらも、悪くないと感じる。
献身になって看病してくれたんだ。
怪我をして死にそうになった私を見てくれたんだ・・・・
馬鹿な奴・・・・・
そんな馬鹿な奴の気持ちが知りたい・・・・・
朝灯は目が覚めないようにぐっすり寝た。
ライトの本音を知るためには、意識不明な不利をしなくてはいけない。
ライト・・・・あなたは私の事をどう思っているの?
その後・・・・
ライトは軍医から伝えられた朝灯の目覚めなければ危険の最終期限の前日・・・・
朝灯に対する気持ちをぶちまけた。
その気持ちを受け取った朝灯はライトをびっくりさせる為に起きてびっくりさせる。
ライトの言った気持ち・・・・・
なんか嬉しく感じてしまう・・・・
ライト「朝灯、立てるか?」
新統合宇宙軍ライト・インメルマン中尉
吉野朝灯「なんとかね、見てよほら!この通り!あたぁ!」
ライト「危ない!まだ立てないじゃないか!」
吉野朝灯「うるさい、少し油断しただけよ。」
朝灯は退院後、ライトと共にリハビリを行っている。
少しは歩けるようになったけど、体がふらつく・・・・・
ふらつくたびに、ライトに抱えられ・・・
プライドに触れたのか、朝灯はライトに抗議した目で見る。
と言っても、朝灯は・・・・
-自分が目覚めるまで看病してくれたし・・・
-まぁいいか
と照れながら前を向いた。
「吉野伍長、ここにいたか!」
吉野朝灯「なんです?」
突然、佐官クラスの士官が来た。
何やら笑顔であり、ライトは何かあるなと悟った。
何か少し嫌な予感がするほどの・・・・
「君をパープルハート章(名誉戦傷章.名誉戦死傷章)の受賞が決まった、君の両親の元へ帰れるぞ!」
ライト「どう言う事です?」
「吉野朝灯伍長を軍曹に昇進し、予備役編入。つまり事実上の除隊だな。」
吉野朝灯「えっ」
それは朝灯の除隊。
パープルハート章を授章し、父吉野大樹と母ラウラ・ベルタリアの元へ返すと言う。
今回の負傷と医療現場の様子を見て精神的に耐えられないと上が判断・・・・
朝灯を除隊する事を決定した。
ライト「良かったな朝灯・・・・帰れる・・・」
吉野朝灯「お断りします。」
「?」
ライト「どうして?」
除隊の決定・・・・・・朝灯は拒否した。
朝灯の拒否にライトと佐官クラスの士官は不思議そうに朝灯の顔を見る。
普通だったらこの場で喜ぶはずだが・・・・
一体何故断るのか?
吉野朝灯「私は衛生兵です、戦場で命を救うために志願しました。除隊して帰れなんて出来ません。」
「死ぬかも知れないのだぞ、それに精神的に病むことになるんだぞ!」
吉野朝灯「大事な人が近くにいます、もう大丈夫です。私は戦場のリアルから逃げたくありません、だから私は故郷へ帰りません。父や母、そして姉達に心配されても・・・・どうか、私を衛生兵として使ってください。」
「・・・・・・」
断る理由は、朝灯には戦場で命を救うため衛生兵に志願した事。
精神的に辛い現場ではあるが、絶対にやり遂げたい事だし。
今では大事な人がいる・・・・・
たった一度の戦闘があったくらいで除隊なんてしたくないし。
戦場のリアルから逃げたくはない・・・・・
朝灯は決意の目を佐官クラスの士官に向ける。
「分かった、パープルハート章を受領するが、除隊するチャンスはないぞ。その覚悟でいいんだな?」
吉野朝灯「はい」
「よし上に伝える。死んでも文句言うな。」
佐官クラスの士官は朝灯の決意を理解し・・・・
除隊は辞めてそのまま衛生兵として活動できるようにするため上に報告する事を決めた。
むしろ
男嫌いで決めた事はやり通す朝灯を止めても無駄だろうと・・・・
ライト「本当に良かったのか?除隊しなくて?」
吉野朝灯「いいのよ、あたしの希望だし・・・・・それにあんたの監視役として残らないとね~」
ライト「それはど言う事だよ!」
吉野朝灯「な~いしょ、別にいいでしょ。」
朝灯はライトと共に病室へ向かう。
ライトから本当に除隊しなくて良かったのか聞かれるが・・・・・
朝灯は良かったと答える・・・・・
自分の希望だし・・・・
それにライトは自分にとっては大事な人・・・・
あの時・・・・・・
「朝灯・・・・・・・・聞こえていないだろうが、俺もお前の事が好きだ。お前が死ぬならば、俺が死んだ後来世で再び・・・・・・・そうならないためにも、どうか目覚めてくれ朝灯・・・・・・・」
自分の事を好きだと言ってくれた。
来世で再び会う気満々なのは置いて、震えながら言ってくれたのは凄く嬉しかった。
そんな人を戦場に置いて故郷へ帰れない。
朝灯はライトと一緒に生死を共にしたい。
そう考えていた。
【惑星シェルバン】
惑星シェルバン、星間国家シェルバン共和国が統治する惑星であり・・・・
数年前に新投合政府とその同盟国と戦争した国家である。
シェルバン周辺には多数の艦隊が展開しており、領土問題の地惑星ホリップへ向かう。
惑星ホリップには新投合政府と同盟関係のフェリバ連邦軍が展開している。
それに加え新投合軍艦隊も展開しており・・・・・・
領土問題はまるで火薬庫のようにいつ爆発炎上してもおかしくない状態であった。
そんな惑星ホリップに向けてシェルバン軍の艦隊が進撃。
その目的は・・・・・・
開戦
惑星ピースミリオンを襲ったのはシェルバン軍であり・・・
相手に混乱を生み出すために行われた作戦であった。
西暦2043年惑星ホリップにて・・・・・新たな戦争の影が蠢く。