赤い機体を駆る者・・・・
戦場に置いて明らかに目立つ色であり、真っ先に狙われる色。
その反面、相手を恐れさせ恐怖を与える事のできる色。
そんな赤い色を持つ機体を駆る二人・・・・
出会うはずの無かった二人が今刃を交える。
【宇宙世紀79年9月】
サイド7にてジオンに恐怖を与える地球連邦軍のMS
RX-78ガンダムが目覚める数日前。
ジオン公国軍のシャア・アズナブル少佐はゲリラ鎮圧のため出撃していた。
シャア「ほう、謎の反応か?」
ジオン公国軍シャア・アズナブル少佐
ドレン「ハッルナツーとサイド7の中間に未確認の反応がありました。」
ジオン公国軍ドレン少尉
シャア「そうか、ふっなるほどな。」
その最中
謎の空間がシャアの母艦ファルメルの艦内のレーダーに反応。
副官のドレン少尉はそれに気がつきシャアに報告。
シャアはそのレーダーを見て興味深そうに笑う。
シャア「ドレン、私一人が出る。ザクの用意をしておけ!」
ドレン「しかし、少佐。お一人では・・・・・」
シャア「大丈夫だ!今回の事は大した事はないよ。」
謎の反応に興味を持ったシャアは一人でザクに乗り出撃しようとした。
ドレンはシャア一人で出る事を心配し・・・・・
デニム.スレンダー.ジーンを出撃させようと進言するが・・・・
シャアは大丈夫だと言って、そのまま格納庫へ向かった。
「少佐、御武運を・・・・」
シャア「あぁ、必ず生きて帰って来るよ。」
シャアは自らの愛機である赤いMS-06S指揮官型ザクⅡに乗り込む。
その中でシャアはふと考えた。
-今回の反応は私にとっての人生の分岐点になる可能性がある。
-ドレンや他の者にはすまないが、今回は私だけで済ませなければならない。
-今後、私自身がどう生きなくてはならないのか含めてな・・・・
と・・・・・
今回の反応は何かとてつもない予感がする。
他の者に見せたらその価値がなくなってしまう。
重要な価値の物は一人で見ないと意味がない
シャア「シャア・アズナブル、ザク出るぞ!」
シャアは何かの野望を秘めながら、愛機のザクへ乗り・・・・
漆黒の海へと旅立って行く・・・・・
シャア・アズナブル、今年19歳の若き彗星の青春のとある日々であった。
【西暦2012年】
第1次星間大戦から2年が経った西暦2012年。
最初の超長距離移民船団メガロード01の出港を控えていた。
マックスとミリアは周辺の敵の排除の為宇宙へ上がり・・・・
メガロード01のある程度安全に進める為の作戦行動をしていた。
そんなある日
マックス「謎の反応?」
新統合宇宙軍マクシミリアン・ジーナス中尉
「ハッ・・・・フォールド波に似た反応が、我がステーション付近に・・・」
マックス「謎の反応か。」
マックスとミリアが駐屯する宇宙ステーションのレーダーに謎の反応をキャッチした。
まるでフォールド波に似たような反応であるが、何処か違う・・・・
今まで遭遇した事のないような不思議な反応・・・・
一体何だろうか?・・・・・
ミリア「マックス、私が調査に行ってくる。」
新統合宇宙軍ミリア・ファリーナ・ジーナス少尉
マックス「ミリアが?一人で?」
ミリア「あぁ。」
マックス「そんな危険だよ、僕も一緒に・・・」
ミリア「マックスは戦闘で疲れている、なぁに簡単な任務だ。任せろ」
そんな中
マックスの相棒であり、妻であるミリアが調査に行くと言った。
ミリアの発言に対しマックスは・・・・
一人で行く事に反対し自分も行くと言ったが・・・・・
ミリアはマックスが戦闘で疲れていると言って申し出を断り・・・・
今回の任務が簡単だと言って、1人格納庫へ向かう。
ミリア「機体の調整はバッチリだな。」
自分の愛機VF-1Jバルキリーに乗り込んだミリアは何か異常がないか確認する。
確認し終えると、ミサイルなどの武装の搭載完了を待ち・・・・
出撃するまで気分を落ち着かせ、戦場に出た時取り乱さないように気持ちの準備もした。
戦場では何か起こるとついつい気持ちを取り乱してしまいがち。
なのでミリアは出撃するまでの間、気持ちを落ち着かせるようにしていた。
ミリア「ミリア・ファリーナ・ジーナス、出るぞ。」
出撃が出来る状態が確認されるとミリアは宇宙ステーションから出撃した。
今回は簡単な任務、死ぬような心配はない。
ただ、油断しなければいいだけの話だ。
とミリアは余裕を持ちながら、自分の愛機VF-1Jバルキリーを駆る。
今のミリアの気持ちは余裕だが・・・・・
これからミリアに余裕を持たせない事態が起きる。
【謎の反応付近】
シャアは謎の反応が確認されたエリアに到達した。
特に何にも変わりはなく、特に確認する程ではない。
このまま帰還しても大丈夫と思える程。
そう思っていたが・・・
シャア「レーダーの反応が・・・・ミノフスキー粒子散布は確認されない、これは一体何が起きているのだ?」
突然、レーダーや通信機器が反応しなくなる。
シャアはミノフスキー粒子が散布されたと思ったが、全く違う案件。
一体何が起きたのか?
流石の赤い彗星と言われたシャアもまさかの事態に冷や汗を流す。
すると・・・・
シャア「戦闘機だと?連邦軍の新型か!」
戦闘機が向かって来た。
シャアは連邦軍の新型だと思いザクマシンガンを構える。
今自分に向かって接近している戦闘機は敵なのか味方なのか?
シャアは汗を滴ながら、戦闘機をずっと見続ける。
ミリア「あれは何だ?急にレーダーが使えないと思ったら、未確認物体だと?」
一方のミリアは謎の反応付近に接近し、シャアのザクを確認した。
シャアのザクを見つけたミリアは、物凄い好奇と警戒心を持った。
この機体はゼントラーディ軍や統合軍の物とは大きく事なる。
更に言えば監察軍の物も・・・・
ミリア「先手必勝、機体を大破させて回収するしかない。」
ミリアはバトロイドに変形し、ガンポッドを構え発砲した。
敵か味方なのかは分からないが、統合軍の物とは限らない。
自分自身の身の安全の為、機体を大破させる。
その考えから、シャアのザクに発砲したのだ。
シャア「くっ・・・・・変形しMSになっただと!?連邦軍め、MSを開発したおろか可変機を作っただと!?」
ミリア「馬鹿な、私の攻撃を回避しただと!?」
シャアはミリアの乗るバルキリーが変形した事を驚き・・・・・・
ミリアはシャアが自分の攻撃を回避した事を驚いた。
シャアからすれば自分の世界に可変する機体はまだなく。
ミリアからすればマックス以外に自分の攻撃を回避する人間は殆んどいない。
二人は思った・・・・・
こいつは何者なんだ?
それもそのはず。
二人は別々の世界に生きてきた者。
それぞれ知らない物や常識がある。
それがこのエリアで本来混じり合うはずのない二人を巡り合わせた。
ミリア「こいつ!これなら!」
そんな事を知らない二人は戦う。
ミリアはシャアのザクに向けてミサイルを発射した。
何者か分からない相手には手加減は出来ない。
容赦なくミサイルを一斉に発射した。
この距離からのミサイル、これだけの数のミサイル。
早々避けられるものではない。
この時ミリアは勝利を確信した。
これで一気に勝負を決められると・・・
シャア「甘いな、私がその程度のミサイルではやられんよ!」
しかし
シャアはザクのリミッターを起動させ機動力を上げて回避行動を取った。
回避しきれないミサイルはザクマシンガンで破壊したり・・・・・
ミサイル同士を激突させるように仕向けて破壊するなどミリアの攻撃を回避した。
そのシャアの神業と言わんばかりの機動にミリアは驚く。
この世にこれほどの腕を持ったパイロットがいるとは・・・・・
ミリア「下手すればマックス以上の凄腕かもしれんな。」
シャア「可変するMSには驚いたが、特徴や癖を知ればどうと言う事はない。」
ミリア「強すぎる!」
シャアはミリアを追い詰めるように機動力を生かし攻撃してくる。
ザクマシンガンによる攻撃をミリアは回避し対処するも・・・・・・・
リミッターを駆使し、自分の戦術を駆使して戦うシャアに苦戦する。
攻撃しても回避されれば、逆に追い詰められる。
負の悪循環がミリアを苦しめる事になる。
シャア「中々いい腕のパイロットだが、私と相手をするにはまだ甘いな!」
ミリア「くっ私はまだ負けられない、こんな所で負けたくない。ここで死ぬわけには・・・・・・・」
シャア「そろそろ蹴りをつけさせてもらう。」
圧倒的な技量を持つシャアに対し必死の抵抗を続けるミリア。
このままでは帰還出来なくなる、なんとしてもこの苦しい状況を脱しなければ・・・
ともがき続ける・・・・
そのもがき続けるミリアをどんどん追い詰めるシャア。
まだまだ抵抗を続けるミリアを称賛する一方でまだまだ甘いと吐き捨て・・・
そろそろ戦闘を終わらせるべく、ミリアの命を絶とうと考える。
シャア「そろそろ疲れて来ているはずだ、止めを刺させてもらう!」
ミリア「しまった!うっ!?」
シャアはザクマシンガンをミリアのコックピットに向けてザクマシンガンの銃弾を発砲した。
確実にミリアを仕留められる程の距離であり・・・殺せる位置。
ミリアはシャアの攻撃に回避できないと悟り身を構える。
まさかこんな所で最期を迎えるなんて・・・・
死を悟るミリア、勝利を確信するシャア・・・・・
このまま戦闘が終わるかと思った。
シャア「何!?消えただと?奴は何処へ行った?」
突然、ミリアが消えた。
一体何が起きたのだろうか?
シャアはレーダーを駆使してミリアを探すが、見つからない。
一方のミリアは・・・・・
ミリア「!?私生きている?奴は・・・・・・奴は何処に行ったのだ?」
シャアの攻撃で死んだと思ったが、目を開けて見ると攻撃が当たっておらず・・・・・
自分が生きている事に戸惑う。
一体何が起きているんだ?あの敵(シャア)は一体何処へ行ったのか?
ミリアはレーダーを駆使してシャアを探すが見つからない。
一体何が起きているんだ?
今の事態にミリアは顔を真っ青にして混乱した。
シャアサイド
母艦ファルメルへ帰還したシャアはドレン達に何も伝えず・・・・
艦橋にて再び指揮をとった。
今回起きた事はイレギュラー中のイレギュラーであり・・・・
誰に話しても信じてもらえないと考える。
シャア「このまま前進、ゲリラ掃討に向かう(この出来事は私の胸の中にしまっておこう。)」
シャアはミリアとの戦いを生涯誰にも話す事がなかった。
それからしばらく、シャアは地球連邦軍のV作戦を発見。
デニム、ジーン、スレンダーの偵察部隊を出し・・・・
ジーンの暴走によるサイド7遭遇戦、そしてガンダムの目覚め・・・・
そしてシャアは永遠のライバルとなるアムロと出会い・・・
壮大な伝説を作る事になるが、それはまた別の物語。
ミリアサイド
宇宙ステーションに戻ったミリアは安堵した。
未知なる敵と遭遇し生きて帰れたのは奇跡のようなもん。
マックス以来負けたかのような感じがする。
ミリア「再び出会う事はあるのだろうから?出来ればリベンジしたいな。」
とは言え、今回負けた事は悔しさがある。
今度また出会う事があれば撃破したい。
リベンジし勝ってやりたい。
ミリアはそう思いながら、待機室の中の仮眠ベッドで眠り・・・・・
マックスが起こしに来るまで仮眠した。
もう一度戦って勝ちたいと思いながら、ぐっすり寝る・・・・
もう一度・・・・・