【名前】
滝田英史
【所属】
地球統合軍
新統合軍
【性別】
男性
【階級】
中尉(当時)
大佐(現職)
【年齢】
1991年
【解説】
日本国出身の統合軍人。
統合戦争でドラゴンⅡに搭乗した後・・・
VF-0フェニックスに搭乗しゼロライダーとして活躍した。
第1星間大戦ではマクロスのフォールドに巻き込まれてしまい。
僅か18歳でブランジャーズ中隊の部隊長として戦いに投じる。
戦後は結婚もしつつ、数々のバルキリーを操縦し・・・
教え子相手に厳格に指導する事から鬼教官として恐れられる。
フルネームはヒデフミ・エイジ・タキタ
趣味はポーカー、カジノ、麻雀などのギャンブル。
戦場をギャンブルに例える程のギャンブル好きで・・・
あまりにも強さに出禁になるほどで、天才のマックスですら勝てない。
【西暦2009年.地球】
地球に帰還したSDF-1マクロスは苦境に陥っていた。
アラスカの地球統合軍総司令部から事実上の地球外追放命令が出され・・・・
厄介者を集めた補充兵と補給物資を積んだ後さっさと地球から出ていくように言われている。
軍人だけならまだしも、マクロスに避難している民間人すら乗った上でだ・・・
艦長のグローバル准将はなんとかして民間人を降ろそうと考えているが・・・
交渉は難航、9割がた不可能と言う結論にいたる程であった。
そんな中
柿崎速雄「がががが・・・・バカな・・・」
地球統合軍スカル中隊バーミリオン小隊隊員.柿崎速雄少尉
滝田英史「すまんな柿崎、俺の勝ちだな。お前の給料もらっとくぜ!」
地球統合軍ブランジャーズ中隊隊長.滝田英史中尉
柿崎速雄「待ってくれ、その金は今度ミディアムレアのステーキを・・・・」
滝田英史「更に豪華にしようとした欲が、お前の敗因だ!もう一回だろ?戦場でもう一回は存在しない、何故ならそれは死んでいるからだ!出直すなら別の日にしてくれ!」
柿崎速雄「そ・・・そんな~」
志野サエカ「柿崎、ざまぁ~」
地球統合軍.志野サエカ少尉
柿崎速雄「うるせ~よ!」
ブランジャーズ中隊の滝田英史とスカル中隊の柿崎速雄がポーカーを行っており。
結果は滝田の大勝利であり、柿崎から金を取り上げる。
この敗北に柿崎は悔し泣きをし、もう一度勝負を仕掛けようとするが・・・
滝田からもう一度勝負する事を断られる。
マックス「中尉殿、また金巻き上げてますね。今日いくら稼いだんです?」
地球統合軍スカル中隊バーミリオン小隊.マクシミリアン・ジーナス少尉
滝田英史「ざっと下士官の給料3人分くらいかな。」
マックス「3人分、かなり稼ぎましたね。」
滝田英史「あぁ、それより一条の奴元気か?」
マックス「元気ですよ、すぐ復帰しますよ。」
柿崎の同僚マクシミリアン・ジーナスがやってきた。
ベテランである滝田に比べ、かなり天才的なパイロット・・・
親戚のジョニー・ギルバートといい・・・・
かなりベテラン越えの技量を持つ生意気ではあるが、いい奴だ。
それに女性には優しいし仲間思い・・・
滝田とマックスは良き先輩後輩の関係を構築していた。
滝田英史「マックス、一回勝負しないか?」
マックス「僕はいいですよ、なんか勝てる気がしないし。」
滝田英史「一回だけだ、ハマれば楽しめるし・・・ギャンブルの知識を戦場に生かせる。」
マックス「ははは、分かりました一回だけ・・・それにギャンブルに戦場に生かすって中尉だけでは?」
とは言え、今までの上官がロイ・フォッカーだったためか・・・・
マックスをギャンブルへの沼へ誘う・・・・
最初は断ったマックスだが、滝田の熱意に負け勝負する事になった。
まだマックスは初心者な為、掛け金はマクロスナルドのハンバーガーセット。
二人はお互い睨み合ってからゲームを始めた。
マックス「なぁ。」
滝田英史「すまんな、マックス。ロイヤルストレート、俺の勝ちだな。」
ボリス「おっ流石、ハンバーガーセット頂きですね。」
地球統合軍ブランジャーズ中隊.ボリス・グリコフスキー准尉
滝田英史「あぁパイロットの腕はお前が天才、ギャンブルの腕は俺が天才ってね。」
マックス「参りました。」
結果・・・・・
滝田の勝利でマックスの敗北、ハンバーガーセットは滝田の物になった。
周りにいた統合軍兵士達から歓声を浴びせられる。
上記の言葉を言いながら、滝田は周りに手を振った。
マックスは悔しさのあまり、下を向きっぱなしであった。
柿崎速雄「まぁまぁマックス、落ち込むなよ。次は勝てるさ。」
マックス「ありがとう、柿崎君。」
柿崎速雄「ついでに俺も奢ってくれデミグラスソースステーキバーガーセット。」
マックス「さっきの言葉撤回!」
柿崎は負けたマックスを励ますが、逆に火に油を注ぐ言葉を発してしまい・・・
普段は大声を出さないマックスが、言葉撤回と叫ぶばせるほど怒らせた。
怒ったマックスを見た柿崎だが、ニコニコする。
柿崎の笑顔にマックスは、少し怒りながら席座った。
滝田英史「さて何バーガーにしようかな・・・・」
『アテンション(注意)、全バルキリー部隊スクランブル。キャッツアイ04号機が敵編隊を確認、各員は出撃せよ!繰り返す出撃せよ!』
マックス「やった~出撃だ!」
滝田英史「そのようだな、マックス。ハンバーガーは帰ってから奢ってもらうよ!」
マックス「それはないですよ、中尉。」
奢ってもらうハンバーガーを考えていた滝田や兵士達に艦内放送が・・・
敵部隊の来襲・・・・マックスは一瞬、奢らなくてもいいやと思ったらしく・・・・
喜びの声をあげるが、滝田からハンバーガーセットは後でいいと言われ・・・
マックスはがっかりするも、今はそんな事を悲しんでいる暇がないと・・・
すぐさま切り替えを行い、ハンガーへと走り出す。
中島雷造「若造遅いぞ。」
地球統合海軍.中島雷造大佐
滝田英史「すまん雷じいさん、ポーカーハマったもんで。」
中島雷造「まったく、茂坊主といいお前といい近頃の若い日本兵は・・・」
滝田英史「オーバーホール良好だな、流石じいさん。」
中島雷造「当たり前だ!」
中島雷造・・・・
マクロスに乗艦した唯一の第2次世界大戦の生まれの老整備兵。
マヤン島事件の影響でもあってなのか・・・・
かつての所属の空母アスカⅡの乗員の南アタリア島や空母プロメテウスへの島流しにより・・
中島は空母プロメテウスに配属されていた。
マクロスのフォールド後、地獄の時間を生き抜いたが・・・
アスカⅡ時代からの弟子を半数失っている。
滝田英史「ブランジャーズリーダー発艦・・・・・・ぐっ」
中島とのやりとりから僅か・・・
滝田は空母プロメテウスから発進し・・・空の人になった。
その後ろからはカークランド中隊やスカル中隊、ウィンザー中隊などが発艦した。
各種部隊のカラーリングやマーキングが美しい・・・
航空祭であればかなり美しい光景で、いいシャッターチャンスになるが・・・
悲しいかな、ここは戦場・・
これらのバルキリー部隊は人を殺すためのマシーンである。
滝田英史「ブランジャーズ中隊が離陸できたのは、僅か2個小隊のみか。何か聞いてないか?」
ボリス「恐らく先日の戦闘で損耗機と損傷機による影響と思われます。」
滝田英史「なるほどね、どおりで少ないわけだ。」
とは言え、数は少ない。
16機が定数であるバルキリー中隊の数が2個小隊+1機の7機しかいない。
理由はこの前のカムジンの襲来により損失もしくは損傷したから。
数名の隊員を失っているし、負傷者が出ている。
滝田のJ型とボリスのS型の合計2機と隊員5機。
まともに出れる機体はこれだけではあるが、更に戦力は低下していた。
まだ実戦経験の少ない若き新人パイロット達。
実戦経験豊富なパイロットを失い、新人パイロットを入れても・・・・
元あった戦力を回復させるだけの効力は存在しない。
滝田英史「まるで第二次世界大戦末期の日本航空隊だな、」
と滝田は今の状況を嘆く。
新人いくら入れようとも・・・・
すぐに戦死してしまうし、ベテランパイロットになれるか不安。
と言っても悩んで慌てても状況は悪化するのみ・・・
今の自分に出来るのは部隊を率いて、他の隊と共闘し敵を倒す事。
ただそれだけである。
滝田英史「インファイトゾーン、エンゲージ。来るぞ、全機アタック!」
滝田は部下に対し、戦闘エリアに投入した事を告げ突撃するように言った。
各小隊に分かれてフォーメーションをとり、ミリア率いるゼントラーディ軍部隊とぶつかる。
僅な時間であったとは言え、かなり激しい攻撃がお互いに行った為か・・・
少なからず損害を出してしまった。
滝田英史「動きが早い、こいつとは遭遇するのは3度目・・ 俺は2度目、落とせんな。」
クァドラン・ロー小隊3機と対峙した滝田はバトロイドに変形し迎撃するが・・・・
一発もクァドラン・ローに命中せず、撃墜する事が出来なかった。
いつも相手している空戦ポッド.ジナールですら、撃墜が簡単に出来ず・・・・・
滝田はこの時感じたのは、相手が熟練された部隊であると言う事。
更に見事に統率がなされており、指揮官もかなり有能であると滝田は思った。
事実、滝田の予想は当たっており・・・・・・
ミリアは副官2名を通じて、徹底した連携がなされている。
ズドォン
滝田英史「流石はマックス、青い彗星中々やるな。後輩には負けられんな。」
マックスが自分が撃墜するのに苦労したクァドラン・ローを簡単に撃破した。
更にもう1機に複数のジナールを撃破。
流石は天才、伊達に青い彗星と呼ばれているだけはある・・・・
圧倒的な腕前、見事であるが・・・
後輩がかなり活躍しているのを見ると、かなり嫉妬するし焦りも出る。
滝田英史「1機、噛みついたか!奴は今までの奴とは違うか・・奴はエースか!」
ボリス「マックスに固執してるぞ、狙ってるのか?」
滝田英史「らしいな」
そう思っているとマックスが1機のクァドラン・ローに噛みつかれた。
そのクァドラン・ローを駆るのはミリア・ファリーナ・・・
後にマックスと結婚するメルトランで、今回の部隊を率いた指揮官である。
ミリアはエースのミリアと言われており・・・・
かなり優秀な腕前を持つ優秀な人物であった。
滝田英史「マックス優勢だが、援護しないと不味いんじゃないか?援護せねば・・・おわっ!?」
「隊長!?」
滝田英史「こいつらがいる事を忘れてたな、これじゃあマックスの支援に行けんな。」
マックスの援護に向かおうとすると、クァドラン・ロー小隊やジナール隊が妨害する。
ミリアの凄腕と一対一で戦える状況を作れと言う命令を忠実に守っていた。
彼女らは滝田がマックスを支援すべく動き出そうとした事を察し・・・
そうはさせまいと、滝田の目の前に立ち塞がったと思いきや・・・・
背後を狙ったり、回避しようとしたらパルスレーザー攻撃・・・・
更に逃げたらミサイル攻撃と・・・
何処へ行こうともクァドラン小隊の連携が邪魔をする。
これでは話にならん。
それだけじゃない、桐原茂人.ケンゾー・ダイソン.カール・レーガーなど・・
エースパイロットの面々ですら、同じような状況に陥っていた。
滝田英史「いつもの雑魚だけでも叩き落としてやる!」
少しでも状況を改善すべく周りにうようよいるジナールを片付けようと考えた。
それほど数は多くはないが、1機からすれば厄介。
援護攻撃されたら厄介。
クァドランの攻撃を何とか回避しながら、少しずつ撃墜し・・・
なんとか3機を撃墜する事に成功した。
ラミア「くっあいつは粘るな、マイクローンもかなり強い。」
ゼントラーディ軍ラプラミズ艦隊ラミア・クラッドレー3級空士兵
この時、滝田を攻撃したジナール部隊の隊員の一人で・・・・
後に人気漫画家として活躍する事になるラミア・クラッドレーは・・・・
自伝漫画にて、滝田の事を・・・・危機的な状況に陥りながらも戦い抜き・・・
いつ自分が殺されるのか不安だった、仲間がたくさん死んで・・・
かなり辛かったし、滝田に出会うと恐怖に陥り死にそうな気分になる時があったと語っている。
頑張る滝田であるも、ミリア隊もかなり勉強し攻撃が賢くなる。
以前のようにジナールを少しずつ撃墜する事が出来なくなり・・・・・・
完全に守勢に回ってしまった。
「隊長、援護します。」
滝田英史「馬鹿野郎、こいつらはただものじゃない。ヒョッコは今を生き残る事に専念しろ!」
「しかし・・・」
滝田英史「これは命令だ!」
「何故でありますか?」
そんな中、新人の隊員が滝田を援護しようとした。
普通ならば頼もしい援護として歓迎すべき所である
が・・・・
現実は新人が立ち向かえるような相手ではなく、逆に餌食になってしまう。
滝田は新人に援護せず、離脱するように言ったが・・・・
新人は戸惑っている・・・・
中々離脱しない新人に対し滝田は必死に声を荒くしながら離脱するように言った。
「うわぁぁぁ、捕捉された!」
滝田英史「だから言っただろ!早く離脱しろ!援護はやってやる!」
新人がクァドラン・ロー1機とジナール複数機に捕捉される。
なんとか逃げているようだが、あれではいつか食われる・・・・・
滝田はバトロイドに変形し、ジグザグ機動でクァドラン・ローを攻撃するが・・・・
滝田英史「くぉっ!?邪魔をするな!」
残りの2機のクァドラン・ローに邪魔され援護に向かう事が出来なかった。
こうしている間にも新人隊員のバルキリーは追い込まれていく。
追い込まれていく中で、新人隊員は泣き叫びながら助けを求める。
「隊長ょぉぉぉぉぉ、ぐぁぁぁぁ」
滝田英史「うぉぉぉぉぉぉ」
等々、新人隊員の命が奪われた。
パルスレーザーで蜂の巣にされ、最後はコックピットを潰された。
新人隊員が乗っていたであろうバルキリーはあっという間に海面に落ちて爆発した。
惨い死に方・・・・・
滝田は次は自分があぁなる番だと考えた。
だが・・・・・
滝田英史「撤退していくだと?何故だ?何故だぁぁぁぁ」
クァドラン小隊は突然撤退していく・・・・・・・
その後ろから別のエリアで戦っていたクァドラン・ローやジナールもどんどん撤退していく姿が見える。
一体何が起きたのか?
部下一名を失った怒りから叫び声をあげた滝田は不思議がる。
この時、ミリアがマックスに撃退され・・・戦意を損失した。
ミリアは部下達に撤退の合図を送り、母艦へ帰還しようとした。
滝田英史「逃げるか・・・・敵に背後を見せて逃げるなと人の事言えんが・・・これも仕事だ!恨むな!」
滝田はミサイルを発射しながら逃げるクァドラン・ローを1機撃墜する。
部下一名を失っており、一機落とさなければ気が済まなかった。
1機撃墜をしたが、何か虚しさを覚えた・・・・・
何か虚しさを・・・・・
滝田英史「くっ気分が悪い」
正直逃げる相手を背後から狙い撃ちにするのはかなり辛いが・・・・
撤退しているなら、戦意はかなり低い・・・・・・・
これは戦場・・・・・
一人でも多くの敵を倒さなきゃ、自分達の生存率は上がらない。
とは言え、敵を殺すのは気分はよくない。
虚しさを覚えるだけだし、気分が悪くなる・・・・・
ボリス「隊長、帰還命令です。」
滝田英史「そうか、ブランジャーズリーダーから各機へマクロスへ帰還する。」
クァドラン撃墜直後、帰還命令が出され追撃は中止になった。
部隊隊員1名損失・・・・新人とは言えかなり痛い損失であった。
人の死
統合戦争に初実戦してから常に滝田の脳裏に染み付いている。
これが半世紀以上、日本が戦争しなかっただけの代償なのか?
しつこく、殺してきた敵兵士の亡霊が帰還中の滝田に呻き声を発する。
滝田英史「ふん、亡霊め分かっている。お前達の声が聞こえるこの世、敵兵士や仲間を失ったこの世こそ地獄だってな。」
ボリス「隊長、何か?」
滝田英史「いやなんでもない、マクロスへ戻るぞ」
滝田は生き残った機体を伴い、マクロスへ帰還した。
今日、滝田が撃墜した数はクァドラン・ロー1機・ジナール5機。
一個小隊分の機体を撃墜した。
殺した数は6人。
いつもに比べたら、マシな方か・・・・・・
滝田はコックピットを降りながら、考えた。
マクロスに帰還した滝田は整備班と部下と会話した。
今日のせいか、死んだ部下の事も・・・・・
「ああっ! お、おい…。」
「うあっ!」
すると突然、フォッカーのS型の当たりから叫び声があがる。
整備兵2名は驚きのあまり、機体から落ちて腰を抜かしていた。
滝田は気になり・・・・フォッカーのS型へ近づいた。
滝田英史「どうした?」
「実は・・・・・フォッカー少佐のバルキリーが・・・・・」
滝田英史「うん?」
整備兵は不思議そうに見る滝田にある事を言おうとした。
そのある事は滝田を絶句させる程、衝撃な事で・・・
滝田はそれを聞いて、もっていた栄養ドリンクを落とした・・・・
その後
滝田は数々の戦いや経験をする。
恩師であり、尊敬する上官ロイ・フォッカーの戦死。
巻き上げ対象・・・いや大事な後輩柿崎速雄の戦死・・・
それだけではない、マクロスに配属されたパイロットや・・・
今まで戦ってきた仲間の戦死・・・
どれほど見てきたのだろうか?
アドクラス艦隊との講和。
地球壊滅
ミンメイアタックを用いたボドルザー基幹艦隊決戦。
地上の正義なき戦争。
こうした状況の中、滝田は生き残った。
滝田率いるブランジャーズで最初から最期まで戦い抜いたのは16名中・・
自分自身と女性隊員やボリス含めて4名かなり戦死した。
かなり死んだ、仕方がない。
戦場だから
その後滝田は大尉へ昇進、引き続きブランジャーズ中隊を聞いた。
新たな隊員には男女の若き隊員のみならず、ゼントラーディ人の男女も含まれていた。
不思議な気分だ・・・
かつての敵の兵士を部下に加えるとは・・・
滝田は不思議な気分に陥る。
ゼントラーディ軍兵士の中にはマクロスを襲った兵士もいるし・・・
ミリアがマクロスを襲撃してきたクァドラン・ロー以下の下士官達もいた。
あの時の戦いぶりからか、下士官達は滝田を見るなり怯えていた。
怯えていた下士官と上手くやれるように食事に誘ったり・・・
男性兵士らを交えての交流会をやりながら女性下士官らの緊張を解す。
むろん男性のゼントラーディ人達も・・・・
そんな事をやっていたある日。
モーア「オセアニア方面軍のモーア・カリダムです、よろしくお願いします。」
新統合宇宙軍モーア・カリダム准尉
滝田英史「よろしくカリダム准尉、君はミリア・ファリーナ・ジーナス少尉の部下だね?」
モーア「はい。」
ミリアの元部下であるモーア・カリダムがきた。
モーアが滝田の元へ来たのは研修が目的であり、一週間滝田が勤務する基地へ滞在する。
印象的には明るくてゼントラーディ人とは思えない笑顔を持つ女性。
地球人女性と変わらない印象がある・・・
滝田英史「准尉、君にある事を確認したい。」
モーア「ある事?」
滝田英史「志野中尉、立ち合いを頼む。」
志野サエカ「了解」
滝田英史「席に座りたまえ」
滝田はモーアにある事を確認する為、サエカを立ち合いに残し・・・・
モーアと一対一で向き合うように座った。
戦士の感なのか、モーアの表情が険しくなった。
何か感じ取ったのだろうか、不安な部分も感じられる。
滝田英史「ロイ・フォッカー大佐の機体に攻撃し被弾させたのは君かな?」
モーア「はい間違いありません、この写真のバルキリーを背後から攻撃し被弾させました。」
滝田英史「なるほどな。噂どおりだ。」
滝田はモーアにロイ・フォッカーが乗るバルキリーを被弾させたか聞いた。
突然の言葉にモーアは戸惑うも、すらすらと自分が攻撃し被弾させたと告白した。
やはりか・・・・・・
モーアの言葉を聞いた滝田は葉巻を加えながらそう思った。
ミリアの部下の一人メフィア・メルダーンと言う陸軍士官と会った時・・・
一条輝大尉のVF-1Sを見て、同僚が撃墜したと言った。
滝田はメフィアに質問し、フォッカーを殺した同僚がモーアである事を知った。
ずっと会いたいと思っていたが・・・
偶然、自分の基地へ研修に来ると言う連絡が入り・・・・
モーアを呼び出して、あの時の状況を確認した。
モーア「今さらなんで・・・・・大尉が私が撃墜したフォッカー大佐の部下だと知ってます、なぜあの時の事を・・・・」
滝田英史「確認したかっただけだ、どんな気持ちでフォッカー大佐を撃ったのかを・・・・」
モーア「それは・・・・大事な戦友を殺したから・・・私と仲の良かった大事な戦友を・・・・」
滝田英史「そうか・・・・」
滝田の問いに震えながら答えるモーア。
あの時の戦いでロイ・フォッカーを殺そうとした理由を・・・・
モーアの問いを聞いた滝田は静かに目を瞑って思った。
戦友を失った敵討ち・・・・
地球人であろうと、ゼントラーディ人だろうがそれは変わらないのか・・・・・
滝田英史「カリダム准尉、ありがとう。それだけ聞いて安心したよ。」
モーア「それだけですか?恨んでないのですか?大尉の上官を・・・」
滝田英史「いいんだ!あの時は戦争、お互い大事な人間を失ったし文句はない。それに今は大事な仲間だ!変に恨んでどうする、恨んだまま俺は過ごしたくない。カリダム准尉、せっかく地球に来たんだ。人生を謳歌しろ、楽しくな。」
モーア「はい」
滝田はモーアを解放した。
あっさり解放されたモーアは戸惑うも・・・・
滝田は笑顔で不問にしこれからの人生を楽しむように言った。
モーアは笑顔で返事すると敬礼し退室した。
志野サエカ「本当に恨んでないんですか?フォッカー大佐は恩師だし、仲間も殺されて・・・・」
滝田英史「彼女が殺人を犯した場合は恨んでいたが、戦場で正々堂々戦った結果・・・・あぁなったんだ。しょうがない。」
志野サエカ「なるほど・・・」
滝田英史「もっとも、今はかつての敵と一緒に新たな歴史を作れる事を光栄に思うよ。彼女もその一人さ・・・」
サエカから恨んでないのかと聞かれると、滝田は恨んでないと答える。
理由はあれは戦争であったから仕方がない事・・・・・
正々堂々と戦った結果が、あれになった。
同時に自分達も同じようにモーアの仲間を殺している。
モーアから恨まれてもしょうがない事を自分達もしている。
自分達も恨んでも何も解決しないし、恨んだら余計な恨みを買われるだけだ。
幸いにもモーアから恨まれてもいないし、特に問題はない。
滝田は葉巻を加えながら、窓を見ながら考える。
今後かつての敵とどう関わればいいのかを・・・・・・
◆中島繁蔵(大日本帝国海軍大尉)
→中島雷造(海上自衛隊一尉、地球統合軍大佐)
・中島義之(長男 1973年生れ。月面アポロ在住)
・→中島良文(義之長男、2002年生れ、中島テクノロジーズ社長)
・-→中島知之(良文長男、2027年生れ、中島テクノロジーズ常務)
・--→中島勇気(知之長男、2049年生れ、新統合軍所属)
・-→中島由美(良文長女、2031年生れ、新統合軍所属、結婚後ユミ・フランジャー)
・→中島進(義之次男、2003年生れ、新統合軍所属)
・-→中島透(進長男、2035年生れ、新統合軍所属)
・--中島智里(透長女、2052年生れ、新統合軍所属)
・中島友洋(次男、1995年生れ、後妻の息子で義之の異母弟、地球統合軍・新統合軍軍人)
・→中島基之(長男、2028年生れ、元歌手。自動車整備工)
・-→マキナ・中島(長女、2049年生れ、ワルキューレメンバー)
・-→フリック・中島(長男、2052年生れ、新統合軍軍人)
・→中島理紗(長女、2029年生れ、新統合軍人。結婚後、九条理紗)
滝田英史
【所属】
地球統合軍
新統合軍
【性別】
男性
【階級】
中尉(当時)
大佐(現職)
【年齢】
1991年
【解説】
日本国出身の統合軍人。
統合戦争でドラゴンⅡに搭乗した後・・・
VF-0フェニックスに搭乗しゼロライダーとして活躍した。
第1星間大戦ではマクロスのフォールドに巻き込まれてしまい。
僅か18歳でブランジャーズ中隊の部隊長として戦いに投じる。
戦後は結婚もしつつ、数々のバルキリーを操縦し・・・
教え子相手に厳格に指導する事から鬼教官として恐れられる。
フルネームはヒデフミ・エイジ・タキタ
趣味はポーカー、カジノ、麻雀などのギャンブル。
戦場をギャンブルに例える程のギャンブル好きで・・・
あまりにも強さに出禁になるほどで、天才のマックスですら勝てない。
【西暦2009年.地球】
地球に帰還したSDF-1マクロスは苦境に陥っていた。
アラスカの地球統合軍総司令部から事実上の地球外追放命令が出され・・・・
厄介者を集めた補充兵と補給物資を積んだ後さっさと地球から出ていくように言われている。
軍人だけならまだしも、マクロスに避難している民間人すら乗った上でだ・・・
艦長のグローバル准将はなんとかして民間人を降ろそうと考えているが・・・
交渉は難航、9割がた不可能と言う結論にいたる程であった。
そんな中
柿崎速雄「がががが・・・・バカな・・・」
地球統合軍スカル中隊バーミリオン小隊隊員.柿崎速雄少尉
滝田英史「すまんな柿崎、俺の勝ちだな。お前の給料もらっとくぜ!」
地球統合軍ブランジャーズ中隊隊長.滝田英史中尉
柿崎速雄「待ってくれ、その金は今度ミディアムレアのステーキを・・・・」
滝田英史「更に豪華にしようとした欲が、お前の敗因だ!もう一回だろ?戦場でもう一回は存在しない、何故ならそれは死んでいるからだ!出直すなら別の日にしてくれ!」
柿崎速雄「そ・・・そんな~」
志野サエカ「柿崎、ざまぁ~」
地球統合軍.志野サエカ少尉
柿崎速雄「うるせ~よ!」
ブランジャーズ中隊の滝田英史とスカル中隊の柿崎速雄がポーカーを行っており。
結果は滝田の大勝利であり、柿崎から金を取り上げる。
この敗北に柿崎は悔し泣きをし、もう一度勝負を仕掛けようとするが・・・
滝田からもう一度勝負する事を断られる。
マックス「中尉殿、また金巻き上げてますね。今日いくら稼いだんです?」
地球統合軍スカル中隊バーミリオン小隊.マクシミリアン・ジーナス少尉
滝田英史「ざっと下士官の給料3人分くらいかな。」
マックス「3人分、かなり稼ぎましたね。」
滝田英史「あぁ、それより一条の奴元気か?」
マックス「元気ですよ、すぐ復帰しますよ。」
柿崎の同僚マクシミリアン・ジーナスがやってきた。
ベテランである滝田に比べ、かなり天才的なパイロット・・・
親戚のジョニー・ギルバートといい・・・・
かなりベテラン越えの技量を持つ生意気ではあるが、いい奴だ。
それに女性には優しいし仲間思い・・・
滝田とマックスは良き先輩後輩の関係を構築していた。
滝田英史「マックス、一回勝負しないか?」
マックス「僕はいいですよ、なんか勝てる気がしないし。」
滝田英史「一回だけだ、ハマれば楽しめるし・・・ギャンブルの知識を戦場に生かせる。」
マックス「ははは、分かりました一回だけ・・・それにギャンブルに戦場に生かすって中尉だけでは?」
とは言え、今までの上官がロイ・フォッカーだったためか・・・・
マックスをギャンブルへの沼へ誘う・・・・
最初は断ったマックスだが、滝田の熱意に負け勝負する事になった。
まだマックスは初心者な為、掛け金はマクロスナルドのハンバーガーセット。
二人はお互い睨み合ってからゲームを始めた。
マックス「なぁ。」
滝田英史「すまんな、マックス。ロイヤルストレート、俺の勝ちだな。」
ボリス「おっ流石、ハンバーガーセット頂きですね。」
地球統合軍ブランジャーズ中隊.ボリス・グリコフスキー准尉
滝田英史「あぁパイロットの腕はお前が天才、ギャンブルの腕は俺が天才ってね。」
マックス「参りました。」
結果・・・・・
滝田の勝利でマックスの敗北、ハンバーガーセットは滝田の物になった。
周りにいた統合軍兵士達から歓声を浴びせられる。
上記の言葉を言いながら、滝田は周りに手を振った。
マックスは悔しさのあまり、下を向きっぱなしであった。
柿崎速雄「まぁまぁマックス、落ち込むなよ。次は勝てるさ。」
マックス「ありがとう、柿崎君。」
柿崎速雄「ついでに俺も奢ってくれデミグラスソースステーキバーガーセット。」
マックス「さっきの言葉撤回!」
柿崎は負けたマックスを励ますが、逆に火に油を注ぐ言葉を発してしまい・・・
普段は大声を出さないマックスが、言葉撤回と叫ぶばせるほど怒らせた。
怒ったマックスを見た柿崎だが、ニコニコする。
柿崎の笑顔にマックスは、少し怒りながら席座った。
滝田英史「さて何バーガーにしようかな・・・・」
『アテンション(注意)、全バルキリー部隊スクランブル。キャッツアイ04号機が敵編隊を確認、各員は出撃せよ!繰り返す出撃せよ!』
マックス「やった~出撃だ!」
滝田英史「そのようだな、マックス。ハンバーガーは帰ってから奢ってもらうよ!」
マックス「それはないですよ、中尉。」
奢ってもらうハンバーガーを考えていた滝田や兵士達に艦内放送が・・・
敵部隊の来襲・・・・マックスは一瞬、奢らなくてもいいやと思ったらしく・・・・
喜びの声をあげるが、滝田からハンバーガーセットは後でいいと言われ・・・
マックスはがっかりするも、今はそんな事を悲しんでいる暇がないと・・・
すぐさま切り替えを行い、ハンガーへと走り出す。
中島雷造「若造遅いぞ。」
地球統合海軍.中島雷造大佐
滝田英史「すまん雷じいさん、ポーカーハマったもんで。」
中島雷造「まったく、茂坊主といいお前といい近頃の若い日本兵は・・・」
滝田英史「オーバーホール良好だな、流石じいさん。」
中島雷造「当たり前だ!」
中島雷造・・・・
マクロスに乗艦した唯一の第2次世界大戦の生まれの老整備兵。
マヤン島事件の影響でもあってなのか・・・・
かつての所属の空母アスカⅡの乗員の南アタリア島や空母プロメテウスへの島流しにより・・
中島は空母プロメテウスに配属されていた。
マクロスのフォールド後、地獄の時間を生き抜いたが・・・
アスカⅡ時代からの弟子を半数失っている。
滝田英史「ブランジャーズリーダー発艦・・・・・・ぐっ」
中島とのやりとりから僅か・・・
滝田は空母プロメテウスから発進し・・・空の人になった。
その後ろからはカークランド中隊やスカル中隊、ウィンザー中隊などが発艦した。
各種部隊のカラーリングやマーキングが美しい・・・
航空祭であればかなり美しい光景で、いいシャッターチャンスになるが・・・
悲しいかな、ここは戦場・・
これらのバルキリー部隊は人を殺すためのマシーンである。
滝田英史「ブランジャーズ中隊が離陸できたのは、僅か2個小隊のみか。何か聞いてないか?」
ボリス「恐らく先日の戦闘で損耗機と損傷機による影響と思われます。」
滝田英史「なるほどね、どおりで少ないわけだ。」
とは言え、数は少ない。
16機が定数であるバルキリー中隊の数が2個小隊+1機の7機しかいない。
理由はこの前のカムジンの襲来により損失もしくは損傷したから。
数名の隊員を失っているし、負傷者が出ている。
滝田のJ型とボリスのS型の合計2機と隊員5機。
まともに出れる機体はこれだけではあるが、更に戦力は低下していた。
まだ実戦経験の少ない若き新人パイロット達。
実戦経験豊富なパイロットを失い、新人パイロットを入れても・・・・
元あった戦力を回復させるだけの効力は存在しない。
滝田英史「まるで第二次世界大戦末期の日本航空隊だな、」
と滝田は今の状況を嘆く。
新人いくら入れようとも・・・・
すぐに戦死してしまうし、ベテランパイロットになれるか不安。
と言っても悩んで慌てても状況は悪化するのみ・・・
今の自分に出来るのは部隊を率いて、他の隊と共闘し敵を倒す事。
ただそれだけである。
滝田英史「インファイトゾーン、エンゲージ。来るぞ、全機アタック!」
滝田は部下に対し、戦闘エリアに投入した事を告げ突撃するように言った。
各小隊に分かれてフォーメーションをとり、ミリア率いるゼントラーディ軍部隊とぶつかる。
僅な時間であったとは言え、かなり激しい攻撃がお互いに行った為か・・・
少なからず損害を出してしまった。
滝田英史「動きが早い、こいつとは遭遇するのは3度目・・ 俺は2度目、落とせんな。」
クァドラン・ロー小隊3機と対峙した滝田はバトロイドに変形し迎撃するが・・・・
一発もクァドラン・ローに命中せず、撃墜する事が出来なかった。
いつも相手している空戦ポッド.ジナールですら、撃墜が簡単に出来ず・・・・・
滝田はこの時感じたのは、相手が熟練された部隊であると言う事。
更に見事に統率がなされており、指揮官もかなり有能であると滝田は思った。
事実、滝田の予想は当たっており・・・・・・
ミリアは副官2名を通じて、徹底した連携がなされている。
ズドォン
滝田英史「流石はマックス、青い彗星中々やるな。後輩には負けられんな。」
マックスが自分が撃墜するのに苦労したクァドラン・ローを簡単に撃破した。
更にもう1機に複数のジナールを撃破。
流石は天才、伊達に青い彗星と呼ばれているだけはある・・・・
圧倒的な腕前、見事であるが・・・
後輩がかなり活躍しているのを見ると、かなり嫉妬するし焦りも出る。
滝田英史「1機、噛みついたか!奴は今までの奴とは違うか・・奴はエースか!」
ボリス「マックスに固執してるぞ、狙ってるのか?」
滝田英史「らしいな」
そう思っているとマックスが1機のクァドラン・ローに噛みつかれた。
そのクァドラン・ローを駆るのはミリア・ファリーナ・・・
後にマックスと結婚するメルトランで、今回の部隊を率いた指揮官である。
ミリアはエースのミリアと言われており・・・・
かなり優秀な腕前を持つ優秀な人物であった。
滝田英史「マックス優勢だが、援護しないと不味いんじゃないか?援護せねば・・・おわっ!?」
「隊長!?」
滝田英史「こいつらがいる事を忘れてたな、これじゃあマックスの支援に行けんな。」
マックスの援護に向かおうとすると、クァドラン・ロー小隊やジナール隊が妨害する。
ミリアの凄腕と一対一で戦える状況を作れと言う命令を忠実に守っていた。
彼女らは滝田がマックスを支援すべく動き出そうとした事を察し・・・
そうはさせまいと、滝田の目の前に立ち塞がったと思いきや・・・・
背後を狙ったり、回避しようとしたらパルスレーザー攻撃・・・・
更に逃げたらミサイル攻撃と・・・
何処へ行こうともクァドラン小隊の連携が邪魔をする。
これでは話にならん。
それだけじゃない、桐原茂人.ケンゾー・ダイソン.カール・レーガーなど・・
エースパイロットの面々ですら、同じような状況に陥っていた。
滝田英史「いつもの雑魚だけでも叩き落としてやる!」
少しでも状況を改善すべく周りにうようよいるジナールを片付けようと考えた。
それほど数は多くはないが、1機からすれば厄介。
援護攻撃されたら厄介。
クァドランの攻撃を何とか回避しながら、少しずつ撃墜し・・・
なんとか3機を撃墜する事に成功した。
ラミア「くっあいつは粘るな、マイクローンもかなり強い。」
ゼントラーディ軍ラプラミズ艦隊ラミア・クラッドレー3級空士兵
この時、滝田を攻撃したジナール部隊の隊員の一人で・・・・
後に人気漫画家として活躍する事になるラミア・クラッドレーは・・・・
自伝漫画にて、滝田の事を・・・・危機的な状況に陥りながらも戦い抜き・・・
いつ自分が殺されるのか不安だった、仲間がたくさん死んで・・・
かなり辛かったし、滝田に出会うと恐怖に陥り死にそうな気分になる時があったと語っている。
頑張る滝田であるも、ミリア隊もかなり勉強し攻撃が賢くなる。
以前のようにジナールを少しずつ撃墜する事が出来なくなり・・・・・・
完全に守勢に回ってしまった。
「隊長、援護します。」
滝田英史「馬鹿野郎、こいつらはただものじゃない。ヒョッコは今を生き残る事に専念しろ!」
「しかし・・・」
滝田英史「これは命令だ!」
「何故でありますか?」
そんな中、新人の隊員が滝田を援護しようとした。
普通ならば頼もしい援護として歓迎すべき所である
が・・・・
現実は新人が立ち向かえるような相手ではなく、逆に餌食になってしまう。
滝田は新人に援護せず、離脱するように言ったが・・・・
新人は戸惑っている・・・・
中々離脱しない新人に対し滝田は必死に声を荒くしながら離脱するように言った。
「うわぁぁぁ、捕捉された!」
滝田英史「だから言っただろ!早く離脱しろ!援護はやってやる!」
新人がクァドラン・ロー1機とジナール複数機に捕捉される。
なんとか逃げているようだが、あれではいつか食われる・・・・・
滝田はバトロイドに変形し、ジグザグ機動でクァドラン・ローを攻撃するが・・・・
滝田英史「くぉっ!?邪魔をするな!」
残りの2機のクァドラン・ローに邪魔され援護に向かう事が出来なかった。
こうしている間にも新人隊員のバルキリーは追い込まれていく。
追い込まれていく中で、新人隊員は泣き叫びながら助けを求める。
「隊長ょぉぉぉぉぉ、ぐぁぁぁぁ」
滝田英史「うぉぉぉぉぉぉ」
等々、新人隊員の命が奪われた。
パルスレーザーで蜂の巣にされ、最後はコックピットを潰された。
新人隊員が乗っていたであろうバルキリーはあっという間に海面に落ちて爆発した。
惨い死に方・・・・・
滝田は次は自分があぁなる番だと考えた。
だが・・・・・
滝田英史「撤退していくだと?何故だ?何故だぁぁぁぁ」
クァドラン小隊は突然撤退していく・・・・・・・
その後ろから別のエリアで戦っていたクァドラン・ローやジナールもどんどん撤退していく姿が見える。
一体何が起きたのか?
部下一名を失った怒りから叫び声をあげた滝田は不思議がる。
この時、ミリアがマックスに撃退され・・・戦意を損失した。
ミリアは部下達に撤退の合図を送り、母艦へ帰還しようとした。
滝田英史「逃げるか・・・・敵に背後を見せて逃げるなと人の事言えんが・・・これも仕事だ!恨むな!」
滝田はミサイルを発射しながら逃げるクァドラン・ローを1機撃墜する。
部下一名を失っており、一機落とさなければ気が済まなかった。
1機撃墜をしたが、何か虚しさを覚えた・・・・・
何か虚しさを・・・・・
滝田英史「くっ気分が悪い」
正直逃げる相手を背後から狙い撃ちにするのはかなり辛いが・・・・
撤退しているなら、戦意はかなり低い・・・・・・・
これは戦場・・・・・
一人でも多くの敵を倒さなきゃ、自分達の生存率は上がらない。
とは言え、敵を殺すのは気分はよくない。
虚しさを覚えるだけだし、気分が悪くなる・・・・・
ボリス「隊長、帰還命令です。」
滝田英史「そうか、ブランジャーズリーダーから各機へマクロスへ帰還する。」
クァドラン撃墜直後、帰還命令が出され追撃は中止になった。
部隊隊員1名損失・・・・新人とは言えかなり痛い損失であった。
人の死
統合戦争に初実戦してから常に滝田の脳裏に染み付いている。
これが半世紀以上、日本が戦争しなかっただけの代償なのか?
しつこく、殺してきた敵兵士の亡霊が帰還中の滝田に呻き声を発する。
滝田英史「ふん、亡霊め分かっている。お前達の声が聞こえるこの世、敵兵士や仲間を失ったこの世こそ地獄だってな。」
ボリス「隊長、何か?」
滝田英史「いやなんでもない、マクロスへ戻るぞ」
滝田は生き残った機体を伴い、マクロスへ帰還した。
今日、滝田が撃墜した数はクァドラン・ロー1機・ジナール5機。
一個小隊分の機体を撃墜した。
殺した数は6人。
いつもに比べたら、マシな方か・・・・・・
滝田はコックピットを降りながら、考えた。
マクロスに帰還した滝田は整備班と部下と会話した。
今日のせいか、死んだ部下の事も・・・・・
「ああっ! お、おい…。」
「うあっ!」
すると突然、フォッカーのS型の当たりから叫び声があがる。
整備兵2名は驚きのあまり、機体から落ちて腰を抜かしていた。
滝田は気になり・・・・フォッカーのS型へ近づいた。
滝田英史「どうした?」
「実は・・・・・フォッカー少佐のバルキリーが・・・・・」
滝田英史「うん?」
整備兵は不思議そうに見る滝田にある事を言おうとした。
そのある事は滝田を絶句させる程、衝撃な事で・・・
滝田はそれを聞いて、もっていた栄養ドリンクを落とした・・・・
その後
滝田は数々の戦いや経験をする。
恩師であり、尊敬する上官ロイ・フォッカーの戦死。
巻き上げ対象・・・いや大事な後輩柿崎速雄の戦死・・・
それだけではない、マクロスに配属されたパイロットや・・・
今まで戦ってきた仲間の戦死・・・
どれほど見てきたのだろうか?
アドクラス艦隊との講和。
地球壊滅
ミンメイアタックを用いたボドルザー基幹艦隊決戦。
地上の正義なき戦争。
こうした状況の中、滝田は生き残った。
滝田率いるブランジャーズで最初から最期まで戦い抜いたのは16名中・・
自分自身と女性隊員やボリス含めて4名かなり戦死した。
かなり死んだ、仕方がない。
戦場だから
その後滝田は大尉へ昇進、引き続きブランジャーズ中隊を聞いた。
新たな隊員には男女の若き隊員のみならず、ゼントラーディ人の男女も含まれていた。
不思議な気分だ・・・
かつての敵の兵士を部下に加えるとは・・・
滝田は不思議な気分に陥る。
ゼントラーディ軍兵士の中にはマクロスを襲った兵士もいるし・・・
ミリアがマクロスを襲撃してきたクァドラン・ロー以下の下士官達もいた。
あの時の戦いぶりからか、下士官達は滝田を見るなり怯えていた。
怯えていた下士官と上手くやれるように食事に誘ったり・・・
男性兵士らを交えての交流会をやりながら女性下士官らの緊張を解す。
むろん男性のゼントラーディ人達も・・・・
そんな事をやっていたある日。
モーア「オセアニア方面軍のモーア・カリダムです、よろしくお願いします。」
新統合宇宙軍モーア・カリダム准尉
滝田英史「よろしくカリダム准尉、君はミリア・ファリーナ・ジーナス少尉の部下だね?」
モーア「はい。」
ミリアの元部下であるモーア・カリダムがきた。
モーアが滝田の元へ来たのは研修が目的であり、一週間滝田が勤務する基地へ滞在する。
印象的には明るくてゼントラーディ人とは思えない笑顔を持つ女性。
地球人女性と変わらない印象がある・・・
滝田英史「准尉、君にある事を確認したい。」
モーア「ある事?」
滝田英史「志野中尉、立ち合いを頼む。」
志野サエカ「了解」
滝田英史「席に座りたまえ」
滝田はモーアにある事を確認する為、サエカを立ち合いに残し・・・・
モーアと一対一で向き合うように座った。
戦士の感なのか、モーアの表情が険しくなった。
何か感じ取ったのだろうか、不安な部分も感じられる。
滝田英史「ロイ・フォッカー大佐の機体に攻撃し被弾させたのは君かな?」
モーア「はい間違いありません、この写真のバルキリーを背後から攻撃し被弾させました。」
滝田英史「なるほどな。噂どおりだ。」
滝田はモーアにロイ・フォッカーが乗るバルキリーを被弾させたか聞いた。
突然の言葉にモーアは戸惑うも、すらすらと自分が攻撃し被弾させたと告白した。
やはりか・・・・・・
モーアの言葉を聞いた滝田は葉巻を加えながらそう思った。
ミリアの部下の一人メフィア・メルダーンと言う陸軍士官と会った時・・・
一条輝大尉のVF-1Sを見て、同僚が撃墜したと言った。
滝田はメフィアに質問し、フォッカーを殺した同僚がモーアである事を知った。
ずっと会いたいと思っていたが・・・
偶然、自分の基地へ研修に来ると言う連絡が入り・・・・
モーアを呼び出して、あの時の状況を確認した。
モーア「今さらなんで・・・・・大尉が私が撃墜したフォッカー大佐の部下だと知ってます、なぜあの時の事を・・・・」
滝田英史「確認したかっただけだ、どんな気持ちでフォッカー大佐を撃ったのかを・・・・」
モーア「それは・・・・大事な戦友を殺したから・・・私と仲の良かった大事な戦友を・・・・」
滝田英史「そうか・・・・」
滝田の問いに震えながら答えるモーア。
あの時の戦いでロイ・フォッカーを殺そうとした理由を・・・・
モーアの問いを聞いた滝田は静かに目を瞑って思った。
戦友を失った敵討ち・・・・
地球人であろうと、ゼントラーディ人だろうがそれは変わらないのか・・・・・
滝田英史「カリダム准尉、ありがとう。それだけ聞いて安心したよ。」
モーア「それだけですか?恨んでないのですか?大尉の上官を・・・」
滝田英史「いいんだ!あの時は戦争、お互い大事な人間を失ったし文句はない。それに今は大事な仲間だ!変に恨んでどうする、恨んだまま俺は過ごしたくない。カリダム准尉、せっかく地球に来たんだ。人生を謳歌しろ、楽しくな。」
モーア「はい」
滝田はモーアを解放した。
あっさり解放されたモーアは戸惑うも・・・・
滝田は笑顔で不問にしこれからの人生を楽しむように言った。
モーアは笑顔で返事すると敬礼し退室した。
志野サエカ「本当に恨んでないんですか?フォッカー大佐は恩師だし、仲間も殺されて・・・・」
滝田英史「彼女が殺人を犯した場合は恨んでいたが、戦場で正々堂々戦った結果・・・・あぁなったんだ。しょうがない。」
志野サエカ「なるほど・・・」
滝田英史「もっとも、今はかつての敵と一緒に新たな歴史を作れる事を光栄に思うよ。彼女もその一人さ・・・」
サエカから恨んでないのかと聞かれると、滝田は恨んでないと答える。
理由はあれは戦争であったから仕方がない事・・・・・
正々堂々と戦った結果が、あれになった。
同時に自分達も同じようにモーアの仲間を殺している。
モーアから恨まれてもしょうがない事を自分達もしている。
自分達も恨んでも何も解決しないし、恨んだら余計な恨みを買われるだけだ。
幸いにもモーアから恨まれてもいないし、特に問題はない。
滝田は葉巻を加えながら、窓を見ながら考える。
今後かつての敵とどう関わればいいのかを・・・・・・
◆中島繁蔵(大日本帝国海軍大尉)
→中島雷造(海上自衛隊一尉、地球統合軍大佐)
・中島義之(長男 1973年生れ。月面アポロ在住)
・→中島良文(義之長男、2002年生れ、中島テクノロジーズ社長)
・-→中島知之(良文長男、2027年生れ、中島テクノロジーズ常務)
・--→中島勇気(知之長男、2049年生れ、新統合軍所属)
・-→中島由美(良文長女、2031年生れ、新統合軍所属、結婚後ユミ・フランジャー)
・→中島進(義之次男、2003年生れ、新統合軍所属)
・-→中島透(進長男、2035年生れ、新統合軍所属)
・--中島智里(透長女、2052年生れ、新統合軍所属)
・中島友洋(次男、1995年生れ、後妻の息子で義之の異母弟、地球統合軍・新統合軍軍人)
・→中島基之(長男、2028年生れ、元歌手。自動車整備工)
・-→マキナ・中島(長女、2049年生れ、ワルキューレメンバー)
・-→フリック・中島(長男、2052年生れ、新統合軍軍人)
・→中島理紗(長女、2029年生れ、新統合軍人。結婚後、九条理紗)