鈍感であるべきか
敏感であるべきなのか
日常の暮らしにもつながる
生き方の感度も家造りの際には
いろいろと話題になる事もあります。
随分前に発刊され
ベストセラーになった
鈍感力という本があります。
著者は失楽園や愛の流刑地等の
作家であり、
多くの小説を著していますが、
同氏には珍しい
エッセー集です。
内容をご存知の方、
読まれた方
読んでいない方も
いらっしゃるかと思います。
何度か読み直したり
読み返したりする中で
僕がこの本から感じた
鈍感力について
少し話をしたいと思います。
鈍感と敏感は反対語であり、
鈍感より敏感の方が
良いイメージがあり、
一般的には鈍感には
マイナスのイメージがあります。
状況が読めない、
人の言葉に反応できないことを
鈍感な人と言い、
だから鈍感は良くなく、
敏感な方が
素晴らしいことであると
言われます。
著者が推奨するのは、
鈍感であり続けること。
それは心身の管理から
人間関係や仕事に至るまで、
敏感すぎる人には
良い結果が訪れないことを
様々な事例で結論づけています。
他人の褒め言葉に対して、
すぐに図に乗るくらいが
ちょうどよく、
人間関係、
恋愛においても、
鈍感でめげない人が
最後に思いを遂げると
説いています。
著者は医師でもありますので
医学的な見方からも
鈍感の優位性を述べています。
私たちが行う業務は
複雑で繊細です。
皆さんもそうだと思いますが
会社や毎日の仕事
個別の業務を行う上で
鈍感が良いと
言うつもりはありません。
ましてや鈍感さにより
顧客、地元、社内に
迷惑をかけ
業務の進捗、
会社の信用を失墜することを
是認しているわけではありません。
業務においては、
集中して
敏感に対処していただきたいと
思います。
しかしながら、
対人関係、
特に毎日顔を合わす家族とは
ある意味
時として鈍感力も
必要ではないかと思います。
※以下、原文を引用します
さまざまな人の、
さまざまな態度が
気になる人もいれば、
あまり気にならず、
そんなことはどうでもいい、
と思う人もいます。
人それぞれの感性ですが、
はっきりしていることはただ一つ、
さまざまな不快さを無視して、
明るくおおらかに生きていける。
こうした鈍感力を身につけた人が、
集団の中で逞しく
勝ち残っていけるのです
渡辺淳一・鈍感力
私たちは、
寝ている時間を除けば、
一日のうちで最も多くの時間を
職場で過ごします。
勿論家族も含めて。
そこにはいろいろな
特徴を持った人、
年齢層の人が集まっています。
業務が忙しくなると
いろいろな感情が
ぶつかり合うこともあるかと
思います。
職場での場合もそうですが
家造りにおいては
家族の中にも様々な感情が
生まれています。
家族だから
皆が一緒という訳では無く
家族だから違いを知る事も
大切だと思います。
日々の暮らしの中で
皆さんにも思い当たる物事が
あるかと思います。
職場だからこそという
ケースもそうですが
これからの暮らしの事を
考える家族だからこそ
お互いがうまくやっていくためには
ある種の「鈍感力」も
大切ではないかと思います。
職場などでも
いろいろなひずみが
生じることもあるかと思いますが、
家庭でもそういう事が
ありますよね。
ほんの些細なと思うかもしれませんが
一方にとっては些細な事ではない
という事も・・・・・・。
適度に、
そして良い意味で
鈍感になっていただき、
お互いが許容し、
認め合って
過ごすという考え方の中に
鈍感力は大事だなと思います。
日々の暮らしと喜怒哀楽に
どのように程よい距離感と
関係性を考えるべきなのか?
オフィスや
施設設計でもそうですが
家造りの際には大切な観点です。
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