最近では海外製の食洗機が
日本のキッチンに
採用されるケースも
増えてきています。
※BOSCH食洗機を採用したアイランドキッチンの過去事例
そんな中でも
特に注目されている
ドイツの総合家電メーカー
BOSCH社が開発した
ビルトイン食器洗い機。
機能性とデザイン性を
兼ね備えた製品です。
※BOSCH食洗機を採用したキッチンメーカー・キッチンハウスのアイランドキッチン過去事例
海外で絶大に支持されている
ボッシュですが
日本の食洗機との違いや
日本の食卓に
合うのかなども踏まえて
ご相談をいただく事もありますので
少しその食洗機について
書いてみたいと思います。
BOSCH(ボッシュ)は、
ドイツのシュトゥットガルト近郊
ゲルリンゲンに本社を置く
多国籍
エンジニアリング・テクノロジー企業です。
1886年にロバート・ボッシュが
シュトゥットガルトで操業し
世界最大級の規模を
誇っています。
実はシュトゥットガルトは
日本にも馴染み深く、
日本企業が優に50社を超え
日本人約2000人程度
在住しています。
1893年に設立された
名門サッカークラブにも
過去に多くの日本人選手が
在籍していました。
ボッシュは世界最大の
自動車部品サプライヤーでもあり、
製造業の企業としても
世界最大級の規模を
誇っています。
事業領域はモビリティ、
消費財(家電製品等)、
インダストリアルテクノロジー、
エネルギー、
建築テクノロジーの
4つの事業分野にまたがっています。
日本でも工具などで
ボッシュは有名ですよね。
少し前置きが長くなりましたが
食洗機について・・・・・。
余熱乾燥方式。
日本製の食洗機は、
電力でヒーターを暖めて
温風を作り出し
乾燥させる方法が
多く採用されています。
しかし、
海外製は余熱乾燥方式を
採用している食洗機が
主流となっています。
では余熱乾燥方式が
どういうものなのか?。
すすぎ時にお湯を使い食器を暖める
最終すすぎでは
食器を高温のお湯55度~70度ですすぎ、
乾燥しやすく
乾燥仕上げ材が投入されます。
庫内の食器が高温になる
すすぎ工程が終わると、
すすぎに使ったお湯は
排水される。
食器から水分が蒸発していく
温まった食器からは、
水分が蒸発していく。
いくら高温になっても
それ以上食器は
乾燥しないので次の工程です。
蒸発した水分を結露させる
食器洗い機の庫内壁は、
他の場所より先に
冷める様にできている。
庫内壁で冷やされて
結露し水に戻る。
冷やされて水に戻った分だけ、
庫内は乾燥する。
その分だけ食器からさらに
水分が蒸発できるわけです。
食器と庫内壁の温度差を
作り出す事で、
食器が乾燥する。
これが「余熱乾燥方式」です。
ゼオライトとは
天然鉱物のゼオライトとは
アルカリまたはアルカリ土類金属を含む
含水アルミノケイ酸塩です。
ゼオライトは骨格構造に由来する
細孔による分子ふるい効果に加え、
イオン交換能や触媒能、
吸着能などの特性をもっています。
そのため、脱臭、
水質に改善、土壌の改質、
家畜の整腸作用があります。
発ガン性もなく、
農業や園芸用途にも
安全に用いられています。
湿気を吸着すると
熱を発生する特性を持ちます。
BOSCH食洗機の製品について
ボッシュの
ビルトイン食洗機の種類はシンプル
大きく分けて
60cm幅タイプと45cm幅タイプがあります。
60cm幅タイプ
84点 4人家族 約3食分
ゼオライトシリーズで2種類。
45cm幅タイプ
62点 4人家族 約2食分
ゼオライトと余熱乾燥方式が
各1種類づつ。
合計4種類から
製品を選ぶことが出来ます。
ボッシュと他社の大きな違いは
余熱乾燥方式に
ゼオライトという鉱物を
採用していることです。
ゼオライトは
ボッシュが特許を取得しており、
独自の技術で
乾燥を促進する役目を
果たしています。
あくまで促進するもので
機能ではありません。
しかし、
ガゲナウには
ゼオライトシリーズが存在します。
それはガゲナウとボッシュは
同じ会社だからです。
ゼオライトシリーズは
余熱乾燥方式+ゼオライトを使った
乾燥促進方式で、
1.1~1.2kg程度食洗機の中に
設置されています。
60cm幅モデルは2種類あり、
コントロールパネルが正面にあるタイプと
コントロールパネルが
ドアを開けたところにあるタイプに
分かれます。
コントロールパネルが
ドアを開けたところにある
フルドアタイプは
正面からみると
面材しか見えないので
比較的スタイリッシュです。
その他はほぼ一緒です。
コントロールパネルが
正面にあるタイプ。
コントロールパネルが
ドアを開けたところにあるタイプ
ゼオライトシリーズは
45cm幅モデルもあります。
ゼオライトは洗浄時、
庫内温度を高め、
乾燥時は食器や庫内から放出される
湿気を吸収して
食器を素早く乾かします。
ゼオライトシリーズは
洗浄が終わっても
自動でドアは開かず、
開けた場合もほぼ湯気がでません。
(洗浄コースよって湯気が出る場合もあり。)
ゼオライトは交換と
補充する必要がないので
メンテナンスの心配もありません。
余熱乾燥方式は
スタンダードシリーズと言い、
45cm幅モデルのみあります。
こちらは、
ゼオライトシリーズの
45cm幅モデルの機能は同じで
ゼオライトを使うか使わないかの
違いとなっています。
規格サイズについて
45cmタイプ
外形寸法(mm) W448 D573 H813
開口寸法(mm) W450 D573 H815-875
バスケット3段
洗浄容量 8人分
総重量 41㎏
60cmタイプ
外形寸法(mm) W598 D573 H813
開口寸法(mm) W600 D573 H815-875
バスケット3段
洗浄容量 約12人
総重量 49㎏
洗浄時間の差も気になるところですが
1回にかかる洗浄時間は
洗浄コースにより異なり
エココース
オートコース
パワフルコース
3種類の洗浄コースで
約2.5~4時間前後ですが
汚れ具合により前後します。
1日分の食器を
寝る前に洗浄をスタートし、
朝起きた時には洗い終わっている。
そんな使い方が多いです。
寝ている時に洗浄をするとなると、
運転音がどれくらいか
気になるかと思います。
60cmモデル 42dB
45cmモデル 44dB
これは実は
図書館の静けさと
ほぼ同じです。
個人差にもよりますし
間取りにもよりますが
基本的には
静かな方だという考え方です。
洗剤はヨーロッパでは
タブレット型が主流となっていて、
そちらを使うか、
国産の粉のタイプでも
問題はありません。
しかし、
液体洗剤はNGとなっていますので
ご注意ください。
また、乾燥機能がない
海外製の食器洗い機なので、
乾燥仕上げ剤として
リンス剤が使われます。
国産メーカーにはないものですが、
グラスに水滴が付かないように
撥水してくれて、
乾燥の仕上りが
全然違うので
使用するほうが良いかと思います。
製品の高さ
ボッシュの食洗機の高さは
81.3cmとなっています。
日本のキッチンは
天板を合わせて
85cmを選択する方が多いかと思います。
ボッシュの食洗機を
採用する場合は
開口高さは81.5cm以上が
最低ラインとなってきます。
キッチンの天板(カウンター)の
厚みがあるので
85cmでは厳しい可能性が
高いので注意する必要があります。
日本製食洗機との違い
前述でも説明しましたが
日本と海外では乾燥方法が異なります。
日本製の食洗機は、
洗浄後にヒーターで
温風をつくり
庫内に行き渡らせることで
食器を乾燥させる仕組みです。
日本製の食洗機は
予洗いが想定されているため、
事前に予洗いが必要です。
海外製は予洗いが不要です。
海外の食卓では
1日分をまとめて洗うので、
朝や昼に使った食器でも
高い洗浄力で
きれいに洗いあがります。
海外製は余熱乾燥方式を
採用しているので、
湯気が少ないことが特徴です。
ボッシュ食洗機のメリット
①節水・節電効果で環境に優しい
②高いデザイン性
③予洗い不要
④静かな動作音
⑤高い洗浄性能
⑥ゼオライト機能つき
⑦大容量・多機能
水道代や電気代を
年間で35%節約できる
効果的な設計が特徴です。
予洗いが不要なため、
ひと手間省かれますし、
節水・節電効果に加え、
環境に優しい素材や技術が
採用されています。
やはり一番の特徴は音です。
ドイツ製ということだけあり、
動作音は日本製に比べても
かなり静かです。
ボッシュ食洗機のデメリット
①金額がそれなりに高い
②キッチンメーカーが限られる
③高さが決まっている
④お皿によって乾燥が不十分
また海外では
器の浅いお皿が主流です。
ですが日本の食卓では
欠かせない
どんぶり鉢用には
製造されていない為、
底に水が溜まるので
どこに置くか
工夫を凝らす必要があります。
食器の置き方を変える事で、
きれいに洗え、
乾燥も問題も行えます。
高さが81.3cmと決まっているため
キッチン高さが85cm以上のものしか
合わないこともデメリットです。
ここは間違わないように
計画性をもっておかないと
いけないところです。
どちらにしても
それぞれの家族にあったものを
選んでいただくことが一番です。
国内製品や別の海外製品とも
比較しながら
ライフスタイルにあったもの
ご提案できればと思います。
家事時間が
楽になることは
時間のゆとりだけではなくて
生活のゆとりにも直結します。
暮らしの中のアイテムにも
ゆとりを生み出す工夫を
丁寧にと思います。
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