ソーセージに形が似た円柱状の穂は”ガマ(蒲)の穂”と呼ばれます。
全国の湖沼やため池、水路などに自生する抽水植物です。
ガマ属で、日本で主に見られる種は、「ガマ(蒲)」の他に「ヒメガマ(姫蒲)」、「コガマ(小蒲)」があります。
ガマ科ガマ属の多年草で、花粉は「蒲黄」(ほおう)と呼ばれる生薬であり、傷薬等に利用されます。
「ガマ(蒲)」(Typha latifolia)
花期:6~8月 草丈:1~2m 雌花序と雄花序が連続しており、雌花序の長さが10 ~20 cm
上部は黄色い花粉をまき散らす雄花穂、下部の緑色部は雌花穂。
穂の上半分の雄花群は細く、長さ7 ~12㎝、開花時には黄色い葯が一面に出る風媒花である。
花穂の下部の雌花群は、長さ10 ~12 cm、直径は約6mm である。
花後には、雄花は散って軸だけが穂の上に立ち、雌花穂は茶褐色になって太さも1.5~2 cmと太くなり、3種のなかで果期のガマの穂が一番太い。
10月~11月には結実して、茶色い一般に言う”ガマの穂”になります。熟すと白い綿毛の付いた果実をちらします。
「ヒメガマ(姫蒲)」(T. domingensis)
花期:6~7月 草丈:1.5~2mとガマと同等であるが、葉が細く、葉幅は5~12mm
雌花序(下:ガマの穂)と雄花序(上)が約1 cmほど離れて花のつかない裸出した軸がある
雄花は、(蕾で)緑色、(咲いて)黄緑色、(咲き終わって)薄茶色と変化してゆく。
花粉は黄色。雄花序だけで30cmにも達するものあり。幅は1cm強。
未熟な果穂は硬くて、冷凍したソーセージのごとくかちこち。
秋になって熟し、乾燥してくると、冠毛が広がることで果穂がもこもこにほぐれる。
「コガマ(小蒲)」(T. orientalis)
ガマ属3種のうちでは最も花期が遅く、花期:7~8月。
葉の幅は5~8mm、ガマ(葉幅1~2cm)にくらべて細い。草丈1~1.5mになる。
雌花群と雄花群が花茎上に接して付くことで「ヒメガマ」からは区別される。
雌花序の長さが10~20㎝のものが「ガマ」、6 ~10 cmのものが「コガマ」と識別
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