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舘山高速道を市原ICで下りて、国道297号線(通称「大多喜街道」または「勝浦街道」とも云う)を10kmほど南下し、養老川の手前の田んぼ越しに見える丘陵地一帯が「佐是城」のあったところです。
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佐是城は、鎌倉時代に佐是禅師円阿が館を構えたことに始まり、戦国時代の始めに武田三郎国信が佐是城主を命じられ、関東でも屈指の本格的な山城に造り替えました。
真里谷城、長南(庁南)城の間に建つ、当時の武田勢の拠点城だったのです。
国信の子孫は天文21年「椎津合戦」で討死、その後の一族がどうなったかは解っていません。
この佐是城址に、江戸時代の延宝3年(1675年)に「曹洞宗延命光幸福禅寺」が開山、開基は代官・小田切氏でした。
後の一族には、江戸北町奉行を勤め、「鬼薊(あざみ)の清吉」を捕まえた旗本・小田切土佐守がいます。
話はそれますが、極悪非道の盗賊「鬼薊の清吉」は、市中引き回しの上、磔・獄門(はりつけ・ごくもん)の刑に処せられました。
辞世の句は「武蔵野に はびこる程の鬼薊 今日の暑さに 枝葉しほるる」でした。
その日も、このところのこんな暑さだったのでしょうかねぇ?
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佐是城址・「曹洞宗延命光幸福禅寺」は、千葉県市原市佐是1097にあります。
国道297号線が養老川を渡る手前300mぐらいのところに「佐是城址と光福禅寺」の小さな看板が出ていますので、見落とさないようご注意ください。
現在のご住職は31世・狩野興道大和尚で、日本画の狩野派の始祖である狩野正信につながる系譜だそうです。
本堂の入り口正面に掲げられた山額には、山号である「延命山」の浮かし彫りの文字に、鳩や剣の形も入れて彫られていました。
これと同じような山額は鎌倉鶴岡八幡宮にも見られるそうです。
境内には、時代劇の撮影にもよく使用されると言う木立に覆われた表参道、見たことも無いぐらいに太い孟宗竹の林に覆われた難攻不落の断崖絶壁、曲輪(くるわ)、前方後円墳、「羅漢の森」、愚痴を聞いてくれる「幸福観音」など、見所が沢山あります。
座禅会、陶陶也の陶芸教室、人生占いなども開催されているそうです。
オープンカフェ「瑞江(ずいこう)」では、バニラコーヒー、ケーキ、チキンカレー、ピザなども楽しめます。
営業は金・土・祝日の10時~15時、お問い合わせはTEL080-2075-3491です。
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電車の場合は、JR内房線五井駅で小湊鉄道に乗り換え、上総牛久駅下車徒歩約30分です。
佐是城址一帯を4時間で巡るハイキングも楽しめそうです。
更に小湊鉄道を進めば、房総の奥座敷・養老温泉がありますし、終点の上総中野駅で接続するいすみ鉄道に乗り換えれば、小江戸・大多喜や外房の大原へも行くことが出来ます。
時には、喧騒を忘れさせてくれる山寺を訪ねてみてはいかがでしょうか?
【光福禅寺のパンフレット・インターネット、「上総国歴史の会」資料等の情報から抜書きさせて頂きました】