俺はワルポンだっ!

ちょいワルおやじを卒業したワルポンの斜め下から見た現代社会

『会津西街道』

2009-09-28 18:54:01 | Weblog
この間の土曜日は、実にきれいに晴れた秋晴れのドライブ日和でした。

那須岳は紅葉が始まったと聞いたので行くことにしました。
ところで那須岳と云う山は無くて、茶臼岳などの2,000m級で連なる山々の総称だそうで、那須連峰、那須連山などとも呼ばれているらしい。

出発はいつものように出遅れの10時30分・・・ 思い付きだから仕方が無い。
でも、圏央道から常磐道に入り、北関道を通って東北道で行けば2時間もあれば着くはず・・・高速代も1,000円だし・・・お気楽なドライブである。ルンルン♪

       ☆       ☆       ☆       ☆

ところが、圏央道に乗ると、筑波山が霞んでいるではないですか・・・
これじゃ、那須岳に上っても下界は見えないじゃない?

仕方がない・・・行き先を鬼怒川ダム巡りにすることにしました。

宇都宮インターを下りた所に、大分以前に行ったことのある「大晃ドライブイン」と云う中華屋があるのを思い出して、そこで昼食にすることにしました。
ところが行ってみると、とっくに倒産したらしく代替わりして、それも封鎖されているではないか。

徳次郎の交差点から日光街道を日光方面へ・・・
「とくじら」と地元の人は呼びますが、交差点の地名の標識には「TOKUJIROU」とありましたけど・・・

昼飯、昼飯・・・と、適当な食事処を目で追いながら車を進めるも、なかなか気に入ったところがありません。
とうとう、鬼怒川温泉に着いてしまいました。

大型バスが何台も入るような大きな漬物店に入って見ると、そこは当然のことながら漬物の専門店で、食堂はありませんでした。
きゅうり、なす、らっきょう、だいこん、しょうが、しそのみ、はやとうり、きざみばた・・・仕方なく何種類もの試食の味噌漬けとお茶をたらふく飲みましたけれども、空腹は満たせません。

店のおねえさんに「蕎麦の美味しいところを・・・」と尋ねると、甲高い声の早口で、大きく尻上がりで抑揚する、例の栃木弁丸出しで道順を説明するのを、何度も聞き返して、やっとの思いで理解して行ってみました。

教えて貰わなかったら絶対に行けそうに無い山奥の、しかもそのまた小路に入ったところに「小百(こびゃく)田舎蕎麦」は有りました。
味の知りたい方は是非一度訪ねてみて下さい! 栃木弁が堪能できます。

       ☆       ☆       ☆       ☆

食べ終わると2時を回っていましたので、またまた行き先変更して日光東照宮から奥日光を回って渋川経由で帰ろうと向かったのです。
が、男体山の方角の空は真っ黒で、大雨の惧れがあります。

仕方が無い、やっぱり奥鬼怒へ行こうっと、再々度変更して方向転換です。

鬼怒川有料道路で二度ほど料金を払い、車を進めると、「会津西街道」の道路標示があるじゃあないですか。
そうだ、この街道のどっかに江戸時代からの宿場町があるのを新聞か週刊誌で見たことがあるのを思い出しました。

でも、その名を思い出せない・・・

途中、五十里ダムの管理事務所で訪ねました。
「俺の行くとこ、何処だんべェ?」
「そりゃ、“大内宿”じゃないかい、それと“トウノへツリ”もいいよ!」と親切に教えて下さいました。

再々々度の目的地変更です。もう3時です、先を急ごう・・・

少し色づいたかなと思われる山道を、ハンドルを右に左に切りながら上り下りして進みました。江戸時代の参勤交代の往時が偲ばれる人恋しくなるような山奥です。
国道121号線は、37年前に通った時よりも数段改良されておりました。

       ☆       ☆       ☆       ☆

日が山の頂に隠れるころの4時半に、下郷町・大内宿へ着きました。
思いの外広い宿場の道を登って行くと、ぞろぞろの観光客は皆帰り道です。
宿場のお店も店じまいの準備中・・・
江戸時代の昔を駆け足で見て廻りました。

だって、おすすめの“トウノへツリ”にも寄ってみなくちゃなんめェ・・・
何となく栃木訛りになってしまいました・・・


       ☆       ☆       ☆       ☆

走ること15分で、“トウノへツリ”に着きました。漢字では“塔の岪”と書くようです。
5時20分ですけれど、天気が良いせいか未だ明るい。
急いで写真を撮りました。


よく見ると、すっごくでっかい「すずめばちの巣」があるじゃないですか。
なんか特別な宝物でも発見したような得した気分です。



秋の日はつるべ落とし・・・ 西方の山には白い半月が・・・

もう5時半を過ぎています。
すでに、すっぽり日が暮れた駐車場に戻ってみると、木立の間から幻想的な灯かりが窓からもれる建物が見えるじゃないですか・・・
誰もいない無人の駅舎です(会津鉄道)。


       ☆       ☆       ☆       ☆

帰りは昨年開通した甲子(かし)トンネルを通って白河ICから高速で帰りました。
“ふらふら変更ドライブ”も、9時30分無事帰着。

駆け足旅行では旅の味わいも半減です。
それにこの近くには、日本で星が一番きれいに見えるといわれるロマンチックな会津高原もあると云うのに・・・
(南会津町針生地区の標高800mにある台鞍荘(だいくらそう)など)


白虎隊の会津は、保科氏23万石で、剛直な“会津魂”が残っている土地柄です。
「目的をころころ変えるような奴は会津に立ち入るべからず!」と怒られそうです。


今度こそ、しっかりと計画を立ててから、再挑戦です!

『更けゆく秋』

2009-09-27 12:48:22 | Weblog
ここのところ運動不足が祟ってか80kgオーバーの目方がかかり、足首や膝が痛み出したんです。
来月には前期高齢者になるとは云え、まだもう少しワルポン(本当は「ちょいワルおやじ」と云いたいのですが・・・)を続けたい思いもありまして・・・

毎日歩くことを決めました。

日の出前の薄暗い中、朝起きるとすぐに着替えて家を飛び出します。
10分も歩くとお日様が顔を出して、少し汗ばみます。
今日で5日目ですが、4.4kmをほぼ一時間で歩いています。

  ☆       ☆       ☆       ☆

今まで、体の移動といえば車か自転車だったのです。
歩いて気付いたことは、自然と身近に触れ合えること、細かな時の移ろいを感じることです。

野あざみは藪の中でも逞しく存在感をアピールしています。


すすきもきれいな穂先を風にたなびかせています。
よく見ないと判らないぐらいに小さな花が、すすきの穂先の一本一本に、きれいに一列に並んでうつむいて咲いているのを、田舎育ちなのに初めて発見しました。


萩の花が咲き乱れ、トンボも暖かな陽射しが名残惜しそうです。


  ☆       ☆       ☆       ☆

桜の花は「花の命は短くて・・・」とか、「散りぎわが潔い」と云われます。
桜の花は色白美人で可愛く色気もありますから、誰もが好きで慕われています。

けれど葉っぱは、茶褐色で虫食いだらけだし、たそがれていて誰も注目しません。
他の木々は紅葉も未だだというのに、気が早いと云うか、潔いと云うか、もう既にいつの間にか誰にも気付かれずに散ってしまいました。


散歩はいいですよ~。
自然の細かいところまで触れることが出来ますから・・・更けゆく秋を楽しめます。


何? 前期高齢者になったら、桜の葉っぱと一緒だって・・・




『代々大工の善兵衛』

2009-09-21 16:32:15 | Weblog
民主党が遂に天下を取り、鳩山さんが第93代目の首相に就任しまた。
鳩山家は代々が政治家で、鳩山首相は理工系の出身とのことであります。

このこととは何の関係もございませんが、ワルポンも理工系です。
我がご先祖様は大工ですから、家系的には理工系ではあるのですが・・・

もっとも、左甚五郎など伝説的な名大工と違い、只の田舎の名も無い大工です。
いえ、名前は有りまして、代々屋号が「善兵衛(ぜんべえ)」です。
字からして良い人そうな名前じゃないですか。

昔から大工の親方を「棟梁」と呼びますけれど、棟梁は建物の設計から完成までをトータルで管理する役目で、云わば、設計者プラス現場監督なのです。

☆       ☆       ☆       ☆

17歳でこの春逝った愛犬の「もんじろう」の為に、居間から直接表に出れる25㎡ばかりのウッドデッキを15年ほど前に作ったのです。
設計計算をして、図面を描いて、材料表・見積金額を算出し、材料や電動工具を調達して、あれこれ工面して自分一人で造ったのです。

と云うことは、“棟梁”と呼ばれるに値すると思います。
しかし残念なことに、棟梁と呼ばれるには唯一つ欠けることがありました。
それは一人でやっちゃったので、部下無しであったことです。
手下のいない親方なんていませんよね・・・

15年も経つと、風雨にさらされた木の部材は朽ちて来ます。釘も錆びて針ぐらいの太さに痩せ細り、歩くのも危険です。

道路側の一段高くなっているデッキは車庫の屋根にもなっているので、前期高齢者用(?)の省エネで経済的なエコカーが来る前に直さなくては・・・
いや、それよりも何よりも前面道路の歩行者に危険を及ぼしてはいけないし、お隣の車庫に倒れでもしたら・・・

☆       ☆       ☆       ☆

補修工事は新築よりも手間がかかります。何故って?・・・

部材が混みすぎると風通しが悪くなって、木の腐食が早く進むようです。
そのためにどの部材を省けるか検討しなければなりません。

部材の腐食度の目視検査、ハンマーで軽くたたいて交換が必要かどうかの部材の確認、虫などが入り込んでいないかチェック、・・・
部材、部品、工具の調達、・・・

部材を抜き取るためには、既存の構造体を支えるための部材も古材で作って補強しなければなりません。
部材を取替え補修すると云うことは、部材の切断、ボールトの穴の位置など既存の部材に合わせ、元の通りに組み立てなければなりません。

☆       ☆       ☆       ☆

と言う事で、手間ひまがかかるのです。

と言う事で、ここのところ大工に専念していたのです。

と言う事で、ブログをサボってしまった訳です。

『下総中山・法華経寺』

2009-09-12 13:22:49 | Weblog
先日、市川市にある法華経寺に行ってきました。

日蓮宗大本山で、山号(さんごう)は「正中山」、山内(さんない)寺院・塔頭(たっちゅう)は十七ケ寺も有ります。

       ☆       ☆       ☆       ☆

JR総武線の下総中山駅前ロータリーから、一直線に続く緩い上り坂が法華経寺の参道で、途中で国道14号線を横切り、京成本線の京成中山駅もあり、交通アクセスがかなり込み合っています。
参道の両側は商店が連なり、いわゆる門前町を形成しています。

蕎麦屋、寿司屋、鰻屋、中華屋、ラーメン屋、その他の食べ物屋や、仏具屋、床屋、美容院、薬局、みやげもの屋、花屋、肉屋、魚屋、八百屋、酒屋、お菓子屋、せんべい屋、文房具屋、おもちゃ屋、写真館、ペットショップ、習いもの教室・・・

このご時勢“門前市(いち)を為す”とはなかなかいきませんが・・・また、巣鴨の原宿とまではいきませんが・・・お参りすると思しきよたよた歩きのじいさんばあさん、いえ、善男善女の皆様も多く見受けられます。

その間を縫うように避けながら、車がやっとすれ違えるこの狭い参道をそろりそろりと登ってゆくと、大きな山門の前に出ました。「中山参道山門」です。



「下乗」の立て札が門の真ん中に立っています。ここから先は乗り物からおりて歩いて境内に入りなさい、ということです。

駐車場も無さそうだし、右か左に行くしか有りません。
仕方なく左にハンドルを切り曲がりくねった細い下り坂を境内沿いに進むと、ちょうど裏側辺りに大きな池があり、池の脇には10数台止まれる駐車場が有るじゃないですか。
「参拝の方以外の駐車はお断りします」の看板が有りました。

そうです、あっしは参拝客ですよっ!

       ☆       ☆       ☆       ☆

蓮池の花を眺めていると、さっきまでお釈迦様がそこに座っていたと思われるぐらいに神々しい金色(こんじき)の蓮の花の台座がそこにあるじゃないですか。



日頃、信心など希薄なワルポンでありますが、その美しさには心が洗われます。
極楽浄土を垣間見た心境になりました。

裏からの参道を進むと、突然目の前に、周りを圧倒する比翼入母屋造りの荘厳な祖師堂に出ました。



       ☆       ☆       ☆       ☆

さっき車止めのあった「中山参道山門」まで参道を下って再び登ってきました。
参道の両側にはそれだけでも立派な脇寺が連なっていました。

境内に入る山門のすぐ手前の茶店の前には、朱の毛氈(もうせん)?を敷いた縁台が参拝客のお休み用に置いてありました。
その真ん中に、猫ちゃんが「吾輩は猫である、昼飯は食ったし、眠いのだ」とばかりに大の字になって昼寝を決め込んでおりました。



乳母車が石畳の上をガタガタ通っても平気の平左で夢の中・・・

「オイ!そこは人間様の場所だぞ!」・・・知らんぷり
「お前みたいなぐーたらは、甕(かめ)に落っこちて極楽へ行っちゃうぞ!」と云ったのですが・・・知らんぷり


「吾輩は猫である」を最後まで読んでいないみたいで、知らんぷりでした・・・



『かおり風景百選・山田町府馬の大クス』

2009-09-04 23:14:35 | Weblog
先日、千葉県山田町にある「府馬の大クス」へ行ってきました。
車がやっと通れる曲がりくねった山道を登った集落の中にありました。

なかなかの巨木でした。

       ☆       ☆       ☆       ☆

2001年、環境省の選定で、その発表の概要には次のように有りました。

《樹齢1300年から1500年のタブノキが境内をおおい、枝が地上に垂れて根を張り子楠となり、別の木のように見える。境内はダブノキ特有のかおりがする。国指定天然記念物で、樹高20メートル、幹回り27.5メートルにもなる。地元住民が中心となり、「おおくすを守る会」を発足し、自然保護活動を展開している。》

       ☆       ☆       ☆       ☆

「大クス展望公園」の立派な説明案内板には概略以下のように書いてありました。

《「府馬の大クス」樹齢1300年から1500年の巨木。クスノキではなくてタブノキ。文化庁が天然記念物に指定した際に、俗にイヌグスの名で通っていたことから大クスとして指定したため、今もその呼び名が残っています》

また、《隣にある小さなお社は宇賀神社といい、773年に始まる神社だそうで、大クスはその御神木ともいわれているそうです。境内に入るとタブノキ特有の香りが辺りを包み込んでいます。この香りは2001年に環境省が選定した「かおりの風景100選」に「府馬の大クス」として選ばれています》

       ☆       ☆       ☆       ☆

疑問点の整理

① 文化庁はタブノキを何故クスノキとしたのか?
② 環境庁は「タブノキ特有のかおりがする」と選定概要に書きながら「クス」と命名したのか
③ 幹周り27.5mと選定概要にあるが、本当にそんなに太いのか?

④ 選定概要に「樹齢1300年から1500年のタブノキが境内をおおい」とあるが、太枝は大分朽ちて可哀想なぐらいの老木で、「境内をおおい」はオーバーですよね?
⑤ 選定概要に「枝が地上に垂れて根を張り子楠となり、別の木のように見える」と有りますが、「子楠となり」とはクスノキなのか? 又「別の木のように見える」とはタブノキのことではないでしょうね?

⑥ 773年に出来た神社は今年で1236年になるが、樹齢1300年とすると樹齢若干64年のタブノキが御神木になるほど立派だったのだろうか?
⑦ 選定概要に「境内はダブノキ特有のかおりがする」とありますけれど、それに反応しないワルポンの臭覚を疑います。

       ☆       ☆       ☆       ☆

文化庁にも環境庁にも喧嘩を売る気は有りません!
また、地元の誇りをけなす気も有りません。
まして、宇賀神社は丁寧にお参りしてきました(賽銭も奉納して)。

文化庁、環境庁の事務方や選定委員会の皆様がいい加減じゃないかなどとはこれっぽっちも思っていません。

お上の決めたことですから・・・「前期高齢者に入るワルポンの感覚が狂っているため」としか云いようがありません。