「結城紬を見に行きたい!」と、いつものようにいつもの方が突然言い出すので、一日運転手を務めた。
夕刻明るいうちに帰途に着いた。
途中、関宿付近の中川でも花火大会があるらしく堤防の上にはかなりの数の雪洞が立ち並んでいた。まだ、太陽も高いのに堤防の上を女の子らが友達連れの浴衣姿で足取りを弾ませながら、多分、場所取りに急いでいた。
「そう! 今日は家の近所でも花火大会があるのよ!」と同乗のワイフが声を弾ませて言う。
家の近所とは云っても会場までは直線距離で3km程度は離れている。
人出も多く、毎年1万発ぐらいは上がる地元ではかなり大きい規模の花火大会である。
近くの団地でも女の子らはみんな浴衣姿で、花火見物の準備OKである。
親子連れで、友達連れで会場へ急ぎ足。
日暮れまではまだちょっと時間があり、みんなのホッペも夕焼けに赤く輝いていた。
家に帰り着いて夕食をとった。
7時を過ぎて暗くなったけど、花火の音が聞こえない。
ビールも飲み干して食事も終えて、外はすっかり真っ暗になったのに、花火の音がまだ聞こえない。
鳴らないねえ、今日ではなかったのかな?とか話していると
“どっどがーーん!”
下っ腹にズシンと響き渡るような大音響!
突然でびっくりした。ちょうど7時30分に始まった。
高いマンションが出来て音が反響して、かなり圧倒される迫力のある響きだ。
「オイ!見に行こう」と声をかけると、「あなた一人で行ってきなさいよ」とのたまう。
「何故だ」と聞くと、楽しみのテレビがあるという。
あーあ、夢の無い奴。
「じゃあ、一人で行くぞ!」、「おいてくぞ!」、「待ってられないよ!」と一緒に行ってくれる返事を期待しつつ云うと、
いとも簡単に「行ってらっしゃーい!」とテレビの画面から目を離さない。
ビールを飲んじゃって車の運転は出来ないし・・・、しょうがないので自転車で出掛けた。
60歳過ぎのハゲ頭のワルポンが自転車に乗って一人で花火見物とは・・・。
夕方見かけた楽しそうな親子連れがうらやましい。
やっぱり一人で会場まで行くのは気が重い。
そうだ! それより、近くの小高い丘の上に出来た橋の上に行ってみようーっと!
案の定、良く見える。
2,3組の先客がいたが、暗いし誰が誰だか判らないので、気にならない。
遠いため、ちょっと小さくしか見えない上に、音が遅れてずれて聞こえるのが玉に瑕だが、音の大きさは学校やマンションにこだましてなかなかの迫力だ。
もっとも、吾妻橋や駒形橋の上で押し合いへし合い汗だくで見るビルの谷間に上がる両国の花火のど迫力には及びも付かぬが、でもでも花火見物の雰囲気だけは十分に味わえる(五感の想像力を逞しく働かせる必要がある)。
次から次と打ち上がるスターマインの菊や牡丹が大空にパッと咲きパッと散る巨大な大輪の花を、まるで太鼓でも打ち鳴らしているかのような大音響を心地よく耳にしながら、しばらくの間、ぼーっと何も考えずに眺めていた。
大音響の“どどどーーん”が響き渡ったのち、急に静寂な暗闇になった・・・。
ふっと我に返って辺りを見回すと、橋の上の見物人はいつの間にか数十人のかなりの人出。皆、アベックか家族連れだ。
何か場違いなところへ迷い込んだみたいな感じ。
俺の方が先に来たのに・・・。
自転車をひいたハゲ頭などいなそうだ。徘徊者に間違われるのではないかと・・・。
一人暮らしになったら大変だ。ばあさんでも大事にしなきゃ。足でも揉んでやるか。
そーっと、場を離れ、自転車に飛び乗ると自宅へまっしぐら、直行帰った。
リビングに入ると我が家のばあさんはテレビを見ながら舟を漕いでいた。
あーあぁ! ???
夕刻明るいうちに帰途に着いた。
途中、関宿付近の中川でも花火大会があるらしく堤防の上にはかなりの数の雪洞が立ち並んでいた。まだ、太陽も高いのに堤防の上を女の子らが友達連れの浴衣姿で足取りを弾ませながら、多分、場所取りに急いでいた。
「そう! 今日は家の近所でも花火大会があるのよ!」と同乗のワイフが声を弾ませて言う。
家の近所とは云っても会場までは直線距離で3km程度は離れている。
人出も多く、毎年1万発ぐらいは上がる地元ではかなり大きい規模の花火大会である。
近くの団地でも女の子らはみんな浴衣姿で、花火見物の準備OKである。
親子連れで、友達連れで会場へ急ぎ足。
日暮れまではまだちょっと時間があり、みんなのホッペも夕焼けに赤く輝いていた。
家に帰り着いて夕食をとった。
7時を過ぎて暗くなったけど、花火の音が聞こえない。
ビールも飲み干して食事も終えて、外はすっかり真っ暗になったのに、花火の音がまだ聞こえない。
鳴らないねえ、今日ではなかったのかな?とか話していると
“どっどがーーん!”
下っ腹にズシンと響き渡るような大音響!
突然でびっくりした。ちょうど7時30分に始まった。
高いマンションが出来て音が反響して、かなり圧倒される迫力のある響きだ。
「オイ!見に行こう」と声をかけると、「あなた一人で行ってきなさいよ」とのたまう。
「何故だ」と聞くと、楽しみのテレビがあるという。
あーあ、夢の無い奴。
「じゃあ、一人で行くぞ!」、「おいてくぞ!」、「待ってられないよ!」と一緒に行ってくれる返事を期待しつつ云うと、
いとも簡単に「行ってらっしゃーい!」とテレビの画面から目を離さない。
ビールを飲んじゃって車の運転は出来ないし・・・、しょうがないので自転車で出掛けた。
60歳過ぎのハゲ頭のワルポンが自転車に乗って一人で花火見物とは・・・。
夕方見かけた楽しそうな親子連れがうらやましい。
やっぱり一人で会場まで行くのは気が重い。
そうだ! それより、近くの小高い丘の上に出来た橋の上に行ってみようーっと!
案の定、良く見える。
2,3組の先客がいたが、暗いし誰が誰だか判らないので、気にならない。
遠いため、ちょっと小さくしか見えない上に、音が遅れてずれて聞こえるのが玉に瑕だが、音の大きさは学校やマンションにこだましてなかなかの迫力だ。
もっとも、吾妻橋や駒形橋の上で押し合いへし合い汗だくで見るビルの谷間に上がる両国の花火のど迫力には及びも付かぬが、でもでも花火見物の雰囲気だけは十分に味わえる(五感の想像力を逞しく働かせる必要がある)。
次から次と打ち上がるスターマインの菊や牡丹が大空にパッと咲きパッと散る巨大な大輪の花を、まるで太鼓でも打ち鳴らしているかのような大音響を心地よく耳にしながら、しばらくの間、ぼーっと何も考えずに眺めていた。
大音響の“どどどーーん”が響き渡ったのち、急に静寂な暗闇になった・・・。
ふっと我に返って辺りを見回すと、橋の上の見物人はいつの間にか数十人のかなりの人出。皆、アベックか家族連れだ。
何か場違いなところへ迷い込んだみたいな感じ。
俺の方が先に来たのに・・・。
自転車をひいたハゲ頭などいなそうだ。徘徊者に間違われるのではないかと・・・。
一人暮らしになったら大変だ。ばあさんでも大事にしなきゃ。足でも揉んでやるか。
そーっと、場を離れ、自転車に飛び乗ると自宅へまっしぐら、直行帰った。
リビングに入ると我が家のばあさんはテレビを見ながら舟を漕いでいた。
あーあぁ! ???