俺はワルポンだっ!

ちょいワルおやじを卒業したワルポンの斜め下から見た現代社会

『行商専用車』

2010-03-31 20:49:42 | Weblog
京成電鉄の京成本線は、京成上野と成田空港駅を結んでいます。

上野を出ると、日暮里、青砥の下町を抜け、江戸川を渡ると千葉県に入り、市川、船橋を過ぎても家並みの途切れることはありません。
それが、ユーカリが丘を過ぎるぐらいから、山や田圃の景色が多くなります。
千葉県は農業県なんですねぇ・・・

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京成電車の種類は本当に多いですよ・・・
速いほうから並べると、スカイライナー、モーニングライナー、イブニングライナー、快特(快速特急)、特急、通勤特急、快速、エアポート快速、急行、普通と実に10種類もあるのです。

このほかにも、他の鉄道会社の呼び方も微妙に違いますけど、様々です。
準特急、快速急行、区間急行、準急、区間準急、各駅停車などや、ホームライナー、ホームウェイ号、通勤ライナー、快速通勤ライナー、・・・
何んとか基準を作って、呼び方の統一を出来ないものでしょうか?

その上、京成電鉄の場合、電車の行き先が、また豊富なのです。
上りの行き先は、上野、高砂、京成津田沼、西馬込、羽田空港、三崎で、下りは高砂、京成津田沼、大和田、うすい、佐倉、宗吾参道、東成田、成田、成田空港、金町、ちはら台、千葉中央、芝山千代田の、実に18種類もあるのです。

他にも変なのが、表示では「普通」ですが、車内放送は「各駅停車」と案内していますし、朝の通勤時間帯の通勤特急・京成上野駅行き・八輌編成の最後尾の一輌は「女性専用車」で、男性は乗ってはいけません、だと・・・      


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でも、他の鉄道会社には無い、特別変わっている京成電車の驚きは、芝山千代田発午前7時46分、京成上野着9時45分の普通電車・六輌編成車輌の最後尾に“行商専用車”がついていることでしょう!

関東大震災後に、都内で食料品が不足して始まったそうです。
当時や戦後は、日に何本かの3輌編成の「行商専用列車」が走っていて、主として野菜を行商する「かつぎ屋さん」と呼ばれる農家のオバサンたちで満員だったそうです。
千葉県は農業県なんですねぇ・・・

でも、かつぎ屋のオバサンたちもだんだん高齢化して減ってしまったために「行商専用列車」は廃止され、1982年からは1日1本の列車で最後尾の「行商専用車」の一輌だけになってしまったのだそうです。

行商組合と京成電鉄との契約で、あの大きな荷物を持ち込める特別のパスを組合員は持っているのです。
入り口も通常の改札口ではなくて専用の入り口があるのです。
行商のおばさんたちの朝は早いのです。


「行商専用車」の電車が、ここ臼井駅を発つ時間は8時14分だと云うのに、出発の1時間以上も前から集まって来るのです。
自分で荷物を運んでくる人もいますが、家人に送ってもらう人も多いようです。
それに出発前の一仕事、“仕入れ作業”があるのです。

ホーム上で「まんじゅうや」と呼ばれる叔父さんから、パック詰めの饅頭や草餅、赤飯などを仕入れたり、「やおや」と呼ばれるオバサンからはホーム沿いの道路脇に止めた車に積んで来た、自分ちで準備出来なかった野菜を仕入れたり、また、仲間内でやり取りしたりと結構あたふた忙しいのでした。


行商組合の会員は今では50名弱しかいないとか・・・
一番若いA子ちゃんは65歳、最高齢は87歳のお姉さんだそうです。

野菜を作るための畑作業やら、売る商品にするための準備やらの前段取りがあるので、週に2回ほどしか行商に出かけられないのだそうです。
でも、皆さん何故かうきうきしています。
下町のお客さんと会えるのが楽しみで行商を止められないのだとか・・・

前の電車が出発してホームに他の乗客がいなくなると、積台に載った背丈ほどある荷物を背負い、両の手には大きなダンボール箱を持って電車の到着を待ちます。


窓毎に「嵩高荷物専用車」の看板の下がった車輌へ、あっと言う間に荷物ごと乗ったのでした。       


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「行商専用車」の車輌に一般客は乗れません。
慌てて、その前の車輌に飛び乗りました。
5両目と6両目の境の扉は固く閉じられていて、「この車輌は行商専用車です」の幕が下がっていました。


中の様子は見えません。
でも、お婆さんたちの、いえ、お姉さんたちの楽しそうな会話が響いてきます。

まるで、小旅行の気分のようです。

今日も良い天気で~す・・・







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