【気まま連載】帰ってきたミーハー婆㊱
正しく怖がる(後)
岩崎邦子
我が家に新型コロナワクチン3回目接種の案内が届いた。アメリカの娘の家族は、すでに3回目を受けている。そのお陰なのか、孫娘が濃厚接触者となった折にも、無事やり過ごせた。だから、ワクチン接種に関して躊躇する気持ちはない。
ネット予約を案内に沿ってするのだが、「予約会場がありません」と、何回も出てしまう。操作の仕方が悪いのかと思ったが、ファイザーの方がモデルナより、人気があるためだと分かった。副反応がファイザーの方がモデルナより軽いから、との説もあるかららしい。
2回ともファイザーだったので、私達も心情としては3回目も、となる。だが、娘が言っていたことを思い出した。あえてモデルナにする人がいて、「効能はファイザー3回より有効」だ、ということで、私達もそうすることに決心し、接種の予約を取ることが出来た。
今までのワクチン接種で、副反応が顕著に出た人もあるが、私達は腕が通常の注射よりは、痛かった程度なので、決心もついたのだが……。改めて副反応のリスクより、接種が有効と言われる根拠は何だろう。そんな疑問もあって、ネットで調べてみた。
追加接種で発症・重症化の予防効果があり、ワクチンの組み合わせで中和抗体価が異なるという。ファイザー→ファイザー→ファイザーでは中和抗体価20.0倍だが、ファイザー→ファイザー→モデルナだと中和抗体価31.7倍なのだそうだ。
ついでに、Kさんが年末に言っていた「ワクチン接種は、若い女性には問題とされる不妊になる」に関しても、調べてみた。
ヘルスケアの生殖内分泌学者であるアルバート医学博士は、妊娠を希望する患者からCOVID-19ワクチンに関する懸念をよく聞いてきた。しかし、「研究は進行中だが、ワクチンが不妊の原因になるというデータはないし、信憑性のある化学的理論もない」とし、ワクチンと女性の不妊を結びつける発言は推測に過ぎない、と否定的だ。
ヘルスケアの家庭医療専門医で、妊娠中の女性の治療と出産を担当している博士によると、「このワクチンが生殖器官と相互作用したり、放出された卵子や受精卵と相互作用したりするもっともな理由、つまり医学的・科学的メカニズムはない」とも。
次いで、感染増大や、ワクチン接種に関しての見解も見た。白井健康元気村のブログに桑原玉樹さんが連載している『腹ふくるるわざ㉔』にも書かれているが、京都大学の藤井聡先生は「感染の動向は、感染者数ではなく増加傾向で判断すべき」と、唱えられている。
その藤井先生は、ワクチン接種に迷う高齢の知り合いから相談を受けた際には「打った方が良い」と、即答されている。その理由は、社会政策の視点から鑑みても、高齢者にはワクチンを打ってもらうべき。だからと言って、個人の「接種すべきか、否かを決めるのは自由」で、制限すべきではない、との見方をされている。
ところで、先日の娘との会話で、下水中の新型コロナウィルス(濃度)遺伝子を検出し、下水集水域に存在する感染者数を推定する、という話を聞いた。これは、アメリカでも日本でもされているという。
不勉強な私である。感染者増加のニュースばかりに気を取られていて「下水を調べる」とは、初めて聞く。教えられたサイトを見ると、次のようなことが書かれていた。
伝播経路は飛沫感染や 接触感染であるが、感染者の糞便中及び下水中から新型コロナウィルスが普及している地域では、不顕性感染者も 含めたあらゆる新型コロナウィルス感染者の糞便中に排出されるウイルスが下水処理場に集積する。そのため、下水中の新型コロナウィルスを定期的に分析する「下水疫学調査」により、特定の地域における新型コロナウィルスの侵入や流行状況を把握し、流行を収束できる可能性があるという。
ふぅ~。私には全く難しいことだが、こうした研究・努力をされていることだけは分かった。
ともあれ、新型コロナウィルスはその型が次々と変化をとげている。オミクロン株の亜種で、BA1よりも感染力の強いBA2も出てきた。これからウィルスの変異はどうなっていくのか。一体、いつになったら収束するのだろうか。
2月に入ってしばらくは、オミクロン株の感染者数の多さもピークだと思う。でも、陽性者の人数が日々増える報道を見聞きすると、高齢者の活動も躊躇せざるを得ないかも。
活動の会のトップにいる人の複雑で残念に思う心境を考えれば、コーラスの会の「2月休止」も素直に納得できる。正しく怖がることの大切さを痛感し、日々の体調にはより気をつかうしかない。手仕事の布遊び、外遊びのパークゴルフには楽しく参加しながら、元気に乗り切るぞー。
【岩崎邦子さんのプロフィール】
昭和15(1940)年6月29日、岐阜県大垣市生まれ。県立大垣南高校卒業後、名古屋市でОL生活。2年後、叔父の会社に就職するため上京する。23歳のときに今のご主人と結婚し、1男1女をもうけた。有吉佐和子、田辺聖子、佐藤愛子など女流作家のファン。現在、白井市南山で夫と2人暮らし。白井健康元気村では、パークゴルフの企画・運営を担当。令和元(2018)年春から本ブログにエッセイ「岩崎邦子の『日々悠々』」を毎週水曜日に連載。大好評のうち100回目で終了した。