【気まま連載】帰ってきたミーハー婆(55)
ナンバープレート
岩崎邦子
先日、Google検索をすると、千葉県の車のナンバープレートで人気№1は「習志野」とあったので驚いた。なぜ驚いたのか。
もう50年近くも前なので時効と思うが、我が家が初めて車を購入した時、住まいは市川市だった。車庫証明の書類では「習志野」に分類される。
当時の習志野は、世間的にも「ださい」と思われていた。うーん、嫌だ。そうだ、「品川」なら、一番評判も良い。そこで知り合いに頼み、車庫のある住所で車庫証明の申請書を作ったのである。ナンバープレートは、使用の本拠地(住所地や車庫)で登録するということを利用したというわけだ。そんな画策も後ろめたく、次の車に買い替えた時から「習志野」に。
ところが、今では「習志野」が人気№1になったというではないか。ねとらぼ調査隊(ネットの気になる話題を調査するメディア)のアンケート調査(今年5月17日~24日まで実施)の結果だという。
習志野という地名は明治天皇が命名したとのことで、歴史のある地名である。高校野球で習志野高校が甲子園で活躍していた頃、日本のどこに行っても話のタネにされたという。それで人気が出たとか。ちなみに、2位になったのは「千葉」。理由は「説明しなくても千葉県と分かるから」。
関東のナンバープレートの人気度は、「品川」「世田谷」「横浜」「湘南」などが上がっている。連休の時など、住まいの来客用駐車場の車のナンバーが他県のものであると、「お孫さん連れて会いに来てるのかな?」とか、それが遠くの県だと、「はるばる訪ねて来たのね」とか、想像してしまう。
最近は遠出をしないが、16号線を走っていると「あら?」と思う。「市川」「船橋」「松戸」「柏」などのナンバーを見かけるが、今までは「習志野」だったはず……。どういうことか。
調べてみたら千葉県のナンバープレートは「千葉」「習志野」「袖ヶ浦」「野田」の4種類に加えて、前述の「市川」「船橋」「松戸」「柏」の4種と、さらに「成田」「市原」が加わって、10種に増えたのだとか。
2年前の5月11日から、全国17の地域で、自動車のいわゆる「ご当地ナンバー」の交付が始まった。松戸は「桜と矢切の渡し」、船橋は「アンデルセン公園」や「三番瀬」、市川は「梨」、柏は「手賀大橋と花火」。これらのナンバープレートがカラーであるのをネット上で見たが、「カッコいい!」ので、路上でもお目にかかりたいものだ。
そう言えば、アメリカでは各州によっても違いがあるのだろうが、カラフルでユニークなナンバープレートを数多く見たことを思い出した。
東京都も10種ある。一番人気は、昔と変わらず「品川」次いで「練馬」となり、「足立」「八王子」「多摩」の5種から増えて計10種に。北海道も7種から増えて10種となった。
ちなみに、1種だけの県(秋田、富山、福井、滋賀、京都、鳥取、徳島、愛媛、高知、佐賀、熊本、宮崎)もあるが、「京都」が1種だけということには、意外な感じがする。
車を購入した時点で、自分の希望ナンバーを申し込むことが出来るというが、我が家では縁起の悪いナンバーでなければ良し、の気持ちでいる。少しこだわりのある人は、誕生日とか、思い入れのある番号で申請している。私が見かけたのは、1188(いい母)、1122(いい夫婦)、2525(ニコニコ)がある。
縁起が良いとか、運気が上がるというナンバー3150(最高)、2574(事故無し)、8080(晴れ晴れ)などがあり、358は釈迦に由来する聖なる数字とか。もしかすると、この数字にどこかで出会うのかも、と期待してみよう。1100(百獣の王)、1107(いい女)、1103(いいおっさん)など、誰が考えたのか。そんなユニークな番号にも、お目に掛りたいものだ。
縁起の悪いナンバーに、4444(死)、9646(苦しむ)、4989(四苦八苦)、2319(ブサイク)、1818(いやいや)などがあるが、好んでこれらの番号を選ぶ人は、まずいないだろう。
ところで、日本の車のナンバープレートには、緑・白・黒・青など色の違いがある。タクシーや軽自動車も違う色のナンバープレートがあるので、気になってネットで調べてみると――
・白地に緑文字…自家用自動車、商用車
・黄色地に黒文字…自家用軽自動車 軽商用車
・緑地に白文字…営業用車
・黒地に黄色文字…営業用軽自動車
・青地に白文字…外務省用車
ということが分かった。
さて、「営業車」とは一体どんな車なのか。運送業・運搬業など、「運ぶことを業務としている自動車で、いわゆる「緑ナンバー」。運送用のトラックや路線バス、観光バス、タクシー、霊柩車なども「緑ナンバー」だって。
「商用車」はというと、コンクリートミキサー車、消防車、救急車、キッチンカーなど。これが「白ナンバー」である。社名のついた営業用の車でも、単に自社の製品を運ぶ場合は「自家用車」扱いになるのだそうだ。工事現場で見かけるトラックやダンプカーには、「白ナンバー」と「緑ナンバー」の両方を見かける。
私の免許証は、あと3年は有効であるが、高齢者であることの自覚を持ちながら運転しよう。いずれにしても、今後の車社会はどんどん進化するだろうから、その様相も見てみたいものだ。
※【お詫びと訂正】前号の「歌は人生の応援歌」で間違った記載をしている点がありました。それは次の3つです。
・印西市に巨大データセンターが集積する理由として、「関東ローム層と近くに浄水場があること」を挙げましたが、それは関係ありません。ただ「活断層がないこと」に求められます。、
・シールド工法を「新しい工法」と記述しましたが、昔からの工法でした。
・活断層がないので風水害の恐れが少ないという説明をしました。が、活断層がないことと風水害の恐れが少ないことは全く関係ないことが分かりました。
読者の皆様、申し訳ありませんでした。ゴメンナサイ。どうかお許しを。
【岩崎邦子さんのプロフィール】
昭和15(1940)年6月29日、岐阜県大垣市生まれ。県立大垣南高校卒業後、名古屋市でОL生活。2年後、叔父の会社に就職するため上京する。23歳のときに今のご主人と結婚し、1男1女をもうけた。有吉佐和子、田辺聖子、佐藤愛子など女流作家のファン。現在、白井市南山で夫と2人暮らし。白井健康元気村では、パークゴルフの企画・運営を担当。令和元(2018)年春から本ブログにエッセイ「岩崎邦子の『日々悠々』」を毎週水曜日に連載。大好評のうち100回目で終了した。