白井健康元気村

千葉県白井市での健康教室をはじめ、旅行、グルメ、パークゴルフ、パーティーなどの情報や各種コラムを満載。

傲岸非礼で無知なバイデン外交 【連載】アンディ・チャンのAC通信

2022-03-23 19:21:47 | アンディ・チャンのAC通信
【連載】アンディ・チャンのAC通信
傲岸非礼で無知なバイデン外交
No.887 (2022/3/22)
 

 

 ウクライナ戦争は長引く模様で休戦や停戦の見通しはない。西側のメディアはウクライナの人民が悲惨な目に遭っている状況を流してプーチンを非難するが、人民のためにも戦争を終結しろという主張は聞こえず、ウクライナに武器を提供して戦争を支援している。ロシア軍の損害はかなりひどいかもしれないがウクライナの各都市は戦争でボロボロになっている。この状況が続けば停戦後のウクライナは廃墟になっているかもしれないのに、アメリカはゼレンスキーにもっと戦えと嗾けている。悲惨な目に遭っているのはウクライナ人民だ。

 この戦争が終わった後のウクライナは大体4つのシナリオがあると言われている。
(1)ゼレンスキーを排除して親露政権を樹立する、(2)ゼレンスキーを温存してロシア圧力を維持する、(3)東西ウクライナに分割して連邦制度を作る、(4)ボロボロになったウクライナに中立国を作る、の4つだ。しかしこれ以上戦争が進めばボロボロになった国しか残らない。

 アメリカは左翼も右翼もウクライナ支持だが、ウクライナ人民の悲惨さを見ながら誰も停戦を言わず、戦争してロシアに勝つことばかり主張している。バイデンはウクライナ支援金をどんどん増やし、今では総額200億ドルとも250億ドルとも言われているが、バイデンの支援の内容は武器弾薬がほとんどで人道的支援や、ポーランドに避難した300万の難民に対する物資の支援はない。

 つまりアメリカはウクライナの人民に関心はなく、プーチン排除とロシアの敗退が根本的目的である。アメリカは本当に酷い国だ。自分の手を汚さないでウクライナを唆して敵国ロシアを滅ぼすつもりだ。ウクライナ戦争の根本はアメリカのNATO東進政策である。ウクライナの人民が悲惨な目に遭っていることや国がボロボロになることに関心はなく、ロシアが戦争で武器を使い果たし、経済悪化で国が衰退して弱小国になることを狙っているのだ。

 アメリカが最も恐れているのは中国がロシアに加担することである。アメリカにとって最大の敵は中国でロシアではない。アメリカはウクライナは問題にせず中国の覇権拡張に専心すべきだった。ところがバイデンはロシアを挑発し恫喝してウクライナ問題が悪化し、プーチンがアメリカの挑発に乗ってウクライナを侵攻した。プーチンが世界諸国から非難されたのは当然であるが、この紛争の根本はアメリカのNATO東進政策にあることを忘れてはいけない。

 アメリカとEU諸国がロシアに経済制裁を加えたのでロシアは経済的に困っている。アメリカは中国に対し、ロシアを支援するな、ロシアを支援すれば厳重な後果を受けると恫喝した。ロシアを孤立させるためには中国がロシアを支援しないことだ。だがアメリカの恫喝は逆効果をなったようである。

 アメリカにとって中国もロシアも敵だが、バイデンは若しも中国がロシアを支援すればアメリカは非常に強い経済制裁を加えるぞと恫喝したのである。中国を仮想敵だが今は中立を守っている。中立している中国に非礼な「警告」を二度も行ったのである。傲慢非礼よりも拙劣な外交手段である。敵意を示していない国を敵に回したのだ。

 アメリカが最も恐れているのはロシアと中国が手を組んでアメリカに対抗することである。ロシアがウクライナに侵攻したので世界各国はロシアと敵対することになった。しかし中国はロシアの味方をせず中立を守っていた。そんな時に中国を敵に回すようような警告をしたのは外交上の大失敗である。

 3月14日にホワイトハウスの外交問題顧問のジェーク・サリバンは中国の楊潔篪とローマで7時間の会談を行なった際にサリバンは楊潔チに対し、「ロシアを支持すれば世界で孤立する。中国がロシアに対し、いかなる援助をすればアメリカは直ちに厳重な制裁を加える」と恫喝したのである。これは外交ではない、最後通牒である。サリバンは中国に喧嘩をふっかけたのだ。なんとも拙劣な話で、相手がまだ敵でもない、ロシアを援助するとも言っていないのにロシア側に着くように仕掛けたと言える。

 それもまだ飽き足らず、5日後の3月19日にバイデンが習近平と電話会談を行なった際に再びサリバンと同じ恫喝を繰り返し、習近平に対し「ウクライナ紛争で中国がロシアを支持すれば厳重な結果を齎す」と警告したのだ。

 中国はアメリカに匹敵する大国である、競争関係や敵対関係もほとんど対等である。アメリカには中国に命令(厳命)することはできない。命令でなくても中国に高圧的な要求をすれば相手が反発するのは当然だ。

 バイデンが電話会談で非常に傲慢非礼な言葉を口にしたのは外交上の失敗、明らかな宣戦布告である。習近平から見ればバイデンの幼稚極まる警告は受け入れることはないのは明らかだ。しかし習近平はバイデンと言語の衝突を避けて「中国の政策は中国が決定する」と答えたそうである。この電話会談で明らかなのはバイデンの幼稚で拙劣な態度が習近平に軽くいなされたことだ。

 今回のバイデン・習近平の電話会談で中国が優位に立ったことは明らかである。習近平は明らかな衝突を避けたけれど、数日後に中国外交部のスポークスマン・趙立堅がバイデンをコテンパンに批判した。趙立堅は「現在の欧州の危機はアメリカが全責任を負うべきである。誰もが知っているようにNATO東進こそウクライナ戦争の根源である。それでもアメリカは『火に油を注いでから別の危機に移る』その上に中国の悪口を言いふらす」と述べた。

 


 
 
【アンディ・チャン(Andy Chang、台湾名=張継昭)さんのプロフィール】 1934年生まれ。第2次大戦後に台湾からアメリカに留学し帰化した。現在、カリフォルニア在住。アメリカと台湾の時事ニュース中心に独自の視点で分析してネット配信している。AC通信は週刊のメルマガで、使用言語は日本語だが、本ブログでは日本のメディアでよく使われている用語に統一することにした

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ワクチンで感染者は減るのか... | トップ | 心の元気と体の元気 【気ま... »
最新の画像もっと見る

アンディ・チャンのAC通信」カテゴリの最新記事