オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)

スピーカー工房「オーディフィル(AudiFill)」の公式ブログ。
リアルで心地よい音の【ひのきスピーカー】を製作中。

[S-072]サブウーハー試作1号機 (12/31追記)

2020年11月28日 11時32分13秒 | オーディオ
心地よい秋晴れが続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、サブウーハー試作の話を書こうと思います。



サブウーハーの試作を始めたのは、ちょうど1年前の秋。

小型スピーカーの下を補強するものが欲しいな~という漠然とした思いから、製作がスタートしました。


手持ちのスピーカーは、どれも6~10cm口径。
それらと低音のスピード感を合わせるために、サブウーハーとしては少し小さめの「16cm口径」として試作を始めました。

  

初期の試作なので、コンパネを使ってサッと作ります。
内部補強も、適当に入れてみました。

  

吸音材は、箱の中央付近に多めに入れ、
上下方向の定在波を防ぎます。






そして完成!

期待を胸に聴いてみたのですが、、、う~ん、今一つ。

ユニットは、フルレンジをベースに小改造を加えたのですが、その程度では「深く沈み込む低音」には至りませんでした。
低音の質としては悪くないのですが、期待していた「パワーのある低音が俊敏に出てくる」とは違う感じです。

あと、エンクロージャーも全くの強度不足。
多少の補強では、低音の音圧に負けてしまうことを学びました。




<余談>
実はこのユニット、FE166Enの改造版です。
振動板のセンターキャップを切り取り、【墨汁】を塗装してみました。


(塗装前)

墨汁塗装をしたFE166Enの中高音は非常にマイルド。
FEの弱点でもあるカリカリした表情は抑えられ、懐かしい質感のフルレンジを聴いている気分になります。

おそらく、ESコーンを構成するパルプ由来の補強成分が、墨汁(の水分)により一度崩され、内部損失が多いことを特徴とする「ノンプレスコーン」に近い素材に変化したのかもしれません。

ちょっと古典的でノスタルジックな音と、現代的な精密さを両立させたい時には、ちょうどよい手法になるかもしれません。


<2020/12/31追記>-----------------------------------------
Fostex FE166Enの改造で、どのように周波数特性が変わったかを見てみましょう。
以下の測定は、ユニット軸上20cmの周波数特性です。


まずは、ノーマルのFE166En。20kHz付近まで綺麗に伸びていることが分かります。
1kHz以下の帯域が少ないのは、本来バックロードホーン用のユニットであるFE166Enを密閉型の箱に入れているためです。


サブコーンを切り取ると、こんな感じに。
10kHz以上の帯域が減衰するのが分かります。


さらに、墨汁を塗った後の特性がこちら。
全体的にカマボコ型のバランスになります。聴感で「非常にマイルド」という評になったのも理解できますね。


1週間ほど放置して、再測定してみました。
そこまで大きく特性は変わりませんでしたね。

-----------------------------------------



試作1号機ということで、だいぶ遊び要素のある内容になってしまいました。
失敗して当然、という声も聞こえてきそうです(笑)

しかし、普通のウーハーを使った作例に戻るのも面白くありません。
試作2号機では、「構造剛性」に注目した手法をトライしてみました。

次回の日記をお楽しみに!







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最もウーハーに近い サブウー... | トップ | [S-072] サブウーハー試作2号... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

オーディオ」カテゴリの最新記事