オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)

スピーカー工房「オーディフィル(AudiFill)」の公式ブログ。
リアルで心地よい音の【ひのきスピーカー】を製作中。

理論+好み+プラシーボ

2008年02月27日 10時05分17秒 | オーディオ
mixi内のとある
書き込みで見つけた言葉に、
「(音は、)理論+好み+プラシーボですよね。」
というのがありました。
私も共感する所が多くあり、この日記を書く事にしました。

オーディオ界で「理論」のというのは、いわゆる『多項目に渡って存在する歪み・変調・制限』を、いかに小さく抑える事ができるかに関する事で、それに関する理系的考察だと思います。これらを研究する事で、「理論的に正しい音(ハイファイ・HiFi)」へと近づくのだと思います。
よくネット上で論戦になるのもココではないでしょうか。そして、オーディオ趣味を「音楽鑑賞趣味」でなく「信号再現趣味」として認識した場合、物理・数学という言語を用いて、理論と遊ぶ事になるでしょう。これは別に本末転倒ではなく、「オーディオ」に対する概念の問題だと思います。

次に、「好み」。こればかりは感性の問題なので、理論的ではなく感覚的な話になる範囲だと思います。オーディオ機器が各社多様な音を出すのも、「好み」が人それぞれである事の現れだと思います。そして、「好みを重視する」=「(特性でなく)聴感を重視する」という事なのかもしれません。

そして、「プラシーボ」。オーディオ界(特に「理論」を重視する考えを持つ場合)では、余り歓迎されないようです。よくプラシーボを最小限に抑えるために、『ブラインド試聴』という手法が取られます。確かに、プラシーボ対策には有効な方法だと思いますが、実際の音楽鑑賞時にプラシーボの影響から逃れる事は不可能です。面白い例として、ブラインド試聴によって選ばれた機械を購入して使う際には『これはブラインド試聴で選ばれた機械なのだ』というプラシーボが働く事になってしまうでしょう。


いずれにしろ、『オーディオ』をやっていくのに「理論+好み+プラシーボ」は上手く付き合っていく必要があるでしょう。
「理論」ばかりに囚われて泥沼に陥るのも音楽鑑賞の妨げになるでしょうし、「好み」だけを重視しても良い音への方向性を見失いがちだと思います。そして「プラシーボ」を過度に嫌悪するのも頼りすぎるのも、不安定な結果をもたらすだけのように思います。

逆に、「理論」は良い音への道標となるでしょうし、「好み」はオーディオ再生における自分の個性を発揮する所、「プラシーボ」は自分の満足度を高める手段としても利用できますね。


何事も「適度」が大切って事です。

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