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ParcAudio「DCU-F102W」(8cm 赤パーク)の試聴会に行ってきました。(3)

2012年01月11日 07時20分54秒 | オーディオ
前回に引き続き、ParcAudioから発売された「DCU-F102W」の試聴会(コイズミ無線)の話です。

今回はいよいよバックロードホーン箱での試聴です。


(三本のうちの真ん中の、背の低いヤツです)

バックロードホーンは、ユニットとの相性が非常に難しく、
下手をすると、共鳴音だらけの作品に仕上がってしまいます。

長岡先生は、「Q0とm0が小さい」という概念を提示しましたが、
本ユニットは、Qts=0.524、Mms=2.604と標準的な特性で、若干の不安が残ります。


今回、使用した箱は、FOSTEXのFE87Eの取扱説明書にあるBH箱を基本としています。



このFE87Eの箱は「FBH-008MDF」というキットとして、コイズミ無線で16,380円で売っているとのこと。webサイトにはないので裏メニュー的なものでしょうかw



この試聴会でDCU-102Wと組み合わせたのは、
音道設計はそのままに、音道の幅を1cm程度広げたものです。

コイズミ無線の山口氏は、音幅を5mmおきに変化させて作例を作ったものの、大きな差は感じられず、むしろ箱のエージング(ボンド・板の乾燥具合)によって低音の大小が決まっていると感じたそうです。

やはりBHは作成後時間がたたないと低音が出ないという認識のようで、MDFならまだしも、ラワン合板はもっとエージング期間が長くなるとのことでした。


さて、いよいよ試聴です。

一聴して、他の箱とは違った音だと分かります。
正統的なバックロードといえる、中低域のコシがあるサウンドです。
ピアノの左手は分解能が高く、ボーカルもしっかりとした音像です。

ホーンを駆動しきれていないと、大概ボンボンした付帯音がつくものです。
しかし、このユニットはそういうことなく、解像度の高い低音を聴かせてくれました。


一方で、200~400Hz前後に残響感のようなものを感じました。
この位置にピーク感が出るのは長岡BHの典型例なのですが、
本作はもう少しブロードな残響感です。

原因は、既にかなり押さえ込まれたホーン内部共振だと考えられるので、
「エプトシーラー」などを下図の適所に貼れば大幅に改善できるはずです。



BHに綿系の吸音材を使うと、低音が大幅に減ってしまう、というのは
山口氏と私の共通認識のようでした。

私の経験でも、特にスロート付近と開口部への吸音材の挿入は、大幅に低音の伸びをスポイルすると感じています。そんな中で、「エプトシーラー」という車用吸音材がBH向きだという噂があるので、次回作にはぜひ採用してみようと考えています。



序盤で、長岡公式ではBH適性が不安と言いましたが、
正直言って、最近の「赤パーク」や「feastrex」を見ていると、長岡式の例外も多々あるように思えるのです。

そこで、新たな「BH適応表」を作ってみました。
詳細は後で述べますが、m0, f0, Blから算出したものです。


このDCU-102Wをプロットすると左上に分類できたので、BH向けだと判断しています。


この試聴会で、DCU-102Wが十分にBHを駆動する力があることが分かったので、
後日、私の作例「ヘキサロード」にあるFE83Enを、DCU-102Wに変えてみようかなぁと思っています。




(DCU-102W試聴会@コイズミ無線  [終])

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