日々の事から

日々のあれこれ   by Kirari

読書記録📖

2021-08-10 20:42:45 | 
『彼女が天使でなくなる日』 寺地はるな 著 2021.8.1 頃 読了

母が事故でマンションから落ち、残された赤ん坊の娘から父は逃げ出し、遠縁の親戚が地元であるとある島で育てた千尋。
一度は都会に出たようだが、子供を預かれる宿泊施設を始め、奥さんが居ないが子供を育てている地元漁師の子供や入院して街に行っている母の代わりに預かっている子供を面倒見ている。
そこで千尋に寄り添う男性との関係性も興味があるが、ストーリーはそこを訪ねてくる育児ノイローゼの女性から始まる。
正直どこにでもある育児と仕事の両立。
ホント核家族ってだんなが協力しないと大変なんだよ。
こっちにも意地があるしな。
うちもこれ以上無理ってことで一人っ子になったし。
男女共同参画とかいう前にそういう環境整備せんとねえ。
逆に、今みたいに大きな顔してベビーカー畳まずに歩ける電車内なんて仰天環境なんだけどね。あれは横着の見本みたいなもんだから利用する側にも遠慮もあってもいいと思うけど。

千尋という人物が自分を強く持っているところに感心した。
宿泊施設の責任者なのに客に愛想を振りまかないのだ。一見、ドライ過ぎやしないかと思いつつ、泊めてもらうのに必要以上にサービスも要らんか...とも思った。

いろんな客とのストーリーもあり、地元民とのストーリーもあり。
この本も力強く、最後までしっかり読めた1冊。