最近のアニメを頑張ってチェックしたりしていますが、その多くが気持ちの悪い自意識を垂れ流すだけのアニメや動物的な萌えアニメばかりで気持ち悪いことこの上ないものだったりするので大抵は1話目であきらめてしまうことが多いのです。
―『廻るピングドラム』(公式)

で、『廻るピングドラム』なのですが、上記に上げた気持ちの悪い自意識垂れ流しのアニメでも、動物的な萌えアニメでもなく、単純に表現手段がアニメというだけ。他の最近のアニメってアニメとかネットの世界の内側のみで行われてる縮小相再生産でしかなく、確かに”濃い”のかもしれないけど、それは不快さも込みで濃縮されてたりする。それはまだ良いほうで単純にエピゴーネンなだけだったりするわけで。
もうおっさんなので最近の若い子向けのアニメの大半って恥ずかしくて見てられないのです。『エヴァ』から始まったキャラクターの自分語りとか自意識の発露がとっても悪い形で受け継がれてたりするのがとっても恥ずかしいし、何よりそれを表現する脚本も声優さんもその恥ずかしさ、居たたまれなさを存分に強化する方向に作用していて、自我の目覚めな思春期のオタクの子には良くても、それを通り過ぎたおっさんにはきつい。
もちろん『廻るピングドラム』の登場人物たちにも、キャラクターであるからにはその自我なりが描かれているんだけど、全然気持ち悪くない。その自意識の発露が単なる自我の発露じゃなくて「見られている」感というか、狭小なアニメ世界以外の空気が感じられて観ているだけで楽しいのです。そして何より病気の妹と貧乏な両親不在の家庭というべたながら強力なフックに、さらに謎というかシュールな設定が視聴意欲を引っ張ってくれます。
しかもそのシュールな設定というのは設定ばかりではなく、映像として演出で見せてくれるのが素晴らしいです。シュールな設定がちゃんと映像としてもシュールに表現されています。当たり前のことのようですが、結構設定は奇抜なのにその奇抜さに映像、演出が付いていっていない映像作品が多いです。個人的には演出というか美術ですが、病室の高すぎる天井は『ウテナ』を思い起こさせていて堪らないです。
場面転換に地下鉄の改札や回想への転換では電子掲示板を使ったり、モブがピクトグラムだったりと誰もが思いつきそうなのに思いつかなかった演出も分かりやすく楽しいです。しかもそれらが「型」になっていて、話全体のテンポを分かりやすく組み立ててくれています。これにはしっかりとした世界観、設定がきちんと作品自体に通底しているからだと思います。それはもちろん作り手たちがそれを共有できているのだと思います。
だからこそアニメとかでは珍しい「コンセプトデザイン」なんていう仕事でクレジットされているのだと思います。いや~面白い!そして格好いい!キレキレです。
―『廻るピングドラム』(公式)

で、『廻るピングドラム』なのですが、上記に上げた気持ちの悪い自意識垂れ流しのアニメでも、動物的な萌えアニメでもなく、単純に表現手段がアニメというだけ。他の最近のアニメってアニメとかネットの世界の内側のみで行われてる縮小相再生産でしかなく、確かに”濃い”のかもしれないけど、それは不快さも込みで濃縮されてたりする。それはまだ良いほうで単純にエピゴーネンなだけだったりするわけで。
もうおっさんなので最近の若い子向けのアニメの大半って恥ずかしくて見てられないのです。『エヴァ』から始まったキャラクターの自分語りとか自意識の発露がとっても悪い形で受け継がれてたりするのがとっても恥ずかしいし、何よりそれを表現する脚本も声優さんもその恥ずかしさ、居たたまれなさを存分に強化する方向に作用していて、自我の目覚めな思春期のオタクの子には良くても、それを通り過ぎたおっさんにはきつい。
もちろん『廻るピングドラム』の登場人物たちにも、キャラクターであるからにはその自我なりが描かれているんだけど、全然気持ち悪くない。その自意識の発露が単なる自我の発露じゃなくて「見られている」感というか、狭小なアニメ世界以外の空気が感じられて観ているだけで楽しいのです。そして何より病気の妹と貧乏な両親不在の家庭というべたながら強力なフックに、さらに謎というかシュールな設定が視聴意欲を引っ張ってくれます。
しかもそのシュールな設定というのは設定ばかりではなく、映像として演出で見せてくれるのが素晴らしいです。シュールな設定がちゃんと映像としてもシュールに表現されています。当たり前のことのようですが、結構設定は奇抜なのにその奇抜さに映像、演出が付いていっていない映像作品が多いです。個人的には演出というか美術ですが、病室の高すぎる天井は『ウテナ』を思い起こさせていて堪らないです。
場面転換に地下鉄の改札や回想への転換では電子掲示板を使ったり、モブがピクトグラムだったりと誰もが思いつきそうなのに思いつかなかった演出も分かりやすく楽しいです。しかもそれらが「型」になっていて、話全体のテンポを分かりやすく組み立ててくれています。これにはしっかりとした世界観、設定がきちんと作品自体に通底しているからだと思います。それはもちろん作り手たちがそれを共有できているのだと思います。
だからこそアニメとかでは珍しい「コンセプトデザイン」なんていう仕事でクレジットされているのだと思います。いや~面白い!そして格好いい!キレキレです。