―『The Last of Us PART I』(SIE公式)
『The Last of Us Part I』 ローンチトレーラー
2013年、プレイステーション3末期に発売され、批評的にもユーザーレビュー的にも大成功した『The Last of Us』(以下『TloU』)のフルリメイク作、『The Last of Us PART I』(以下『PART I』)がプレイステーション5用ソフトとして9月8日に発売されました。下馬評としては、プレイステーション4でも2014年に『The Last of Us Remastered』としてHDリマスター版が発売されていた為、不要論が強い中での発売でした。
■フルリメイクされたグラフィックや敵AI
本作の1番の目玉は2020年発売の『The Last of Us PART Ⅱ』準拠のハイクオリティなグラフィックです。プレイステーション3のグラフィックをいくらHDリマスターしたところで根本は9年前のゲームのクオリティです。モデリングはもちろんフェイシャルモーションなど9年の間に進化したグラフィックは今見ると美麗ではありつつも、古臭い印象はぬぐい切れません。『The Last of Us PART II』(以下『PART II』)のフォトリアルとコミックの間のような美麗なグラフィックをさらにブラッシュアップしたグラフィックは現行機でも最上級のグラフィックに変更されています。また、敵AIについても『PART II』のより人間的なAIに変更され、原作よりも歯ごたえのあるバトルが繰り広げられます。
■特筆すべきデュアルセンスのハプティックフィードバックと3Dオーディオと高速SSDによる高速ローディング
『PART II』よりも更に進化した点として、プレイステーション5ならではデュアルセンスのハプティックフィードバックと3Dオーディオと高速SSDによる高速ローディングがあります。デュアルセンスのハプティックフィードバックは周囲の環境に合わせた繊細な振動は近くを通るトラックの振動を感じられたり、没入感を高めます。没入感を高める点では3Dオーディオは敵の位置を音で感じることができ、さながら感染者に囲まれているシチュエーションを実体験できます。また、高速SSDによる高速ローディングは『PART II』の唯一の欠点である長いロード時間を過去のものとしています。快適。
※参考:『The Last of Us Part II』読み込み時間動画
■グラフィックや敵AIやその他もろもろを最新にしても中身のゲームメカニクスは2013年のゲームである
しかしゲームを進めるにつれて、『TloU』が如何に”ゲーム史に残る大傑作”だとは言っても、結局は2013年のゲームである点が立ち上ってきます。フルリメイクされたグラフィックや敵AIやデュアルセンスのハプティックフィードバックと3Dオーディオと高速SSDによる高速ローディングで最新の技術でフルリメイクしたところで結局は2013年のゲームなのです。2020年発売の『PART II』と比べると、ゲーム部分は古い、古臭いのです。ダッジ(回避)が出来ない戦闘、ホフクが出来ない移動、ダッシュから滑り込みが出来なかったり、アクションの幅が2013年のままです。フィールドもXY軸でしかなく、Z軸がありません。遊び比べると『PART II』の進化が際立つとともに『PART I』のシンプルさ、古臭さが際立つというか、端的に言って面白くないです。
加えて言うと、日本版はバイオレンス描写が規制されており、本作の物語が持つ「暴力性」を弱めてしまっており、本作においては規制が表現にマイナスの影響を与えています。これはやはり残念です。
■変わらない上質な物語と『PART II』への布石
久しぶりに『TloU』の物語を味わうとその端正さと完成度の高さは変わらない面白さがあります。そして、『PART II』を経た後に今一度『TloU』の物語を『PART I』でプレイすると、『PART II』の被害者から見たジョエルとエリーの視点は『TloU』の時点で既に示されていたことを再確認できました。中盤で登場するデビットはジョエルたちに仲間を大量に殺害されたコミュニティのリーダーでした。彼らが人肉食をする異常な集団である為、彼らが悪魔的にも見えますが、ジョエルとエリーの暴力性も強調されておりジョエルとエリーが単純に正義ではないことが示唆されていました。また、ジョエルはエリーがウィルスの治療薬研究に協力することで命を落とすことを知り、エリーを奪って病院から脱出します。ジョエルはエリーの協力が不要になったから帰ることにしたとエリーにウソをつきますが、ラストカットでエリーはその理由が本当であるかを念押しで確認しています。『PART II』でのジョエルの嘘が明らかになってしまう事を暗示しているようです。
面白いゲームであり、贅沢に最新技術が盛り込まれたハイクオリティゲームではあるものの、『PART II』と比べるとゲームとしての面白さは古臭くもあります。『PART II』大好き人間としては、『PART II』の悪評を聞いて手を出していない人は『PART II』を買った方が幸せになると思います。『PART II』経験済みな人で『PART II』が面白いと思った人には物足りないと思います。『PART II』の北米版を買う方が楽しいと思います。『PART II』のプレイステーション5版を期待して待ちます。
『The Last of Us Part I』 ローンチトレーラー
2013年、プレイステーション3末期に発売され、批評的にもユーザーレビュー的にも大成功した『The Last of Us』(以下『TloU』)のフルリメイク作、『The Last of Us PART I』(以下『PART I』)がプレイステーション5用ソフトとして9月8日に発売されました。下馬評としては、プレイステーション4でも2014年に『The Last of Us Remastered』としてHDリマスター版が発売されていた為、不要論が強い中での発売でした。
■フルリメイクされたグラフィックや敵AI
本作の1番の目玉は2020年発売の『The Last of Us PART Ⅱ』準拠のハイクオリティなグラフィックです。プレイステーション3のグラフィックをいくらHDリマスターしたところで根本は9年前のゲームのクオリティです。モデリングはもちろんフェイシャルモーションなど9年の間に進化したグラフィックは今見ると美麗ではありつつも、古臭い印象はぬぐい切れません。『The Last of Us PART II』(以下『PART II』)のフォトリアルとコミックの間のような美麗なグラフィックをさらにブラッシュアップしたグラフィックは現行機でも最上級のグラフィックに変更されています。また、敵AIについても『PART II』のより人間的なAIに変更され、原作よりも歯ごたえのあるバトルが繰り広げられます。
■特筆すべきデュアルセンスのハプティックフィードバックと3Dオーディオと高速SSDによる高速ローディング
『PART II』よりも更に進化した点として、プレイステーション5ならではデュアルセンスのハプティックフィードバックと3Dオーディオと高速SSDによる高速ローディングがあります。デュアルセンスのハプティックフィードバックは周囲の環境に合わせた繊細な振動は近くを通るトラックの振動を感じられたり、没入感を高めます。没入感を高める点では3Dオーディオは敵の位置を音で感じることができ、さながら感染者に囲まれているシチュエーションを実体験できます。また、高速SSDによる高速ローディングは『PART II』の唯一の欠点である長いロード時間を過去のものとしています。快適。
※参考:『The Last of Us Part II』読み込み時間動画
■グラフィックや敵AIやその他もろもろを最新にしても中身のゲームメカニクスは2013年のゲームである
しかしゲームを進めるにつれて、『TloU』が如何に”ゲーム史に残る大傑作”だとは言っても、結局は2013年のゲームである点が立ち上ってきます。フルリメイクされたグラフィックや敵AIやデュアルセンスのハプティックフィードバックと3Dオーディオと高速SSDによる高速ローディングで最新の技術でフルリメイクしたところで結局は2013年のゲームなのです。2020年発売の『PART II』と比べると、ゲーム部分は古い、古臭いのです。ダッジ(回避)が出来ない戦闘、ホフクが出来ない移動、ダッシュから滑り込みが出来なかったり、アクションの幅が2013年のままです。フィールドもXY軸でしかなく、Z軸がありません。遊び比べると『PART II』の進化が際立つとともに『PART I』のシンプルさ、古臭さが際立つというか、端的に言って面白くないです。
加えて言うと、日本版はバイオレンス描写が規制されており、本作の物語が持つ「暴力性」を弱めてしまっており、本作においては規制が表現にマイナスの影響を与えています。これはやはり残念です。
■変わらない上質な物語と『PART II』への布石
久しぶりに『TloU』の物語を味わうとその端正さと完成度の高さは変わらない面白さがあります。そして、『PART II』を経た後に今一度『TloU』の物語を『PART I』でプレイすると、『PART II』の被害者から見たジョエルとエリーの視点は『TloU』の時点で既に示されていたことを再確認できました。中盤で登場するデビットはジョエルたちに仲間を大量に殺害されたコミュニティのリーダーでした。彼らが人肉食をする異常な集団である為、彼らが悪魔的にも見えますが、ジョエルとエリーの暴力性も強調されておりジョエルとエリーが単純に正義ではないことが示唆されていました。また、ジョエルはエリーがウィルスの治療薬研究に協力することで命を落とすことを知り、エリーを奪って病院から脱出します。ジョエルはエリーの協力が不要になったから帰ることにしたとエリーにウソをつきますが、ラストカットでエリーはその理由が本当であるかを念押しで確認しています。『PART II』でのジョエルの嘘が明らかになってしまう事を暗示しているようです。
面白いゲームであり、贅沢に最新技術が盛り込まれたハイクオリティゲームではあるものの、『PART II』と比べるとゲームとしての面白さは古臭くもあります。『PART II』大好き人間としては、『PART II』の悪評を聞いて手を出していない人は『PART II』を買った方が幸せになると思います。『PART II』経験済みな人で『PART II』が面白いと思った人には物足りないと思います。『PART II』の北米版を買う方が楽しいと思います。『PART II』のプレイステーション5版を期待して待ちます。
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