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なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

カメラを止めるな を観た

2018-08-26 | 備忘録
『カメラを止めるな』を観た。

映画自体はゾンビ映画であり、メタ映画であり、
お仕事ものであり、家族愛であり、クリエイティブを描いた映画だった。(そしてお祭り映画だ)
文句無く面白いし、感動するところは感動した。(家族愛とクリエイティブの点)
ただハードルは上がりまくっているのでそことのギャップは埋めがたかった。

面白いは面白いし、文句も付ける気もないし、これは文句を言う方が野暮だと思う。


以下、感じたことを。

出演している役者さんも舞台っぽいお芝居をするが内容もとっても舞台っぽかった。
原案が舞台劇だから当然なのだけれど、面白いし笑ったけれども映画的な愉悦があるかというとちょっと違う。

前半のワンカットが出題編で、出題編で何故ああなったのかの解答編になっているからか、
前半のゾンビ映画シーンは正直テンポが悪く(作劇上の意図があるとは言え)、
思いの外にゾンビ映画なのでグロ描写も多く、満員の劇場から数組途中で退出していた。

ツイッターとかで指摘されてたけど、『ラジオの時間』は
生放送でのトラブルをアドリブで切り抜けていく(切り抜けられているとは思えないけれど)
お仕事モノであり、クリエイティブを描いた映画だったりする。
またある種『カメラを止めるな』の出題編と解答編を同時平行で展開している映画でもある。

加えて、デヴィッド・フィンチャーの『ゴーン・ガール』なんかは
『カメラを止めるな』同様、前半が出題編、後半が解答編という構造を持っている映画だ。

何が言いたいかと言えば、『カメラを止めるな』の構造は
そんなに目新しいものではないということで、
面白かったけれど、ハードルが高すぎたなぁというのが感想です。

ただ、SNSの口コミから話題になり、テレビでも取り上げられ(NHKのニュース番組まで!)たことで、
多くの劇場で平日も満員回が続出しており、映画の柔らかい雰囲気も相まって
昔の映画館にトリップしたような一体感を得られる心地よい体験が出来る。
大人も子供も一緒になって劇場で笑える映画なんて今時めったに無いことだと思う。

少しでも興味があれば、観客が多い今のうちに
劇場で鑑賞することをお勧めする。
一人で家でDVDで観たところで、この映画の祝祭性は大幅減になってしまうと思う。