NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

お菓子がスキスキ、スガシカオ

2009-08-31 | 休み
アルバムの『SMILE』あたりからちょっと縁遠くなってしまいました。”スガシカオっぽい曲”を書くアーティストっぽくなってしまったような、要は自己模倣と言うか、スガシカオが書きそうな詩を書きました、それも時々ポジティブ入れて、って感じがどうにもあざとく思えて。『TIME』からはレンタルで済ますようになってしまってました。悪いとは思わないけど、ゾクゾクさせてくれないというか。

佐野元春のザ・ソングライターズ(NHK)

楽しみにしてたワークショップ。学生の人の詩は面白いものが多くて良かったですが(あの帝京の学生はいったいいくつなんだ!?)でも詩であって歌詞ではないというところがさださんのワークショップの時とは違ったのが残念でした。あの時は数小節分だけではあったけれど、一つのテーマを提示して曲までつけていたので。その手法の一端まで分かったし。主題や思い込みから”外す”ってのはあるかもしれませんが。


シカオちゃんへの詩ではカタカナが多いのに(意味性を除去するために。芸名のスガシカオと万葉集から由来する本名の菅止戈男との差と言うか、”戈”(ホコ)が転じて”戦争”の意。つまりは戦争を止める男という如何にも左翼インテリゲンチャなお父さんが付けたあまりにも壮大なジョン・レノンじみた名前はやっぱり重そう。)なんで歌詞に出てくる神様は漢字なのか、シカオちゃんにとってどういう存在なのか、という問い。

私の中では神様は”カミサマ”なんですが、と。ただカタカナの”カミ”様ってあんまり言わなくね?いや、質問者的には無宗教だから意味透明ってことなんだろうけど、それに比してシカオちゃんの答えは宗教を持っていないことを前提として提示した上で、神を「得体の知れない自分の中にある良心」みたいな絶対的なものだから、それには嘘も付けないし後ろめたい生き方な自分からは恐い、と。その絶対性が漢字の”神様”ってことのよう。

売れることでの様々に受け取られることについて聞かれ、誰かに聴かれると言う事を商業主義的な反発から暗に避けていたみたいだけど、2000年ごろから考え方が変わって聴いて欲しいと、人が聴くってこと人に影響を与えるってことを意識して曲を作るようになったとか。2000年の『4Flusher』収録の「波光」とか「そろそろいかなくちゃ」とかまさにその意識の変化を体現してる、ような気がします。『SMILE』以降ファンが増えた一方で離れたファンも多いわけで。



例えば、別れの歌で比べてみると。
「グッド・バイ」-スガシカオ(『SWEET』1999年)


「サヨナラ」-スガシカオ(『SMILE』2003年)




もちろん大枠が「別れの歌」というだけで、中身は全く異なるけれど全く感じ方が違う。音が全体的に軽めのシャカシャカした感じになってそれだけでも大分印象が違うけれど、肝心の歌詞もそれまではどこか客観的で聴き手の感情を乗せにくい感じであったのが、より主観的な感じの聴き手の感情を乗せやすい詩になってる気がします。「これが欲しいんだろ?」的な。


で、客観的な視線を意識してから曲も変わったけど、見た目まで変わって渋谷系ライクなセルフレームにパーマという真山スタイルだったのが段々といわゆるお兄系のぎらぎらしたファッションに。まぁだからこそ若い女子も付く訳で、マスに聴かれるにはそれなりに受け入れられるスタイルにする必要は確かにあるものね。でも、ちょっと寂しいなと「コノユビトマレ」とか「Party people」とか聴くと余計に思うんです。



それにしても次週予告の矢野顕子さんの回の聴講学生の少なさ。そりゃこの面子では若年層に一番知名度は無いだろうし、チャート的なものとはここ数年無縁だけどさ、ミュージシャンというかレベルは随一の人じゃん、何なのあの閑散さ。学生、酷すぎ。

スプリット

2009-08-30 | 休み
A STATEMENT FROM NOEL(Oasis News)
28 August 2009
"It's with some sadness and great relief to tell you that I quit Oasis tonight. People will write and say what they like, but I simply could not go on working with Liam a day longer.
"Apologies to all the people who bought tickets for the shows in Paris, Konstanz and Milan."
(上記サイトより引用)


Oasis終了のお知らせです。Noelの居ないOasisは肉の無い焼肉。リスクヘッジって言ったらおかしいけれど、ほとんど全ての曲を、しかも代表曲は特に、全てNoel一人に任せてきてしまったことのツケが回ってきちゃった感じかも。

OasisというブランドはNoelあってのものだし、一応ヴォーカルはLiamだけれど別にLiamである必要は個人的にはあまり感じません。というか、むしろNoelの枯れた感じのヴォーカルの方が好きなのでこれは逆に良かったかも知れません。

サングラスかけてますからね、

2009-08-29 | 休み
たぶんBS2かなんかのライブをきっかけに聴いた『Blue selection』というそれまでの曲をジャズアレンジしたライブ盤が初めての陽水さんでした。うすぼんやりとは知ってましたが、初めてちゃんと聴いた陽水さんは。


「LIFE 井上陽水~40年を語る」(NHK)


陽水さんの40年を陽水さん自身がチョイスした言葉とともに、陽水さんのインタビューを中心に過去のライブ映像などや関係者のインタビューなどを絡めて語ってゆく、という内容と中だるみということで第3夜で急遽インタビューからリリーさんとの対談形式を中心にするという形にしてしまう。陽水さんの「変な人」具合を浮かび上がらせる感じに。そういう”体”かもしれないけど。


陽水さんの独特の歌い方がジョン・レノンのそれからの影響っぽかったり、散文的でどこと無く意味の通じない、一貫してそうでしていない不思議で連想的な歌詞の雛形がボブ・ディランだったとか。歌い方もっぽい。しかもサングラスも?ディランは「Like a rolling stone」とか「Blow in the wind」くらいしか知らなかったぼくでも”っぽく”て面白く。みうら先生も太鼓判の”っぽさ”。

そこに麻雀仲間な無頼な人たちの影響が、特に言及された阿佐田哲也の影響が加わっていって、虚と実を明確にしないことの”素敵さ”を意識してそこを留保してるみたいなことを。だから「少年時代」の冒頭「風アザミ」という存在しない単語をして「別になんか、辞書にない言葉を歌詞に使ったら禁固10日ですとか、そういう法律もないわけですから(笑)」みたいなことを言ってしまえる。


「きちんとした進み方に反発を感じてたと言うか、何かつまらないと言うか、何かつまらないと言うかね、変わった方が良いなぁと当時思ってたよね」


そして本来からの気性なのかとにかく強烈なまでの反普通、アンチ普通の精神があって。対談に1時間以上遅刻したリリーさんを逆に評価したり、歯学部受験のための浪人も、予備校にも行かず前日くらいは勉強しようと思ったけれど面白いテレビがあって…だからこそのアンドレカンドレ名義のデビューで、フォークすら選ばなかったのやも知れません。まぁ、どこまで本気かは分からないですが。

その割には”変な人”というパブリックイメージについてはそんなに素直に受け入れがたそうなことを言ってみたり。ちょっとした日常会話なんかにも意味性を見出そうとする周囲の人に辟易しているようで、でもどこか周囲の井上陽水像をかろやかにもて遊ぶのを楽しんでいるようにも聞こえました。若い人にメールをする時に絵文字を使うというエピソードも素直に絵文字ということでも無いような。



「決められたリズム」―井上陽水(youtube)




こんな変で素敵な歌を書くこんな変なおじさんがニッチじゃなくてマスで売ってるのがすごい。アルバムアーティストではあるけれど。社会が陽水さんを切り捨てなかったからこそ、ぼくみたいな世代も昔の曲も聴く事ができるし、こんな素敵で無駄に長い番組を観ることができたんだと思います。

SMAP、シングル、詩がスガシカオ

2009-08-23 | 休み
佐野元春のザ・ソングライターズ(NHK)

さぁ、今週はシカオちゃん。聴講している学生の女子の多いこと多いこと。小田和正さんとか比じゃないくらいに目に見えて女子が多い。そうだよね矢野さん含めてもあの中では若年層に一番知名度があるものね、けっ。シカオちゃんは詩に言及されることが多いのでそんなに期待しては無かったんだけど、結構初耳な話が満載で面白かったです。

リンゴ・ジュース-スガシカオ


一番印象的だったのは「リンゴ・ジュース」の話。一つは時代的な文脈から発売中止になってしまったと言うことと。スマップもアルバムでカバーしてるのに。シングルカットするつもりだったんだろうか。あともう一個はこの曲の契機が日韓友好年系の話題から生まれた疑問って言うのが合点がいった。寓話としか取れない不穏な詩世界で、一人の被虐者と複数の加虐者が不穏な会話をしてるって歌だけれど。

別に従来的な左翼的アプローチからではなくて、おそらくは渋谷から荒川に引っ越して初めて見えてきた部分から、過去の被虐者と加虐者の現在にも残るわだかまった関係性を元に単純に寓話として作っただけなんだろうけど。過去の被虐者に復讐されることに猜疑心を抱かずにはいられない加虐者っていうフレームで聴き直すと、聴き慣れてはいても非常に新鮮に聴こえた。これが荒川効果か。


「黄金の月」に関しては裏ビートに強い母音を持ってきたこととかのあのグルーヴ感の説明が面白かったです。まぁシカオちゃんの楽曲全般だけど。ラブソングを書きたくなかったって言うのはそのままリスナーに返ってきて、ぼくなんかもラブソングばかり聴きたくなかったので自然とシカオリスナーに。オザケンとか極まってしまっている人は別にして、定型句のように使い古された言葉で愛とか友情とか言われてもポカーンだよ。来週のワークショップだなんて羨ましすぎ。

おぉ、未来

2009-08-20 | 休み
甲子園を観てると土曜の午後6時になりそうに。6時から「週間こどもニュース」なので続きは教育テレビでというアナウンサーの説明とテロップ。だのでチャンネルを変えようと思ったら、テレビがチャンネルを自動的に教育テレビに切り替えたのビックリする。どうやら自動継続と言う継続する番組なら自動的にチャンネルを変えてしまう機能らしい。今は21世紀なんだぁ。


そしてなぜ応援するチーム、チームがことごとく9回で逆転されたり、サヨナラ負けするんだろ。まさに未来。