ＥＬ発声法 声を再び

ついこの間郵便物を整理したと思っていた先輩からＡ4の冊子が届き愕然とした。
丁寧に便箋2枚にこれまでの彼の人生が、昔と全く同じ文字で書かれて有った。
この間と思っていたが、振り返って見るとブログ日付は9/5の事だった。既に3か月も経っていた。

ジャカルタ→ バンコク→　バリ→　北京　→　巴里　→　上海　→　那覇　→　成田　と
転勤が続き2000年前後は取締役社長兼総支配人となっている。

鶴のマークのホテルなので世界中に有るのだが、明るい出世コースを歩いていたのだ。
小柄だが頭が良くて、性格も最高に良い方だった。笑顔しか思い出せない。
大学も法学部卒業なのでお仕事上でも、あますことなく能力を発揮したに違いない。

10年程前に、高校のバレーボールＯＢ会が有った際、チームメートから「彼は今成田勤務ですって」
と聞いた事が有ったので「お会いしたいなー」と思ったまま日々の忙しさに明け暮れていた。

現役中に食道癌に侵されている。

病歴は　2001年6月 食道癌による胃の吊り上げ・食道再建

　　　　2001年10月 下咽頭癌による喉頭全摘・空腸移植

　　　　2002年1月 社団法人銀鈴会入会

　　　　2004年11月 ＥＬ発声全国大会初代全日本チャンピオン

と記されている。
あんなに明るい良い方が凄まじい闘病生活を送っていたとは。
ショックで、お手紙をしたためようにもペンが進まない。

「Ｍちゃんのお近くに、私と同じ病で声を失った方がいらしたら本を見せ、勇気づけ励まして・・・・・」と
彼らしい優しい文章が記されて有った。

現在は体調も極めて良好で大家族(8人)で賑やかな生活をしている・・・と。
私より4歳年長だから未だ未だお元気な盛りと思われるが、障害が現役のお土産になってしまったとは。

小生が生まれて初めて出版した・・・・と書かれている「ＥＬ発声法　声を再び」とは皮肉な事だ。

60歳も過ぎれば、誰も皆病気を抱えたり、泣き所と言われる体調の変化も有りましょう。
ハスキーな声で明るく後輩を励まして下さった先輩が、まさかの状態だった。

それでも現在お元気で生活されている事に、かすかな喜びを感じながら・・・いつまでも
お元気で同病の方達を励まして欲しいと。昔とは逆に私が励ましたい。

ファイト、ファイト、先輩