24年間でさようならクルーズとなるのは早過ぎないのだろうか。未だ未だ十分使えそうなんだけれど。ふじ丸は、修学旅行や会社の研修等で貸し切り(チャーター)のクルーズが多かった。私の娘は高校の時、東京都の事業で中国へ高校生同士の交流企画でお世話になった船。当時は未だ中国の経済も十分では無く、子供達が持って行って良いお小遣いも低く設定されていたし、着る物等も華美にしない様指導されていた。
北京市内のセレブな高校生との交流だったそうだ。それから彼女は中国が好きになったのか?映画「ラストエンペラー(紫禁城)」を観たり、実際中国語学科に進学し、数回留学をしたりした。
てっきり中国の企業に就職でも考えているのかと思った。
現実は全く普通のOLになった。娘の気持ち。
息子は、オーストラリアに連れて行って貰った。楽しかったらしいが余り話してくれなかった。
東京都は、高校生にも力を入れてくれていた。都内の市区町村から数人ずつ集まり、晴海ふ頭から出航して行った。フレッシュ高校生の夢や希望を乗せて・・・・。
グループを作りいろいろレクリエーションをしたり楽しかったのだろうとは思うけど、現地ではどうだったのか等、娘程は話してくれなくて、待っている母としては淋しい物が残ったっけ。
まあそんなご縁の有った「ふじ丸」がついに最後のお勤めの日が来た。
5年前に、にっぽん丸で、世界クルーズをした際に、後期高齢者(多分)ご夫妻に出会い、初対面にも関わらず、クルーズ慣れしていたお二人は、私に随分と優しくして下さった。お陰で最初から全く不安を感じる事無く100日間地球を回る事が出来た。
下船してからも「又ご一緒しましょう」と何回か誘って頂いたが、孫達も居るし、自分自身も忙しく過ごしていたので、機会を逃していた。今回は船のさよならクルーズと言う事も有り、ご一緒する事にした。岩手のI子ちゃん(前クルーズで親しくなった)もご夫妻からのお声がかりで、喜んで、参加する事になった。
どんな船旅になるか、たった一週間なんだけど、ふじ丸を労って上げたい気分。懐かしい東京・晴海ふ頭からの出航。
何とかベランダのヒマワリが咲き、見送ってくれる。トランクは、4日前往復の送り状を付けて黒猫のおじさんを待っている。そして私のキャビンで一足先に乗船し今日私を待つ。この送り状が有れば、寄港する時も船内のフロアーに置いておけば、自動的に自宅に届けてくれる。
「大鹿村お花」
むらさきつゆ草