あきらの稽古日誌~合唱、日本舞踊、ETC

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

芝居のメッセージを表現する

2012-12-24 09:59:21 | 日記
「お金を返せ!」、「てる」が、必死に「田口」に迫る。
「田口」、せせら笑う。
「てる」、ついに土下座して、涙ながらに「返して下さい」と懇願する。
その後の「伸枝」の台詞に注目。

「よしなよ、てるちゃん。立って、さあ、立って。」

ディレクターは、この台詞に、この芝居のメッセージ性を見る。
「てるは、ここで、生涯かけて貯めた唯一の生きがいともいえる金に対する執着を見せる。
しかし、伸枝は、てるの必死さには、(感情的に)ついていけない。
でも、てるの泣き声を聞いて、いたたまれない気分になる。
将来の確固たる見通しもなく借金を繰り返し、日々をしのいでいる伸枝が、てるのこの姿を見た時に、心に去来するものは、何か?
ディレクターは、一語一語絞り出すように、ポツポツと語る。
《伸枝には、てるの姿が耐えられない。
しかし、金の亡者となった「てる」に対し、毅然と、冷静に、ちょっと冷たく見える雰囲気で、「よしなよ、てるちゃん。・・・」
ここでは、「伸枝」は作者の代弁者である。
そこには、「てる」の生き方に賛成できないという作者のメッセージが、示されている。》と。

ここまで掘り下げるんですね。
ディレクターの言葉には、いつも感銘を受けます。

てる「返してください。」(左から田口、てる、伸枝、待子)


伸枝「よしなよ。てるちゃん。・・・」

パソコンがダウン

2012-12-20 07:23:20 | 日記
今週月曜日に突然、今までのパソコンが起動しなくなり、今日やっと新しいパソコンに住み替えができました。
18日の稽古では、久しぶりに「上野」が登場しました。
②―2、peace12 「上野」が最初に登場する場面。
久しぶりに稽古を見に来てくれたMさんがビデオを回してくれました。

「上野」のビデオの観察結果:
・立ち姿が悪い。腰が曲がって背中が丸くなっている。
・歩き方がノロノロしている。
・表情が、始終ニヤニヤしている。
・アクションが小さく、スローモー

ビデオの映像は、すごく刺激になります。
何回も見て、不格好な姿を頭に焼き付けます。
―――
デレクターのコメント:
前よりもだいぶ良くなっている。
が、ひとつのタイプを作るとそれに寄りかかってしまう。
それから抜け出して、もっと・・・。
―――
まあ、一歩前進ですか。

「あなたをボケ老人だなんて言ってませんよ」
(左から、「上野」、「田口」、「伸枝」、「てる」、「待子」)

「バカラの資金に二千万円は、多すぎるだろう!」

喜劇はすごく知的

2012-12-12 09:51:52 | 日記
ディレクターの言葉から(ちょっと私の主観も入っているかもしれません):
喜劇には、劇の進行とともに知的な仕掛けが積み重なっていく。
セリフの裏には、その積み重なった仕掛けを踏まえた意味が隠れている。
その仕掛けが、観客の皆様にはっきりわかるように演技をする。
そうしてはじめて、皆様の胸の中にジワっと笑いがこみ上げてくる。
これが喜劇の醍醐味。
---
喜劇を演じる重要な点、もうひとつ。
会話のテンポ→軽快に、ポンポンと調子よく、相手との掛け合い、絡みを濃厚に。
しぐさ、所作は、実生活よりは、相当オーバーに。
動きを多く。(でも、無駄な動きや意味不明の動きはダメ)
これがほんとにむつかしい。いえ、私自身のことです。

てる「まさか、二千万円なんてあるもんですか。二百万円よ。」
(左から待子、田口、てる)


警官「モデルって、あなたがファッションショーのモデル!?」


待子{二千万円って、どのくらいになるの。」
てる「これくらいよ。」
一同「ふーん、このくらいねえ。」(左から警官、待子、てる、伸枝)

また一幕一場から

2012-12-10 16:03:28 | 日記
7日の稽古は、最初に戻って始めからです。
この日の登場人物は、金銭にシビアな主人公「てる」、訪れた「新聞の集金人」、そして入れ違いに訪れた古くからの友人の「伸枝」の3人。
みんな、セリフが頭に入って、なめらかに会話が進行します。

ディレクターのダメは、さらに細かいところに入っていきます。
・会話の絡み合いをもっと濃密に。漫才のボケとツッコミをイメージして。
・3250円きっかりの新聞代は、予め用意してあって、サッと渡す。→金銭にシビアな感じ。
・部屋のカーテンを開ける。→喜劇の幕開けにふさわしく、明るくキビキビと豪快に。
・息せき切って入ってきた「伸枝」に「がぶっと飲んで、年寄りは枯れ木だから、水が一杯必要なのよ。」→象徴的ないいセリフ。
・伸枝が850円で買った古着、「てる」の倹約精神を大いに刺激。興味津々。
・五十年も前の「伸枝」の結婚式の思い出を語る場面。→内容は過去形だが、気分は現在形。ウキウキした気分をダイナミックに。

面白い芝居になりそうです。


「希望にもえる老人」の所作

2012-12-05 19:10:37 | 日記
昨日は、私の出番は、もうありませんでした。
でも、見どころ一杯でしたよ。
芝居のフィナーレに向かう主人公「てる」が、ダメージから立ち直って新たな目標を見つける。
老人らしく、しかも希望に胸を膨らませて、場の雰囲気をマイナスからプラスに一気に高めていく、東の空にまさに朝日が昇ろうとするような緊張した場面。
てる:「まかせて、あたしに。こうなったらなんだって、やってみる価値あるわ。」
「てる」は、ファッションショーに希望を見出す。
この瞬間の「老人らしく」、しかも「輝かしい未来が見えた!」を表す動き。
この動きが長い時間をかけて試行されました。
主役のTさん、なかなか苦戦の様子です。
この日、私は、ビデオがあったらなあと後悔しました。
次回は、なんとかお手伝いしたいです。