イージス艦の事故に関するニュースは収束を向かえた感じである。
しかし、昨日清徳丸の操舵(そうだ)室の一部とみられるものが見つかったことを考えればこれもおかしな話に思える。
むしろこれから本当の原因究明がなされつつあるのではないか、それに関して充分な報道がなされるべきではないかと思われるのだが、一気にこのニュースが忘れ去られそうで残念である。
先日のサンデー・プロジェクトでは共産党の小池という議員が「真相究明」が「事故の真相究明」から「石破防衛大臣の真相究明」に移ってきていると言っていたがこれがまさしくマスコミや野党の狙いなのではないか。
つまり事故の真相究明というのはしたくない、むしろ防衛省の混乱だけをとりあげることによってこれを政治問題化して自分たちに有利な状況を作り出したい、ということである。
実際、内閣支持率も下がっているようだ。
ちなみに自分にはどうも清徳丸があたごをよけようとしてあたごの進路を横切ったことが事故の原因ではないかと思える。
つまり右手前方にある船がどういうふうによけてくれるか、というより、どのように進路をとるかというのはあたごには予測しきれなかったということであろう。
こうしたことには一切触れたくないようであることは、たとえば朝日の社説をみても明らかである。
2月27日の社説にはこうある。
私たちはこれまで社説で、石破防衛相の責任は重大だと指摘してきた。自衛隊の中で何が起きたのか。その事実をきちんとつかんで、国民や国会に説明できなければ、防衛相として失格である
ここでは防衛省の発表が二転三転してきたことを批判しているわけだが、自分たちに関しては「石破防衛相の責任は重大だと指摘してきた」としている。
たしかに22日の社説ではそのことを主張しているが「してきた」というのがあたるかどうかは疑問である。
「してきた」というと何度も主張したかのようなニュアンスがあるが、自分が知る限りこれ以外で朝日がそのことを主張したかどうかははっきりしない。
すくなくとも20日の社説ではそのようなことは主張してはいないしニュアンスもかなり異なっているように思われる。
その時点では情報は入っていないわけだからある程度の主張の差はあるだろうが、防衛省の説明の迷走ぶりを糾弾するほど朝日が首尾一貫した主張をしているかどうか。
いろいろな点で微妙に主張を変えていると思われることはないわけではないが、まず航海長を呼び出して石破などが事情聴取したことについて数日前の夕方のニュースでは大谷と言う人がこのことだけでもとんでもない、大臣は辞めるべきだと言って激怒していた。
ところが報道ステーションでは堀田力が事情聴取したことは仕方がないと言っていた。
その場で古館は反応しなかったけれども、ここには報道する側にもぶれがあるというべきだろう。
サンデープロジェクトでも田原は事情聴取は仕方がないと思うが、海保に連絡しなかったのはまずいといっていた。
その連絡に関しても混乱しているようであるが、第一、誰か当事者を呼んで防衛省幹部が事情を聞かないで一体何を発表できるというのか。
朝日は早く真実を明らかにさせろとわめき続けていたわけだから、その批判をかわすためには誰か当時者を呼んで事情を聞くしかないだろう。
そのくせ朝日や野党はこれをもってして、「口裏あわせ」だの、「情報隠し」だのわめき続けるわけだが、一体なにをもってそういっているのか。
だいたい口裏あわせできてないからこれだけいろいろな情報が出てきて混乱しているということではないのか。
また古館は艦長を顔を出して会見しろ、と言っていたわけだが、先週明けには「民間だったらさらされる」だの「実名を出せ」だの微妙に主張を変えていた。
「さらされる」とはなんなのかよく分からないが、ようするに犯人扱いですね。
むろん刑事で責任を問われる可能性もあるわけだが、だいたい新聞社などが会見を開く前でも艦長の名前を把握してなかったのかね。
あれだけいろいろ情報を流していたのに艦長の名前を知らなかったなんておかしな話で、いかにも防衛省が隠してるみたいな印象を与えるのはおかしいだろう。
古館があまりにうるさいので艦長は出てきたわけだが、あの会見だってそんなに長いわけでもないのに、ノーカットで放送されたわけでもない。
しかも報道ステーションはあのときの顔を大写しにして特大パネルを展示していたが、あんなことをして肖像権の違反ではないのか。
報道ステーションでは元自衛官が陸に近づいてくると「飲みにいくべ」という話をしていたと証言していたが、なんでその自衛官は匿名なのか。
艦長も出たんだからその人の実名も出すべきだろう。
テレビや新聞はネットと違って信頼できるというのなら誰がそういう証言をして、いつ誰がそんな話しをしていたのか全部実名出せよ。
いろいろその他にも書きたいことがあったと思うが忘れてしまった。
ちなみにこの人の日記こちらですの最後の部分を読んでいるとかなり過激なことが書かれている。
「漁師をなめてかかっているような、海上自衛隊の馬鹿どもは、必ず地獄へ落ちるだろう」という言葉には正直驚かされた。
その日記は漁師が農民と比べて頭がいいとかどうとかいうはなしで、他の日記にはテレビなどの感想や学会の醜聞の類などが書かれている。
これが東大という最高学府の教授の文章とは驚きだが、『文学部唯野教授』のモデルともうわさされる人らしいからそんなもんなのかなと思ったりもする。