今現在荒川の堤防のかなりの部分が立ち入り禁止になっている。
柵の写真を撮ったのだが、そこには工事の連絡先などが書かれているようだ。残念ながらぼけていて具体的に確認することはできない。しかし場所的なことなどを考えると、「足立区土木部」がやっていることだと推察される。
その前提で言わせてもらうがこんなことをやっているのはとんでもない話である。
一番問題なのはなぜ護岸工事が必要なのかまるで分からないし、このような工事が行なわれるということを広報などで知らされた気配が自分が知る限り全くないことだ。
この工事の必要性を全く説明せずにこういう公共事業をやっているのは実にとんでもない話だ。
すでに進行中の工事を見た限りでは堤防の一部が削り取られ、しかも川にどんどん土嚢が埋められている。
この工事で行なわれていることはありていに言えば荒川を埋めている作業と堤防を崩す作業である。
こんなことをやって河川が増水した時の対策になるのだろうか。
どう考えても逆であろう。
最初に荒川と書いたが、これは正確には「荒川放水路」と呼ぶべきものであり、大正時代に水害を防ぐために掘削されたいわば人口の川とでも言うべき川なのである。
最近では金八先生のロケ地として有名だが、その反対側からこのような工事をやっているのは非常に悪意的なものを感じざるを得ない。
このあたりを歩いていて石の中にある焼き印のようなものを発見したのだがすでに少なくとも1992年にも護岸工事が行なわれ、巨大な石の固まりを川に埋め込むことによってすでに川幅は狭まっているのである。
年度末になるとあちこちの道路で工事が始まり道路が渋滞するということをタクシーの運転手さんから聞いたことがあるが、ようするに東京でも必要性を疑われる公共事業がどんどん行なわれていて、それを都民は黙って見ているということである。
へたをするとそういう実体には全く気づかずに地方の公共事業を批判したりしているわけである。
これは足立区がやっていると思うのだが、それならば足立区はこの工事の必要性を広報等できちんと説明すべきだ。
基本的に河川の管理は国が行なうものだと思っていたが、とにかくどこがやっているのであれこの工事の必要性を説明すべきだし、その場合でも足立区は説明すべきだと思う。