先日の安倍首相辞任やテロ特措法に関する議論などに関しては実に馬鹿馬鹿しいかぎりだが、一つだけ確かなことはこれで小沢一郎の政策秘書に関するものも含めてスキャンダルめいたことに関する疑惑が一挙に吹き飛んだということである。
土曜日のTBSのブロード・キャスターにおいて御厨貴東京大学教授は福田はテロ特措法について民主党と議論したがらないなどと言っていたが、それも推測に過ぎない。
たしかなことは、小沢は安倍との会談を避けたということで、これがすなわち議論を避けたというふうには受け取りにくいかもしれないが、いずれにせよ小沢は一切、この件は誰とも話したくないようだ。
民主党の中においてさえこの件に関しては議論があるはずだが、ようするに小沢がいかにこの問題を単に「自民党を追い込む道具」としてしか使いたくないことは明らかだ。
小沢にしてみたら国会でこの問題をじっくり議論されれば党内からも異論が出てくるだろうし、とにかく緘口令に近い形で避けているようにしか思えない。
先日の朝まで生テレビでも小沢さんはこういいたいのではないか、という推測ばかり誰もが言っていたが、ようするに本人はきちんと説明できないわけである。
まず、小沢は安倍が会談を要請してきていないといっていたが、安倍の辞職前日の記者会見で安倍が会談をしたがっているということに関して訊かれている。
その際どういう風に答えたかと言うと、「それは向こうの話しでしょう。向こうに訊いてください」というようなものであった。また安倍辞任の当日の国対委員長同士の話し合いにおいてもどういう話をしたいのか詰めてから来いなどといってまったく相手にしなかったのである。
これほどひどい拒絶の仕方をしながら会談の要請はなかったというのはあまりにひどい「けんもほろろ」であるといわざるをえないが、「党首討論」でも議論はできるなどと言っているところを見ても民主党がまともな議論を避けているのは明らかだ。
党首討論においてはただでさえ時間が短いのに、「時間がないから」と言って、次から次へと話題を代えて、どんな問題であれ、民主党のほうがまともな議論から逃げ回っていたのが事実である。
民主党はようするにそういう逃げ道を用意された場でしか議論はできない。
いずれにせよこれでテロ特措法の延長は事実上不可能になったわけだから安倍が辞任するのは当然である。
それよりも前に辞意を麻生にもらしていたとかいうことは、ようするにこの流れを見越してのことだろうし、その後の入院も実際にその後体調を崩したということであろうから、やはり小沢が会談を拒否してテロ特措法の延長が難しくなったのが原因であると見るべきだろう。
というよりも、安倍はすでに自分の職責をこれにかけるといっていたのだから、あの時点でむしろやめるのが当然ではないのか。あの時点がダメなら一体いつやめろというのか、どうせやめる首相に質問するよりとっととやめてもらったほうがよほど誠意があるというものではないのか。すでにやめろ、やめとうるさく騒いでいるのだから、国会が終わってからでは遅すぎるだろうし、会期中の辞任であればいずれにせよかえって混乱を巻き起こすのであるから、ああいうやめ方も仕方ないといえる。
安倍が辞めたら今度は無責任だとマスコミなどがいっせいに叫びだしたことのほうがむしろ自分には不思議である。
たとえば朝日は9月11日の社説で以下のように述べている。
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不退転の決意を示したかったのだろうが、その支えが「退陣」であるかのような発言は理解に苦しむ。続投を批判し、テロ特措法の延長に反対する野党は、もとより退陣に異存はなかろう。首相の決意と覚悟は混乱している。
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「その支えが「退陣」であるかのような発言は理解に苦しむ」とは言っているが、「続投を批判し、テロ特措法の延長に反対する野党」と朝日は同じ立場だろうから、朝日も「退陣に異存」を述べる立場にはないはずだ。
ようするにだれも止めないから辞めろと言ったわけである。
そして辞めたら辞めたで急に「無責任」と言い出したわけである。
そういうあなた方こそ無責任の極みではないのか。
13日の社説では自分の都合のいいことだけ取り上げて 以下のように言っている。
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1年前、安倍氏が自民党総裁につくにあたって、私たちは「不安いっぱいの船出」と題した社説を掲げ、安倍氏の経験や準備不足に懸念を表明した。その不安がはしなくも的中した。
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朝日がこの政権に「不安」をもっていたのは一年前だけの話ではない。
テレビ朝日の田畑政治部長などは数日前から安倍が辞任するかもしれないということで臨戦態勢をしいていたと報道ステーションで言っていたし、報道ステーションで匿名の自民党首脳の話しとして「首相は辞めるタイミングを探っているのかもしれないねぇ」といういう暗いビデオを流していたではないか。
だから決して安倍の辞任は朝日などが驚いたり無責任だと嘆くべきことではなく、自分たちの予想通り、あるいは思惑どうりに進んだというべきことだ。
さてテロ特別措置法の問題であるが、これについてはまたあらためて述べたいが、こんな法律を作る前に憲法をよく読め、というのが自分の意見である.
自衛隊の給油活動をこの法律が邪魔するならこの法律は違憲で、最高裁が対処すべきだ。
江田憲司のようにイラクでの活動用に補給していると騒いだり、星のようにテロ特措法に違反しているかのように言うならどの条文にどのように違反しているのか示すべきだ。
もっともアメリカも今現在北朝鮮に対して宥和政策をとろうとしているので、外交の駆け引きとして拉致問題の解決に向けて最大限努力しなければこうした問題で協力できないと主張することも考えるべきだとは思う。
自分は憲法に関しては否定的な見方をするものの一人であるが、この憲法が存在し、「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」と書いてあることから、テロ特措法などなくても今の自衛隊の給油活動はできるのであると言わざるをえない。
ようするに国会議員というのは無駄な法律を作ったりそれに反対して、それで仕事をしていると自己主張している愚かな連中に思える。こういう余計な法律を作るからあとからあとから修正したり、延長してりしなければならなくなるので、これは無駄が無駄を作り出している馬鹿げた連鎖であるといえる。
一部の不安症の連中の言うようにこういう法律を作らなければ日本は暴走するという状況に日本はないし、軍部が暴走する時にはそういう法律を無視するわけだからいずれにせよこんな法律はいらない。
よくイラク戦争はアメリカの世界戦略であるかのように言われるが、日本だって湾岸戦争の前には多くの会社が進出していたではないか。
福田は石油会社に勤めていたようだが、イラクに対して日本はもう何もしないでいいのか訊いてみたいものだ。