雨飾りファームだより

日本百名山の雨飾山の麓から猫と金魚と農業と、田舎暮らしの日常を綴るブログ

獣害について。

2016-07-14 06:38:32 | 日記
 ここ数年、毎年のようにこの時期、私の住む地域は獣害に悩まされています。この時期はサルといのししです。昼間はサル、夜はいのししで、家の周りの自家消費用の野菜が全滅しています。

 この問題を解決する手立てとして、現在は

      爆竹などを使った追い払い、

      猟友会などにお願いして罠を掛けてもらうか打ってもらう

      電気柵

    などでしょうか。

 地区で市にあげる総合要望には盛り込まれていなかったのでこういう問題こそ要望すべきだと言ったのですが、役所的には、先に上げたようなようなことで対処願うというばかりでした(笑)。

 しかし、根本から解決していかなければ私たちはこの里山を守っていくことが出来なくなってしまいます。

 そもそも根本とは…。

  それは人が自然破壊をしたとかそういうことではなく、むしろ人が山に入らなくなったからだと考えます。人が山を捨てたのです。随分昔から人は山に入って山の恩恵を受けながら生活してきたと思います。ところが、とくに近年、林業も廃れ、薪を使う人も減り、山菜も食べなくなり、山で営みをする人たちも極端に減少してしまったのです。山は荒れ放題です。以前はある程度の山まで人が支配していたのですが人が後退することによって山の動物が増えてきたものと考えられます。しかも、山と人里の境界もだんだんと下に降りてきているのです。

 多くの人が山の暮らしを捨てて市街地に移住し、山を守る人がいなくなってしまったのです。

 上流が荒れると、下流域の生活環境も守られなくなってしまうのです。そこに根本的な問題があって、そこをしっかりとわかった上での対策が必要になってくるのです。

 例えば、山をもう少し上に上げる対策です。まず人里との境界をしっかりつくること。そして山へ人が入ること。

 私が考えているのは、まず人家に近い部分の手入れが出来ていない杉の枝打ちをして下草刈りをすることです。そうして、山を少しずつ後ろにあげましょう。そしてその作業をする時期を今、サルやいのししが出るこの時期にやりましょう。人が機械音をたてて山で作業をしていればサルは出て来れません。

 山が荒れているのは、今住んでいる人たちのせいではありません。山を捨てて出ていった人たちなのです。

 市街地で安心して暮らせていると思っているのは、里山の環境が維持されているという大前提があってのこと。

 市職員さんたちにも里山の環境をしっかりと作っておくということがとても大切だと認識してして欲しいと思います。