最近、私の住む新潟県糸魚川市にも定住促進課なる部署が出来、移住定住に力を注いでいます。
今は、空き家を探し、そこに移住者の方に住んでもらうという企てをしています。
そして、私の住むこの谷の住人たちにがその受け入れをする予定なのですが…。
まず、頭ごなしに、地域の人足や役員を受けてもらわんならん!と意気込む区長さんがた。
もちろん、都会感覚でただ住むだけでは住居まで提供する意味はありません。ただ、そこはやんわりとやんわりとかな~と思うのです。
何しろ、その区長さん自身が、では自分の息子夫婦に人足やら役員やらをやらせているかというとそうでもないんです。要は、田舎も都会も同じなんです。時代が変わり、世代が変わったんです。田舎は古い慣習を守り続けてきた中で、若い世代が嫌気がさして出ていったということです。
で、高齢者ばかりになって困った、何もかも維持出来なくなってきた、誰か何とかしてくれ~ってのが、今の田舎です。
若い世代がなぜ、ここを離れたか。
よく言われるのが仕事。ただ、この谷に限って言えば、ほとんどの人が車で15分の市街地に通勤しています。もっと、求めている人は都会に出て いるでしょう。大学を出て優秀な人は帰って来ないといいます。その出た大学に見合う職場がないということでしょう。都会の大企業で自分の力を試 してみたいという人もいるでしょう。若者が旅と冒険をしなくなったらこの国も終わりかなという気もするので、そこは私は、「あり」だと思ってい ます。
ただ、成功したら必ず故郷に恩返しをしてもらいたいと思ってはいます。
話を戻すと、この谷に住んでいても通勤は全然大丈夫です。それが本当の理由とは思えません。
では、同居の問題。これは、若い世代が世帯を持つとここを出て行くというパターンがほとんどだということから十分、理由になると思います。も ちろん、子育て中は、同居はとても助かるのですが、同居にはお互いがこまごましたことをどこまで我慢できるか、妥協できるか、だと思います。
家計を誰が管理するのか、台所に女が二人いてはなかなかうまくいかないのは昔から言われています。また、地区の寄り合い、祭り、冠婚葬祭の手 伝い、また、盆暮れには里帰りの親兄弟家族が大勢、押しかけてきてその賄いをしなくてはならず、盆暮れに自分が里帰りするなどということはまま ならないのです。
それに、なんといっても代々100年も受け継がれた古民家に若い世代の今どきの生活を持ち込むスペースなどありません。雑誌などで見る夢のよ うな新婚生活など出来るはずがありません。プライバシーもないのです。
これでは、若い世代が、市街地宅地を買って出て行くのは当たり前な感じです。
田舎はこうなんだ!という田舎住民の田舎感覚が少し変われば、ここはもっと暮らしやすくなると私は感じています。
古民家をおしゃれにリフォームしてもいいし、田舎の景観を活かした市街地には真似できない住宅を建てることも可能でしょう。
お祭りだって、自分たちで作り上げるという楽しさがあれば、今より参加しやすくなるでしょう。
さらには、めんどくさい人付き合いですが、
これは、地域コミュニティーがあるから、田舎はいいんです。市街地は、住むだけ、寝るだけ、家の中だけ生活です。
でも、田舎は、家の外の活動が魅力なんです。家の外で野外活動が出来るところが魅力なんです。どこの家にも、作業スペース(土間、にわ)が あり、畑で収穫した野菜を並べたり、保管するスペースもあります。漬物樽を並べたり、玉ねぎを吊るしたり、どこの家にも別棟で作業所や蔵なん かがあります。田舎で育った私にしてみれば、そういう場所のない今どきの家って暮らせるのかな?と思ってしまいます。
田舎の家では、「暮らし」が体験出来ます。
で、土地を使って遊ぶとなると、隣近所とのコミュニケーションは欠かせません。うまく、やった方が俄然暮らしやすいんです。プライバシーが、 なんていう人もいますが、そんなことにこだわらない方が絶対にうまくいきます。
こんなことを、書くと、田舎ってめんどくさ~って思われるかもしれませんが、この、「暮らし」を楽しみたい人にはとてもおすすめです。
田舎のイメージに囚われず、新しい田舎の魅力を発見出来れば、ここは本当にいいところです。
人足ってこうやって、共有の道や施設の管理を住民自身で行う作業のことです。
そんなの役所にやってもらえばいいじゃん!都会の人はそういいますが…。