雨飾りファームだより

日本百名山の雨飾山の麓から猫と金魚と農業と、田舎暮らしの日常を綴るブログ

糸魚川での大火。

2016-12-23 08:10:03 | 日記
 昨日は、朝から強い南風が吹き荒れ、スキー場も雪が消えてクローズしてしまいました。

午後からは市役所職員との打ち合わせも予定していました。

10時半頃でしょうか。広報無線で広小路通りで火災が発生したとの通報。同僚と広小路といえば、有名なラーメン屋か、コロッケやかなどと話していたのですが、この強風下で、あの密集地帯、しかも道路幅が狭く、消火作業に難航しそうな場所であるということは、地元民でなくてもわかります。

 案の定、不安は的中してしまいましたが、これほどの規模はやはり私の想像をはるかに超えていました。

 実は、私の祖父の家が現場のすぐ近くにあるのですが、風上で今回の火災は免れました。20歳ころ、私はその界隈の喫茶店でアルバイトをしていたことがあり、細かい路地がよくわかります。今も、現場近くの美容院に行ってます。本当に古い町並みという言葉がピッタリの地域です。住宅が隣同士ピッタリとくっついて建てられているのです。その分、隣同士の付き合いも濃密で、私は好きな地域でした。

 ただ、最近は、増築も出来ず、駐車場も無いので若い世代は郊外に家を新築して、この地域は高齢化が進んでいました。私が子供のころは本町商店街といえば、日曜日にバスに乗って行って家族で1日中買い物を楽しんだ思い出の場所です。それが、ここ10年くらいは高齢化と老朽化で跡取りもいないため店をたたむところも増えていました。

 本当に昔ながらの建物が多く、その中に、いくつかの金融機関や、跡継ぎのいるお店などが、防火構造の建物を建てているだけで、良くいえば市内でもっとも情緒ある古き良き町並みを残していました。今回はそれが仇になってしまったようです。

 親しんできたお店が皆焼けてしまって本当に悲しいです。

 おもちゃやさん、そばやさん、火元のラーメン屋さん、コロッケやさん、蔵元さん、冠婚葬祭用品のお店、老舗のケーキやさん、スポーツ用品店、市民に今でも親しまれている多くのお店がみな燃えて無くなってしまったのです。

 市のシンボルであった町並み、市民の心の拠り所だった商店街を喪失してしまったことはあまりにも悲しいことです。

 この大災害を受けて、こういう古いものを残して行くということと防災対策ということをどうしていくか重い課題を突き付けられた格好となりました。

 失火元のラーメン屋さんも、地元では知らない人がないくらい愛されていました。本当に悲しいことですが、今回はラーメン屋さんの火災で始まったわけですが、いつどこで発生しても条件が揃えばこういう状況になってしまうということを改めて知らされました。

 同じような地域は全国にもたくさんあるかと思います。防火管理は隣近所声を掛け合っていかなければ、我が家だけが気を付けていても駄目なので地域あげての「火の用心」が大事だと思います。

 被害の全容はまだ、被災者すらわからない状態のようですし、遠く離れた地域に住む私たちはテレビの画面と住宅地図を照合するしかわかりません。

 被害に遭われた方には心からお見舞い申し上げます。私たちも1日も早くまた糸魚川の美しい町並みが戻ってくることを願ってやみません。