寂光院の猫(前書き)

 大原の寂光院で、秋海棠の花が咲いているというので行ってみることにした。
 寂光院へ行くのは、今回がはじめてである。寂光院に限らず、京都に生まれ育って住んでいるけれど、観光客が訪れるような京都の名所というところにはほとんど行ったことがない。前に大学の研究室に勤めていたとき、スウェーデンから来た学者さんの奥さんを観光に連れて行ってほしいというので一緒に行ったことがあるけれど(もちろん私は英語が喋れないので、英語のできる教授秘書のおまけとしてついて行った)、金閣寺にも竜安寺にも行ったことがないと言ったら、スウェーデン人の奥さんは「Really?」と目を丸くして驚いていた。ちなみに銀閣寺には行ったことがあるけれど、それも大学に入ってから、大阪出身の先輩に連れられて行った。
 京都の外からわざわざ名所を訪ねてくる人にすれば、せっかく京都に住んでいるのにと思われるかもしれないけれど、いつでも行けるからと思っているからか、地元の名所には興味がないのか、京都の人が京都の観光地へ行かないというのは、それほど珍しいことではないようである。自分について言えば、京都でもよそでも、あまり名所というところには興味がない。
 それがなんとなく思い立って、寂光院へ出かけていったのだけれど、前置きが長くなりすぎたので、本題はあした書こうと思います。
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