金魚とめだか

 家の小さな庭に面する窓を開けると、そのすぐ下に金魚の鉢とめだかの鉢があって、二匹の金魚はいつもえさをねだって口をぱくぱく水面に出すのだけれど、冬のあいだ、めだかの鉢は緑色に濁った水がただ静まっているだけで、めだかの姿はちっとも見えなかった。
 三代続いた家のめだかもついに絶えてしまったのかしらと思っていたのだが、水がぬるくなる頃、水面近くに一匹、ぽっかりと浮かんでいるのが見えるようになった。去年の夏に親めだかが産んだ卵を分けたために、めだかの鉢は二つあるのだが、そのもう片方の鉢にも、やがて大小5匹のめだかが水面に現れるようになった。
 寒い時期には、めだかは水の底でじっとしているものらしい。それがようやく水面近くに浮いてきたのだけれど、めだかというのは、去年もそうだったか覚えていないが、妙にすました魚で、食いしん坊な金魚たちがせわしなくぱくぱくしながら泳ぎ回っているすぐとなりで、何を考えているのだか、落ち着き払って水に漂っている。餌をやってもあまり動かない。その対比が何となくおかしいから、毎朝魚に餌をやるのは面白い。


にほんブログ村 猫ブログ 猫絵・猫漫画へ ←1クリックよろしくニャ~
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )