アゲハ母さん途方に暮れる

 この一週間ほどのあいだに、アゲハチョウが三度庭に訪れた。どれも同じ蝶かどうかはわからないけれど、卵を産みつける葉を探しているようである。
 アゲハチョウは前肢に味を感じることが出来る細胞があって、その肢で葉を叩くことによって味見をし、わが子である幼虫が食べるのに適した植物かどうかを判断してから卵を産む。庭に舞い降りたアゲハチョウも、順に、山茶花、トネリコ、百日紅の青い若葉に前肢で触れていったけれど、どれも幼虫の食草に適さないから、ふたたび舞い上がって塀の向こうへ飛んで行ってしまった。
 近くに、卵を産める木がないのかなあと思う。去年は庭に、小さな山椒の木の鉢植えがあったのだが、青虫が葉を食べ尽くしてしまったあと、水遣りを怠ったために枯れてしまって、今年はもうない。蝶が二度目にやって来たあと気の毒になって、また幼虫の成長を息子に見せたくもあるから、小さな山椒の木でもあれば買おうと思って園芸店へ行ってみたけれど、季節柄か、もう置いてないということだった。
 それなりの値段がついた柑橘類の苗木をわざわざ買うのもなんだしと思って、いったんはあきらめたのだが、昨日三度目にアゲハが来たのを見て、やっぱり何かみかんの木でも用意してあげた方がいいかしら、などと考えている。


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