ラ・プリマ・ザンザーラ

 急に暑くなって、家のいろいろなところの窓を開け放つようになったから、みゆちゃんは昼寝もそこそこに、外界の観察に余念がない。夜になると、窓から涼やかな風が青草の匂いを運びこんで、初夏のような趣がある。
 昨日は、今年初めての蚊を見た。まだ大丈夫とたかをくくって、庭側の窓を網戸をつけずに開けていたから、そこから入ってきたのだろう。このあいだ、めだかの鉢の水面に大きく育ったぼうふらが浮いていたから、それが羽化したのかもしれない。ぼうふらが小さいうちに、なぜめだかが食べてしまわなかったのか、不思議である。あんまり餌をやりすぎるとそれでお腹がいっぱいになってしまって、わざわざぼうふらを追いかけて食べるのが馬鹿らしくなるのかもしれない。
 昔ちょっとかじったイタリア語では、蚊のことをzanzara(ザンザーラ)というらしい。いかにも、蚊の唸るような羽音が聞こえてきそうな感じがするけれど、それでは日本語の「蚊」は何に由来するかといえば、諸説があって、うるさいという意味の「かしましい」から来たとか、飛ぶ音が「かー」と聞こえたからだとか、「噛む」の「か」だとか、はっきりしないようである。
 ただ、「蚊」という漢字が虫偏に文と書くのは、「ぶーん」という羽音から来ているという。本当か嘘かは知らないけれど、そういう漢字は他にもあって、猫は「みゃおう」と鳴くから獣偏に「苗」、からすは「がー」と鳴くから鳥に「牙」、鳩は「きゅう」と鳴くから「九」だというから、面白い。
 それはさておき、うちの庭には毎年大量の蚊が出るから、夏に向けて、そろそろ覚悟を決めておかなければならない。


にほんブログ村 猫ブログ 猫絵・猫漫画へ ←1クリックよろしくニャ~
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )