夏用猫座布団

 父が、ちゃめの夏用座布団を買ってきたついでに、みゆちゃんにもどうかと一枚余分に買ってきてくれた。これからの季節に心地よいような、さらりとした綿の座布団で、ちゃめはこういう感触のものが好きらしい。
 青系の色のと、白とベージュが組み合わさったのと、どっちがいいと聞くので、保護色の方が落ち着くだろうと思って、みゆちゃんの毛の色に近い、白とベージュの座布団をもらった。
 もっとも、犬猿の中の二匹であるから、敷物に対する嗜好も違って、たとえば冬場の毛布では、みゆちゃんは毛足の長いふわふわしたものが好きなのだが、ちゃめは絶対にそういう毛布の上で寝ることはない。
 だから、もらったものの、みゆちゃんの気に入るだろうかという懸念もあったけど、家に帰って、みゆちゃんに、ほら、おみやげだよと差し出すと、さっそくくんくんにおいを嗅いだあと、新しい座布団の上にごろんと転がってからだをすりすり擦り付けたり、起き上がって、前足で、たっ、たっと踏み込むように座布団の上ではしゃぎ回ったりしたので、さすがは、猫おやじ、猫の気持ちがよくわかる、と思ったのだが、そうやってひと通り遊んだあとは、もとの、いつもの毛布の上で寝てしまった。
 その夜は、少し冷えたからかもしれない。次の日からは、気温がどんどん上って夏日になり、みゆちゃんは気持ちよさそうに新しい座布団に頬っぺたを押しつけて眠っている。
 猫おやじの面目はどうやら保たれたようである。


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