ねこ絵描き岡田千夏のねこまんが、ねこイラスト、時々エッセイ
猫と千夏とエトセトラ
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エビの宇宙

小学生のときだったと思うけれど、伏見の青少年科学センターに、プラネタリウムを見に連れて行ってもらった。
館内に入ってすぐ、右手の明るい窓際に、手毬くらいの大きさの透明な球体が置いてあった。中には、一本のたよりげない緑色の水草と、小さな赤いエビが一匹。そのほかにも目には見えないバクテリアなんかが入っているのだろうけれど、このガラスだか、プラスチックだかの透明な入れ物は、閉じられた完璧な球体で、どこにも出口がないのである。エビに餌をやるために開ける蓋もない。だったらエビは飢え死にしないのだろうかと不安になって説明書きを読んだら、太陽の光さえあれば、エビと水草とバクテリアがそれぞれ連鎖して、この小さな球体の中だけで生態系が完結し、生きていけるのだった。つまり、光合成をして成長した水草をエビが食べ、その排泄物をバクテリアが分解して、水草の栄養素となる、というようなことであった。酸素や二酸化酸素の循環もまた然り。
すごいことだと思った。と同時に、息苦しいような気持ちになった。どこにも出口のない、小さな完結した世界で、エビは死ぬまで一人ぼっち。誰もいないし、どこへも行けない。私はエビと自分を置き換えて、エビの孤独が恐ろしくなった。残酷な運命だと思った。無論、エビはそんなことちっとも気にしないだろう。さんさんと光の降り注ぐ球体の中で、赤いエビは、緑色の水草の上に乗っているのか浮いているのか、心もとなくたたずんでいた。
はじめて見たプラネタリウムの星空に大喜びしたはずだし、他の展示物も見たと思うけれど、あまりよく覚えていない。ただ、エビの入った小さな球体だけが、今も衝撃をともなって、鮮明に心に残っている。
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美容院の生き物

エビまでいるんですか、と思わず口をついて出たら、店に来る子供が、鴨川で捕まえたのを持ってきてくれたのだそうだ。何を食べるんですかと聞くと、おもにメダカの餌の残りで、底の砂の中をいつもなにやら突付いているらしい。すぐに水が緑色に濁ってしまううちの水槽も、エビを飼ったら少しはきれいになるかしらと、水草についたり離れたりしている白いエビを見ながら思った。
髪を洗う部屋に通されると、りーん、という震えるような声が響いた。美容師さんが「よく鳴くんです」と言った。はじめは、CDか何かかと思ったら、本物の鈴虫がいるらしい。シャンプー台に頭を乗せながら見回したが、それらしいものは見えないので、洗髪が終わってどこにいるのですかと聞いたら、シャンプー台の向こうに、広口の大きなビンが置いてあって、その中の、ナスか何か野菜の上に乗って小さな鈴虫がいた。美容師さんの家の近所のおばさんが、鈴虫がたくさん羽化したとかでくれたそうである。鈴虫がいる美容院というのも珍しいと思うけれど、内装を凝らせてオリエンタルな雰囲気にしてある小粋なシャンプー室に、ビンの口をガーゼでふたをしたおばさんの手作り飼育ケースがそのまま置かれているのもまた奇妙である。
シャンプー台のある部屋は、照明を落として薄暗くしてあるので、鈴虫にとっては居心地がいいのだろう。よく響く大きな声でりーん、りーんと鳴くのが、隣の部屋へ移ってからも、ずっと聞こえていた。
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スイカ

学生時代に、友達が通っていた学部で、なにやら夏のお祭りがあるというので行ってみた。校舎に囲まれた中庭で、皆ビールを飲んだり、花火を揚げたりして盛り上がっているところへ、スイカが出た。人に勧められるままに、黙って食べていたら、食べ終わった頃に農学部の人が来て、スイカの皮はほかのゴミと一緒にせず、こっちの袋に捨てろと言う。なぜかと思ったら、ブタの餌にするのだということだった。
私がスイカを買わないものだから、夏にはスイカを食べたい夫は迷惑している。それもそうだと思って、買おう買おうと思っているうちに、いつしか夏が終わってしまった。
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