もう終わってしまいましたが、
大好きで複数回通った「OVER THE CENTURY」と言うお芝居は、
ダブルキャストでした。
いや~、ホントに楽しかったなぁ・・・というのはさておき、
登場人物の中にコテコテの大阪弁をしゃべる悪い奴がいて、
それを演じる役者さんが間違いなく関西弁ネイティブで、
だから生き生きとパワフルに演じてらしたんです。
観ていても、やっぱり借り物の方言とは違うんですよね。
無理がない分、台詞が広がっていく感じ・・・ってわかって頂けるかな?
やっぱり方言はネイティブが圧倒的に有利だなぁ。
私だって、関西弁の役があったら楽勝なのに。
いつも全く知らない方言を喋らされる身としては、
ネイティブ方言で、一気に悪役の魅力が倍増していた姿を見て、
うらやましいとしか思えませんでした。
でも、そこでふと気になったのが、ダブルキャストのもう片方のこと。
確か、あの方は関西圏の出身ではなかったはず・・・。
え? て事は、なんちゃって関西弁を聞かされるの?
うわーー、こりゃたまらんぞーー
芝居自体が楽しめなくなるぞーー
そしてダブルキャストの別チームの回、
どうだろうとヒヤヒヤするうちに彼が登場。
と、なんと、こちらは、コテッコテの九州弁!
それも間違いなくネイティブで、
悪い奴が、方言でいよいよ輪郭がくっきりとして、
パワー溢れる一番オイシイ役に昇華していました。
そしてどちらの悪役も、生き生きしていること!!
いやーー、これは・・・目からウロコでした。
もちろん、役は限られるでしょうが、
その役者さんのネイティブな方言を使ってもいい役もあるはずです。
ダブルなら、それぞれ違う方言だって。
でも、そんな芝居、観たことがなかった。
って、単に誰も思いつかなかっただけじゃない??
何度も書いているように、方言芝居は丸ごと覚えなければならないので、
ネイティブじゃない限りアドリブがききません。
だから、何かあったときには、本当にお手上げになるんです。
いやトラブルがなくても、感情の揺れだって、どうしても硬くなる。
そして今回、ネイティブのお2人を見て、しみじみ感じたのです。
とにかくエネルギーが違う!
無理矢理頑張って覚えているのとは違うんですよね。
その自由さが、ものすごく羨ましかった。
と同時に、舞台自体も生き生きとしていた。
ネイティブの台詞を使うことで、役がこんなに強く魅力的になるんだ・・・。
個人的な話をすれば、
私も九州から東北まで、まぁ各地の方言を喋ってきました。
年齢のせいか、方言芝居が多い方だと思います。
すぐ見つかったものだけでも、こんなにありました。
津軽弁
佐世保弁
京都弁
下関弁
名古屋弁
だというのに、
関西弁を一度も喋ってないっ!!
あ、いや、その恨みだけで書いてるワケじゃないんですが、
借り物の方言の不自由さは痛いほど味わっています。
もちろん、どこの方言でもOKって作品の方が、
圧倒的に少ないでしょうが、
こんな自由度もアリなんだなぁ、と、
心底感じたのです。
実際、性別も年齢も違う役だけど、
一番やってみたい役だった・・・って、
結局、自分の話になっちゃうんだけど