さて、舞台裏をぐるりと回ったところで、
今度は、場当たりの雰囲気を味わって頂こうと思います。
そういえば・・・、
さんざん「場当たり」とかって書いてきましたが、
私、舞台の世界に入るまで、
この言葉を、聞いたことすらありませんでした。
そうなんですよ。
当たり前のように書いているけど、
めちゃくちゃマイナーな言葉なんですよね。
なので、これもちょっと、
写真でイメージして頂こうかと。
まずは場当たりの前でございます。
衣裳を着たキャストたちが、
舞台の裏をみんなで並んで回っています。
初めてセットの中に入って見学中なのです。
もちろん、劇団員の人たちなど、
前日に1日がかりで、
このセットを作ってくれた人たちもいるのですが、
そういった作業(タタキ)にノータッチで、
ぽんと劇場に来たキャストたちは、
裏がどうなっているのか、全く分かりません。
そこで、こうやってぐるっと回って、舞台監督さんに、
「ここは体を低くして動かないと、頭をぶつけまーす」
とか(言われてもぶつける人間もいる)、
「このコード、足をひっかけないように」とか、
「ここには入らないように」とか、
注意を受けながら見て回ります。
今回はありませんでしたが、
セットの都合によっては、行き来する動線の、顔のあたりに、
<ぬっ!>と材木が突き出してたりすることも
こういう無理のあるセットだと、
最後まで、いつも誰かが流血騒ぎをおこしてます。
(私だけじゃないぞ!)
また同時に、キャストもそれぞれ、
自分がどこから出るのか、
見切れはどうか、
階段はどのくらい急か、
なんてことをチェックしていきます。
いやホントに、舞台裏って危険がいっぱいなんです。
その昔、ゲネで裏階段の手すりが壊れて真っ逆さま!
・・・ということも、やりました
(ゲネで壊れるって、弱すぎだろう!)
そんな裏から戻ってきて、
特に何と言うわけではないのですが、
何かとみんな考えています。
私の場合は、舞台でも迷うという、
とんでもない方向オンチのため、
いつも最初は、どうすれば間違わずに、
ちゃんとした場所から出られるか、
なんてことを考えています。
こうやって、
みんなそれぞれ、動いたり考えたりしながら、
さて、いよいよ場当たりだ、
という、一種独特の緊張感と高揚感が広がっていきます。
(つづく)
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