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続・世界はブロック化へ進みそう

2022-05-15 05:29:11 | 日記
続・世界はブロック化へ進みそう
“シーチン”修一 2.0


【雀庵の「大戦序章」42/通算474 2022/5/15/日】(承前)道理にかなわない無理、無駄、無謀な物欲に駆られた「行き過ぎた資本主義経済」は限界にきているのではないかと、以前こう書いた。


<第2次世界大戦後の「国連中心の国際安定システム」がプーチン・ロシアによって壊され始め、世界は新たな安定システム構築を進めていく冷戦や熱戦の「戦争の時代」になった。ヒト・モノ・カネの開放的な世界から「閉じる世界」、ブロック外交経済への時代に向かうのだろう。


大西洋を挟んだ「欧米加同盟」、インド太平洋の「日米豪印加台同盟」、共産主義圏の「中露北同盟」、イスラム系諸国の「中近東アジア同盟」の4つの巨大ブロックが形成され、基本的に「域内自給自足」になるのではないか。


グローバリズムやGDP至上主義の時代は終わりつつある。21世紀の戦争が21世紀の新しい世界秩序を創る――これは確実だろう(2022/5/2 雀庵の「大戦序章」37/通算469 戦争が新しい世界秩序を創る)>


小生は「ブロック経済」にした方がいいと勉強を始めたが、「資本主義経済の限界」については1930年にケインズも指摘していたという。大手証券会社のチーフアナリストや内閣官房国家戦略室審議官などを歴任している専門家、水野和夫氏著「閉じていく帝国と逆説の21世紀経済」から。


<ケインズは1930年の論文「我が孫たちの経済的可能性」の中で、100年後には「欧米の平均的な生活水準は4倍に引き上げられている」と述べた。当時の欧米の1人当たりGDPは4641ドル(1990年の国際ドル価格表示)。2016年の日本は(同)2万3569ドルと推計され、1930年の欧米の生活水準の5.1倍、日本の経済状況はケインズの予想した通りになっている。「経済問題は100年以内に解決されるか、少なくとも目途がつくであろう」とケインズが言ったように、日本やドイツは「経済問題、生存のための切迫した問題」から解放されたのだ>


同書によるとケインズ曰く――「かくして人間は、経済上の切迫した心配から解放され、それによって得られる余暇を、賢明で快適で裕福な生活のためにどのように使うかという問題に直面する。富の蓄積が社会的な重要性を持たない時代になると、財産としての「貨幣愛」は多少忌々しい病的なもの、精神病の専門家に委ねられるような、半ば犯罪的、半ば病的な性癖の一つとして見られるようになるだろう。


それでもなお、満たされない強烈な目的意識を持って、盲目的に富を追い求めるような人々が大勢いることだろう。しかし、その他の者は最早このような人々に拍手することもなくなるだろう」と。


そして水野氏はこう言うのだ(小生には難し過ぎて咀嚼できないが、おおよそ以下のよう)。


<グローバル化を進めて国境を越え、ひたすら増殖を目指す資本主義金融経済と、国民全体の国益を優先する国民国家=民主主義。かつて、この二つはコラボして上手くいっていたが、マネーゲームによるカネ儲け至上の資本主義=盲目的に富を追い求める1%の資産家優先と、99%の庶民の安寧を最優先する国民国家は対立するようになってしまった。


これを解決するためには、国境に囲まれた「主権国家」が、その枠を超えて複数の主権国家と協力して政治経済軍事同盟を結び、司令塔を一つにし、EUのような「統一帝国」を構築し、基本的にその域内で自給自足し、他の帝国や国家と距離を置くことが望まれる。もとの国家は地方自治体、地方政府の機能になる。


「閉じた地域帝国」「閉じた経済圏」だが、これは突拍子のない理論ではなく、1648年の欧州の「三十年戦争」の講和条約「ウェストファリア条約」に倣ったものだ。近代における最初の重要な国際条約として17〜18世紀の国際関係、即ち近代の主権国家体制を基本的に規定した条約である。


今はそのウェストファリア条約的世界秩序が終末期を迎え、「新たな帝国秩序」が生まれる産褥期である。「世界帝国」ではなく、複数の「地域帝国」の時代になるだろう>


今のような自由民主のボトムアップ統治ではなく、EUのようなエリート官僚、選ばれた政治家によるトップダウンの連合的「地域帝国」が求められるというわけだ。


考えてみれば、米国は建国以来「連邦国家」で、中央政府(ワシントンDC)は軍事、外交、経済の基本を担当し、各州は地方自治体である。「地域帝国」と言っても地方、中央の政治家は全て選挙で選ばれているから独裁統治ではない(容共左派の米民主党は小細工するから要注意だが)。


「地域帝国」の是非はさておき、もしそれを構築するとしたら、以下のような枠組みが考えられる。


【アジア太平洋帝国】パートナーは日米加豪乳台越、タイ、シンガポールあたりになりそう。さらにマレーシア、インドネシア、フィリピンなどの加盟も期待できるが、親中、親露やイスラム教徒の多い国もあるから容易ではなさそうだ。インドは対中のためにロシアと仲良くしているがどうするのだろう。インドは人口13億9000万人の大国だから独自に「地域帝国」になるかもしれないが、印露による「地域帝国」の可能性もあるだろう。


【東ユーラシア帝国】中露&半島を核とした赤色独裁ゴロツキ狂犬病連合。中露は自由陣営、特にG7の市場があったから経済成長してきたが、これからは間違いなく下り坂、斜陽になる。中進国の罠もあって落ち目の国、強権独裁の国とパートナーを組もうという国は強権独裁の小国くらいだろう。座して自滅していくか、あるいは第3次世界大戦を起こして起死回生を謀るか・・・プーチンと習近平は戦争拡大で一点突破、全面展開の賭けに出るはずだ。追い詰められたアカは連合赤軍のように悪あがきをし、墓穴を掘るのである。


【EU(欧州連合)帝国】ヨーロッパは既に27か国が加盟する「EU(欧州連合)帝国」ができており、プーチンのウクライナ侵略により、寄らば大樹で加盟国は急増するだろう。既にフィンランド、ノルウェーは加盟へ動き出しているし、ウクライナも加盟を希望している。


中近東、サハラ砂漠以南のアフリカ(サブサハラ)、中南米(ラテンアメリカ)は今でも政治経済社会が安定とは遠い国が多い。安定かつ国力がそこそこ大きいのは、中近東ではイスラエル、エジプト、トルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イランなど。サブサハラではエチオピア、ケニア、南ア。中南米ではメキシコ、ペルー、ブラジル、チリあたりだ。いわゆる“第三世界”は宗教問題、民族問題もあり、どのような「地域帝国」になるのか、あるいは「地域帝国」を結成せずに済ませるのか、小生には分からないが、団結しなければ“草刈り場”になることは確かだ。部族抗争の時代ではない。


【大西洋・カリブ海・アフリカ北部帝国】北米(米加)と英国は親和性が強いから「大西洋・カリブ海・アフリカ北部帝国」を創り、“第三世界”の中で有望かつ価値観を共有できる国、例えばイスラエル、南ア、ブラジルなどを呼び込むかもしれない。米国は斜陽とは言え経済力、軍事力は大きいから、太平洋と大西洋のふたつの「地域帝国」を結成できるだろう。
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かくして「EU(欧州連合)帝国」「アジア太平洋帝国」「東ユーラシア帝国」「大西洋・カリブ海・アフリカ北部帝国」の4大「地域帝国」が生まれ、基本的に自立し、ブロック経済内での自給自足、建前上は相互不干渉になる、ということか。


そうなると、現在の国連安保理は「地域帝国」間での交渉の場として機能するかもしれないが、これまでの露中の「拒否権」で機能不全になった安保理は事実上機能停止になるだろう。国連は国際法、国際ルールを維持、管理、発展させる機能以外は整理縮小されるに違いない。露中を筆頭とする強権独裁国や、甘い汁を吸う寄生虫みたいな補助金依存国、正義を振りかざす怪しい左巻き組織は整理、駆除されるだろう。


チャーチル曰く「世界が分割されているよりは統一されている方がよい。しかし、そのために世界が破壊されるより、分割されている方がマシだ。分割されていてもやがて統一しようという気概が起きるような勢力均衡状態になるかもしれない。いずれにしても欧州(世界)が破壊され悪化していくよりマシだ」。


歴史を振り返れば、熱戦や冷戦の戦争が新しい秩序をもたらしてきた。血を流さない冷戦が「地域帝国」体制のキモかも知れない。それは喫緊の脅威である露中&半島の緩やかな自滅をもたらすに違いない。自滅・・・最期を見届けたいが、小生の方が先だったりして。あと10年、せめて5年、長生きせにゃならんが、これを未練というのだろう。未練たらたら・・・人間は面白いなあ、同志諸君、長生きしようぜ。(以下次号)
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