雀庵の「中共崩壊へのシナリオ(141」
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/238(2021/1/23/土】スリリングと言えばスリリングだが、小生の鬱病は「安定3か月、不安定1か月」のサイクルのようだ。不安定期はちょっとしたことで始まり、急激に深まり、生きているのが嫌になる、ウンザリする、死神が優しい言葉で「あんたは頑張った、疲れたろう、もう楽になったらええ」とささやくのだ。
静かに死ぬのはまあ「上」だが、新聞でよく見るのは家族を道連れにするやつ。無理心中と言うのか、随分身勝手。当てつけ自殺もある。それなりの理屈はあるのだろうが、これは美学、自死道に反する邪道で、閻魔様は「往生際が悪すぎ、美しくない、下の下」と判決して「もう一度人間界へ行って来い、今度はまじめに勤めてしっかり往生するんだな」と厳罰を食らわせるのである。
「ちっ、最近は安易な自殺が多すぎるぜ、昔はそれなりに哲学的な自死とか大義に死すとかそこそこあったんだが、お湯を注いで3分、レンジで1分、まるでファストフードみたいな“お気軽自殺”ばっかり。大死一番絶後再蘇のような天地をも感動させる自裁なんてありゃしない・・・まったく昔が懐かしいぜ
、いやはや老いの嘆きか」
戦争がない、競争がない、緊張がない、そういう平和、安定、順風が長く続くと特に男は堕落、劣化するね・・・そうだ!「生きる」とは「息をする」ことじゃない、「息」をしたところで「生きる」ことにはならない、積極的、能動的、目的意識的に心身を働かせることが「生きる」ことなのだ。
「俺は“もういいや、やるべきことはやった、あの世に行ってもいいだろう”と思っていた。じゃあ、具体的に何をやったのか。バカをやった、家庭をもった、子供を育てた、仕事もやった・・・それは、しかし、動物は皆やっているぜ、ちっとも人間らしくない。本能のままに息をしていたようなものではないのか。人間を生きる、人間の、世界の、地球のために生きる、半歩でも一歩でも前進する・・・生きる、生き切る、挑戦し続ける、それが天が課した人間への、俺への使命なのだ」
うーん、これは電波が走ったわけではないが、なかなか理にかなった指針ではあるなあ。このところ就寝の寝床でイスラム教徒の鈴木紘司著「イスラームの常識がわかる小事典」とか、高谷道男氏の「ヘボン」を読んでいる影響かもしれない。
ヘボン(米国籍、ヘップバーン)と言えば「ヘボン式ローマ字」しか知らなかったが、幕末に来日したプロテスタントの宣教師、医師、学者であり、最初の英和辞書、最初の日本語訳新旧約聖書を作り、明治学院創設などに尽力した人だった。世界中に感染症が蔓延する中、何度も病魔に倒れ、3人の子を失いながらめげず、くさらず、恐れず、米国での病院経営で得た莫大な私財を投じて、清貧を苦にせず、天命に従って努力する姿は感動的である。こう言っては何だが、「昔のアメリカ人は偉かった!」。
我思う「偉人は激動期に現れ、凡人は安定期に繁殖する」・・・これからは傑物がどんどん出てくるのだろう。まあ戦後体制はそれなりに安定していたから残念な気がしないこともないが、日本が日本を取り戻すための時代が来たということだ。「インド太平洋の守りは日本と同盟国に任してくれ」、そういう時代へ積極的に生きていきたいものである。
ここまで書いたらずいぶん気が晴れた。チンケな些事の穴にはまっていないで天下国家の大事に目を向ける・・・新たな鬱病治療法“シーチンメソッド“ではあるが、興奮しすぎて統合失調症にならないように注意しよう。
列強の政治家は、冷静に、冷徹に、悪魔のように細心に、天使のように大胆に、謀略に満ちた国際政治の怪しい海を上手に渡るか、溺れるか・・・伊藤貫著「歴史に残る外交三賢人」から学ぼう。
<ドゴールの「国際政治の多極化戦略」の続き。D)ドゴールは「米ソ両国による核兵器の独占体制」に激しく反発した。政治イデオロギーにおける米ソの非難合戦にもかかわらず、米ソにとってこの核兵器独占体制は覇権利益にかなうものだった。米ソは同盟国が核を持てない=自立できない状態を維持したかったのである。
フランスや日本などを永遠に自主的な核抑止力を持てない状態に留めておけば、米国は「適性国の核ミサイルが怖かったら、お前たちはアメリカの言うことを聞け!」といつでも同盟国を脅しつけることができる。
中朝露の核ミサイルに包囲されている日本は、外交交渉や経済交渉で米政府に恫喝されると、あっという間に屈服してしまう。それが日本の実態だ。
ドゴールはこのような米国のシニカルで狡猾な同盟国支配政策に激しく反発した。米ソの提唱した「核不拡散条約」「核実験停止条約」を、「これは米ソによる核独占の企みに過ぎない」と喝破し、交渉参加を拒否。NATO軍(米軍)をフランス国内の基地から追放し、フランス独自の核抑止力を構築したのである。ドゴールは「国際政治を多様化し、フランスの自由と独立を回復するためには、フランス独自の核抑止力が絶対に必要だ」と確信していた>(続く)
「核兵器禁止条約」が昨22日、50カ国・地域で発効したという。何十年たってもダメな人はダメのまま、進化するわけではない、誰かが木鐸を叩き続ける必要はあるということだ。ドゴールは国民をいかに説得したか、学ぶべし。
今のEUはフランスが抑え込んでいるから一応まとまっているように思えるが、すべてはドゴールの功績があってこそだろう。ドイツの中共べったりや域内に押し寄せる移民問題などいろいろな問題があっても、とにもかくにもフランスが盟主であればEUは安定を維持できそうだ。
一方で我が日本丸は「天気晴朗なれど波高し、皇国の興廃、この一戦にあり」の危機感ゼロ、足元のコロナでジタバタ、夏の五輪でドタバタ・・・何やってんだか、という印象、船が沈没しかねないという危機感が全くないようだ。不思議の国の白ウサギみたいに「分別くさく、臆病、脆弱、狐疑逡巡」、ひたすら無意味に慌てているだけの感じ。穴に飛び込んで冬眠し、引き籠りたいのか、パッパラパーのパー、ほとんど自閉症のよう。
ところで去年あたりから産経が読者増、収入増のために左とか大衆迎合の方にポジションを移しつつあるような印象を受ける。トランプ政権の4年間でリベラル≒容共的な記者は一掃されたと思っていたが、黒瀬悦成・ワシントン支局長は根がリベラルなのか、露骨にバイデン万歳、トランプ消えろ、というスタンスになった感じ(本性とか先祖返り?)。
産経の姉妹紙の「夕刊フジ」はまるでアカ新聞。「バイデン襲撃も噂されるアメリカ再建の遠い道のり」(2021年1月22日)から。
<混乱と憎悪と暴力の果てに、アメリカの政権交代が行われた。こんなに暗雲に包まれた大統領就任は史上初だろう。世界で最初の近代的民主主義国家として建国して約250年、バイデン政権が担うことになるのは、「アメリカの再出発」である。ニューヨーク在住46年のジャーナリスト・佐藤則男氏は、それが想像以上に難しい現実を指摘する――
「第46代アメリカ大統領に就任したバイデン氏に最大の賛辞と惜しみない拍手を送りたい。様々な国家的危機を引き起こしたトランプ前大統領から執拗な仕打ちを受け、苦しみ、戦い抜いた結果の就任であるから特別な意味がある・・・
トランプ氏を叩いて視聴率を稼ごうとするだけの今日のニュース・ショーは、どうしても軽薄で醜悪に見えてしまう・・・
バイデン大統領は、就任と同時に全速力で仕事を進めなければならない。パンデミックとの戦い、環境問題に関するパリ協定への復帰、世界保健機関への復帰、同盟国への安保条約改定要求の取り消し、移民排斥の撤廃--何もかも待ったなしである。
アメリカが失ったものは大きい。民主主義と、それを支えるメディア再建の道は険しく、長い道のりとなるだろう>
何を言いたいのか分からないが、トランプ大嫌い、民主党大好きという感じで、氏はNEWSポストセブン(1/21)にこう書いている。
<就任式には、クリントン元大統領夫妻、ブッシュ元大統領夫妻、オバマ元大統領夫妻が参列した。会場から大きな拍手で迎えられる。この3組の元大統領夫妻が席に着くと気持ちが落ち着く。やっとアメリカが返ってきた、という安心感が湧いてくるのである>
小生は“3バカ・・・心が萎える”がなあ。彼の思考や言い分は米国リベラル≒サンダース的共産主義者そのものだろう。こうした記事をフジが掲載するのは左巻きやピンク層に媚びて読者、スポンサーを拡大し、売上を増やしたいからだろう。フジで成功すれば産経本紙でも左傾していく心算だろうが、コアの読者は離れていくのではないか。かなり危険な賭けだ。
陸羯南の「日本」のように天下国家を論じ報じる週刊誌(紙&ウェブ)があってもいいなあ。毛沢東の「百家争鳴」は政敵をあぶりだすための罠だったが、日本では「伝統保守=改革派」vs「容共死守=保守派」の言論戦が展開される場となれば刺激的、かつ面白い。産経がやればクラシック音楽の雑誌よりは売れること間違いなし。
ウォールストリートジャーナル(WSJ)2021年1月19日「トランプ 新政党立ち上げで会合」から拙訳する。
<関係者によるとトランプはここ数日、新党の結成について関係者と話し合い、ホワイトハウスを去った後も影響力を続ける取り組みを行っている。トランプは新党を「愛国者党」と名付けたい意向という。
トランプはここ数日、上院多数派指導者ミッチ・マコネルを含む複数の共和党指導者と対立しており、彼らは「トランプは国会議事堂で致命的な1月6日の暴動を引き起こした責任がある」と述べている。ホワイトハウスはコメントを控えているが、世論調査によると、トランプは共和党有権者の間で依然として強い支持を維持している。
トランプが新党立ち上げにどれほど真剣に取り組んでいるかは不明だが、時間と資源の多大な投資を必要とするだろう。トランプは大きな支持基盤を持っており、そのうちのいくつかはトランプが立候補した2016年の選挙戦から(トランピストとして)共和党支持になった。
(共和党、民主党の2大勢力の中で)第3党は通常、国政選挙で大きな役割を果たすのに十分な支持を集めなかった。しかし、トランプが(トランピストによる)新党を立ち上げれば(既存の)共和党候補者からの支持を奪いかねず、共和党当局者の激しい反対に直面するだろう>
日本の最大の敵は中共であり、中共はトランプと共和党が大嫌いである。しかし、トランプ新党ができれば事実上、共和党は分裂あるいは弱体化するから、ともに銭ゲバ体質の中共と民主党にとっては好都合だ。トランプの新党騒動については、待てば海路の日和あり、洞ヶ峠を決め込むだろうが、中共と民主党はアカとピンクで相性がいいから米中対立は小康状態になるかもしれない。
ところが偉大なる習近平主席は小康という「停滞」を好まない。2049年、建国100年祝賀までに中共を世界最強の帝国にしなければならないからだ。つまり1日でも早く米国を屈服させなくてはならない、米国が内紛で日和見的なっているのなら「チャンス到来!」と押し出していくしかない、スケジュールが決まっているし、寿命は伸ばせないのだから。
焦りまくる習近平は結局、軍事力を背景に世界制覇へ駒を進めるしかない。となれば米民主党もそれに対抗せざるを得ず、21世紀の太平洋戦争は不可避となる。「一点突破、全面展開」、危機をチャンスに変えて日本独立を果たすべし。
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/238(2021/1/23/土】スリリングと言えばスリリングだが、小生の鬱病は「安定3か月、不安定1か月」のサイクルのようだ。不安定期はちょっとしたことで始まり、急激に深まり、生きているのが嫌になる、ウンザリする、死神が優しい言葉で「あんたは頑張った、疲れたろう、もう楽になったらええ」とささやくのだ。
静かに死ぬのはまあ「上」だが、新聞でよく見るのは家族を道連れにするやつ。無理心中と言うのか、随分身勝手。当てつけ自殺もある。それなりの理屈はあるのだろうが、これは美学、自死道に反する邪道で、閻魔様は「往生際が悪すぎ、美しくない、下の下」と判決して「もう一度人間界へ行って来い、今度はまじめに勤めてしっかり往生するんだな」と厳罰を食らわせるのである。
「ちっ、最近は安易な自殺が多すぎるぜ、昔はそれなりに哲学的な自死とか大義に死すとかそこそこあったんだが、お湯を注いで3分、レンジで1分、まるでファストフードみたいな“お気軽自殺”ばっかり。大死一番絶後再蘇のような天地をも感動させる自裁なんてありゃしない・・・まったく昔が懐かしいぜ
、いやはや老いの嘆きか」
戦争がない、競争がない、緊張がない、そういう平和、安定、順風が長く続くと特に男は堕落、劣化するね・・・そうだ!「生きる」とは「息をする」ことじゃない、「息」をしたところで「生きる」ことにはならない、積極的、能動的、目的意識的に心身を働かせることが「生きる」ことなのだ。
「俺は“もういいや、やるべきことはやった、あの世に行ってもいいだろう”と思っていた。じゃあ、具体的に何をやったのか。バカをやった、家庭をもった、子供を育てた、仕事もやった・・・それは、しかし、動物は皆やっているぜ、ちっとも人間らしくない。本能のままに息をしていたようなものではないのか。人間を生きる、人間の、世界の、地球のために生きる、半歩でも一歩でも前進する・・・生きる、生き切る、挑戦し続ける、それが天が課した人間への、俺への使命なのだ」
うーん、これは電波が走ったわけではないが、なかなか理にかなった指針ではあるなあ。このところ就寝の寝床でイスラム教徒の鈴木紘司著「イスラームの常識がわかる小事典」とか、高谷道男氏の「ヘボン」を読んでいる影響かもしれない。
ヘボン(米国籍、ヘップバーン)と言えば「ヘボン式ローマ字」しか知らなかったが、幕末に来日したプロテスタントの宣教師、医師、学者であり、最初の英和辞書、最初の日本語訳新旧約聖書を作り、明治学院創設などに尽力した人だった。世界中に感染症が蔓延する中、何度も病魔に倒れ、3人の子を失いながらめげず、くさらず、恐れず、米国での病院経営で得た莫大な私財を投じて、清貧を苦にせず、天命に従って努力する姿は感動的である。こう言っては何だが、「昔のアメリカ人は偉かった!」。
我思う「偉人は激動期に現れ、凡人は安定期に繁殖する」・・・これからは傑物がどんどん出てくるのだろう。まあ戦後体制はそれなりに安定していたから残念な気がしないこともないが、日本が日本を取り戻すための時代が来たということだ。「インド太平洋の守りは日本と同盟国に任してくれ」、そういう時代へ積極的に生きていきたいものである。
ここまで書いたらずいぶん気が晴れた。チンケな些事の穴にはまっていないで天下国家の大事に目を向ける・・・新たな鬱病治療法“シーチンメソッド“ではあるが、興奮しすぎて統合失調症にならないように注意しよう。
列強の政治家は、冷静に、冷徹に、悪魔のように細心に、天使のように大胆に、謀略に満ちた国際政治の怪しい海を上手に渡るか、溺れるか・・・伊藤貫著「歴史に残る外交三賢人」から学ぼう。
<ドゴールの「国際政治の多極化戦略」の続き。D)ドゴールは「米ソ両国による核兵器の独占体制」に激しく反発した。政治イデオロギーにおける米ソの非難合戦にもかかわらず、米ソにとってこの核兵器独占体制は覇権利益にかなうものだった。米ソは同盟国が核を持てない=自立できない状態を維持したかったのである。
フランスや日本などを永遠に自主的な核抑止力を持てない状態に留めておけば、米国は「適性国の核ミサイルが怖かったら、お前たちはアメリカの言うことを聞け!」といつでも同盟国を脅しつけることができる。
中朝露の核ミサイルに包囲されている日本は、外交交渉や経済交渉で米政府に恫喝されると、あっという間に屈服してしまう。それが日本の実態だ。
ドゴールはこのような米国のシニカルで狡猾な同盟国支配政策に激しく反発した。米ソの提唱した「核不拡散条約」「核実験停止条約」を、「これは米ソによる核独占の企みに過ぎない」と喝破し、交渉参加を拒否。NATO軍(米軍)をフランス国内の基地から追放し、フランス独自の核抑止力を構築したのである。ドゴールは「国際政治を多様化し、フランスの自由と独立を回復するためには、フランス独自の核抑止力が絶対に必要だ」と確信していた>(続く)
「核兵器禁止条約」が昨22日、50カ国・地域で発効したという。何十年たってもダメな人はダメのまま、進化するわけではない、誰かが木鐸を叩き続ける必要はあるということだ。ドゴールは国民をいかに説得したか、学ぶべし。
今のEUはフランスが抑え込んでいるから一応まとまっているように思えるが、すべてはドゴールの功績があってこそだろう。ドイツの中共べったりや域内に押し寄せる移民問題などいろいろな問題があっても、とにもかくにもフランスが盟主であればEUは安定を維持できそうだ。
一方で我が日本丸は「天気晴朗なれど波高し、皇国の興廃、この一戦にあり」の危機感ゼロ、足元のコロナでジタバタ、夏の五輪でドタバタ・・・何やってんだか、という印象、船が沈没しかねないという危機感が全くないようだ。不思議の国の白ウサギみたいに「分別くさく、臆病、脆弱、狐疑逡巡」、ひたすら無意味に慌てているだけの感じ。穴に飛び込んで冬眠し、引き籠りたいのか、パッパラパーのパー、ほとんど自閉症のよう。
ところで去年あたりから産経が読者増、収入増のために左とか大衆迎合の方にポジションを移しつつあるような印象を受ける。トランプ政権の4年間でリベラル≒容共的な記者は一掃されたと思っていたが、黒瀬悦成・ワシントン支局長は根がリベラルなのか、露骨にバイデン万歳、トランプ消えろ、というスタンスになった感じ(本性とか先祖返り?)。
産経の姉妹紙の「夕刊フジ」はまるでアカ新聞。「バイデン襲撃も噂されるアメリカ再建の遠い道のり」(2021年1月22日)から。
<混乱と憎悪と暴力の果てに、アメリカの政権交代が行われた。こんなに暗雲に包まれた大統領就任は史上初だろう。世界で最初の近代的民主主義国家として建国して約250年、バイデン政権が担うことになるのは、「アメリカの再出発」である。ニューヨーク在住46年のジャーナリスト・佐藤則男氏は、それが想像以上に難しい現実を指摘する――
「第46代アメリカ大統領に就任したバイデン氏に最大の賛辞と惜しみない拍手を送りたい。様々な国家的危機を引き起こしたトランプ前大統領から執拗な仕打ちを受け、苦しみ、戦い抜いた結果の就任であるから特別な意味がある・・・
トランプ氏を叩いて視聴率を稼ごうとするだけの今日のニュース・ショーは、どうしても軽薄で醜悪に見えてしまう・・・
バイデン大統領は、就任と同時に全速力で仕事を進めなければならない。パンデミックとの戦い、環境問題に関するパリ協定への復帰、世界保健機関への復帰、同盟国への安保条約改定要求の取り消し、移民排斥の撤廃--何もかも待ったなしである。
アメリカが失ったものは大きい。民主主義と、それを支えるメディア再建の道は険しく、長い道のりとなるだろう>
何を言いたいのか分からないが、トランプ大嫌い、民主党大好きという感じで、氏はNEWSポストセブン(1/21)にこう書いている。
<就任式には、クリントン元大統領夫妻、ブッシュ元大統領夫妻、オバマ元大統領夫妻が参列した。会場から大きな拍手で迎えられる。この3組の元大統領夫妻が席に着くと気持ちが落ち着く。やっとアメリカが返ってきた、という安心感が湧いてくるのである>
小生は“3バカ・・・心が萎える”がなあ。彼の思考や言い分は米国リベラル≒サンダース的共産主義者そのものだろう。こうした記事をフジが掲載するのは左巻きやピンク層に媚びて読者、スポンサーを拡大し、売上を増やしたいからだろう。フジで成功すれば産経本紙でも左傾していく心算だろうが、コアの読者は離れていくのではないか。かなり危険な賭けだ。
陸羯南の「日本」のように天下国家を論じ報じる週刊誌(紙&ウェブ)があってもいいなあ。毛沢東の「百家争鳴」は政敵をあぶりだすための罠だったが、日本では「伝統保守=改革派」vs「容共死守=保守派」の言論戦が展開される場となれば刺激的、かつ面白い。産経がやればクラシック音楽の雑誌よりは売れること間違いなし。
ウォールストリートジャーナル(WSJ)2021年1月19日「トランプ 新政党立ち上げで会合」から拙訳する。
<関係者によるとトランプはここ数日、新党の結成について関係者と話し合い、ホワイトハウスを去った後も影響力を続ける取り組みを行っている。トランプは新党を「愛国者党」と名付けたい意向という。
トランプはここ数日、上院多数派指導者ミッチ・マコネルを含む複数の共和党指導者と対立しており、彼らは「トランプは国会議事堂で致命的な1月6日の暴動を引き起こした責任がある」と述べている。ホワイトハウスはコメントを控えているが、世論調査によると、トランプは共和党有権者の間で依然として強い支持を維持している。
トランプが新党立ち上げにどれほど真剣に取り組んでいるかは不明だが、時間と資源の多大な投資を必要とするだろう。トランプは大きな支持基盤を持っており、そのうちのいくつかはトランプが立候補した2016年の選挙戦から(トランピストとして)共和党支持になった。
(共和党、民主党の2大勢力の中で)第3党は通常、国政選挙で大きな役割を果たすのに十分な支持を集めなかった。しかし、トランプが(トランピストによる)新党を立ち上げれば(既存の)共和党候補者からの支持を奪いかねず、共和党当局者の激しい反対に直面するだろう>
日本の最大の敵は中共であり、中共はトランプと共和党が大嫌いである。しかし、トランプ新党ができれば事実上、共和党は分裂あるいは弱体化するから、ともに銭ゲバ体質の中共と民主党にとっては好都合だ。トランプの新党騒動については、待てば海路の日和あり、洞ヶ峠を決め込むだろうが、中共と民主党はアカとピンクで相性がいいから米中対立は小康状態になるかもしれない。
ところが偉大なる習近平主席は小康という「停滞」を好まない。2049年、建国100年祝賀までに中共を世界最強の帝国にしなければならないからだ。つまり1日でも早く米国を屈服させなくてはならない、米国が内紛で日和見的なっているのなら「チャンス到来!」と押し出していくしかない、スケジュールが決まっているし、寿命は伸ばせないのだから。
焦りまくる習近平は結局、軍事力を背景に世界制覇へ駒を進めるしかない。となれば米民主党もそれに対抗せざるを得ず、21世紀の太平洋戦争は不可避となる。「一点突破、全面展開」、危機をチャンスに変えて日本独立を果たすべし。
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp