台風が去りましたが、そのあと三つ台風が発生しているとのこと。
そのせいか、蒸し暑いけれど風が吹いています。外仕事には嬉しい風です。
夏休み、体を使ってたくさん遊んで元気なお子さんたちの話をSNS内で読んで、こちらも元気をもらう日々。
また、学びの芽が育てているお子さんの意欲盛り盛りな話にも「わー、子どもってやっぱり学ぶことが好きだなぁ」と再認識させられたりしています。
ところで、お子さんに勉強を教えるときに、教える方はどうしても「できるように!」と思いながら教えてしまいがちではないでしょうか。
例えば、「3個のものはどれ?」と聞いて、
🍎🍎🍎のカードが取れたら、できた!と
いう感じです。
でも、同じ「3個のもの」でもまっすぐ並んでいなければ取れなかったり、大小様々なものが並んでいるとわからなかったりすると、「さっきできたのに…」と思って、何度も「3個はこれよ!」と同じような学習を繰り返してしまいます。
これも確かに学習なのですが、その前に、
そのお子さんはまだ、生活や遊びの中で本人の中に数の概念を形作る土台が満ち足りていないのだと思います。
では、生活や遊びの中で培っていく数の概念の土台はどんなものでしょうか。
例えば、大きいクッキーと小さなクッキーがあったら、大きいクッキーを取ったり、大好きなイチゴがお皿に盛ってあったら多い方を取ったりする力。
その力を今度は、絵に描いた大きい丸と小さい丸を見せて、「どっちが大きい?」と聞いたとき、クッキーのときと同様に大きい丸をさせるでしょうか。
この大きいクッキーを取る「感覚」と絵に描いた丸の「大きい、小さい」を比較する力の間には、小さいけれど深い溝があります。
それはその子の中に「大きい」「小さい」という言葉が自在に使う柔軟性、概念ができているか、いないか、ということ。概念が形成されていなければ難しいことだそうです。
そして、「大きいー小さい」に限らず「多いー少ない」「長いー短い」「重いー軽い」など、算数の入り口以前にある様々な言葉について、本人なりに経験し、蓄積して概念ができていることが大切なことのようです。
これらは、数字に置き換える以前の測っていない量ということで「未測量の概念」と呼ばれています。
そしてこの未測量の概念が子どもの中に育てていくことが、算数の数字の中に潜む量を子どもが真に理解する土台となるものだと思います。
そこから更に、進展するのですが、まずは、この子どもが体感して学ぶ量についてたくさん経験させていきましょう。
それは、この長い夏休みにこそできる算数の土台となる力です。
お子さんの好みの幅が狭いと経験の幅も狭くなります。でも、その中でも、やれることはあるはずです。
わかりやすいできた!を求めてしまいがちですが、子どもが「わかった!」と思えるように、遠回りでもお子さんの中に算数をわかるための体験を長い休みを利用して育んでくださいね。